枯葉色グッドバイ (文春文庫 ひ 7-4)

著者 :
  • 文藝春秋
3.76
  • (35)
  • (46)
  • (59)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 341
感想 : 51
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (502ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167531041

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 過去に読んだような気がするものの、ブクログに登録してなかったので読んでみた。
    やっぱり微かな記憶がありましたが、樋口氏にしては珍しいハードボイルドな作品でした。
    元敏腕刑事ながら不幸な事故をきっかけに全てを捨ててホームレスになった椎葉と、彼をアルバイト扱いする現役刑事の夕子。この2人のやり取りだけでもかなり良い塩梅なのに、更には本当はとても素直なのに周囲からは理解されず、かつ悲しい宿命を背負った美亜に対する椎葉の接し方は絶妙でした。
    二つの事件の真相はいずれもつまらないものだったけれど、ホームレス社会における椎葉の必要以上に介入しない立ち回りもそれまた絶妙。
    樋口作品の中でもトップクラスの力作だと思います。

  • 「誰もがなりたくないと思い、それでいて誰もがなれてしまう。そこがホームレスの面倒なところだな」
    代々木公園のホームレスで元刑事の椎葉は、女性刑事の夕子に日当2千円で雇われ、一家惨殺事件の推理に乗り出す。

    主人公がホームレスであっても、相変わらずの斜に構えた語り口、登場する女性が美女ばかりで、なぜかモテル主人公。
    面白かった。

  • 面白くはあったけど、長かった…
    ハードボイルド風で、結局、娘の事故と奥さんのくだりは一体何だったんだろうかとも思うけど…

  • 20180505

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    「誰もがなりたくないと思い、それでいて誰もがなれてしまう。そこがホームレスの面倒なところだな」。代々木公園のホームレスで元刑事の椎葉明郎は、女性刑事、吹石夕子に日当二千円で雇われ、一家惨殺事件の推理に乗り出す。考えるホームレス、椎葉の求めた幸せとは?ハーオウォーミングな長篇ミステリ。

    ホームレスなのにモテていいなあという気持ちがもたげるミステリーです。殆ど表紙の秀逸さで手に取った感じでした。いい表紙ですよねまさに秋という感じで。フォントもレトロで飾っていおきたいような表紙です。表紙の事ばかり言うなって?何を言いますやら、ジャケ買いしていた世代にとっては重要な要素ですよ。表紙嫌いだとまず手に取りませんからね。
    樋口 有介 さんの本はどれもライトなテイストでウィットに富んだ会話でサクサク読めていいです。頭が疲れている時に高村薫さんとか読むと脳のエネルギー大量消費しますからね。この話えぐい事とか出てこないので穏やかに読めます。

  • もう一回読みたい

  • 元刑事のホームレス椎葉が,女刑事に雇われて殺人事件の推理に乗り出す。
    最近,個人的に話題沸騰中の樋口有介。
    まずは主人公の椎葉のセリフのセンスが素晴らしい。
    女子高生に「普通にしゃべりなよ」と言われてしまうくらいに,小粋な発言。
    刑事を辞めて世捨て人を気取りつつも,事件となると刑事の血が騒ぐ。
    女子高生の達観した感とか,女刑事のやさぐれ感とか,主人公以外のキャラもよし。

  • 探偵役が「ホームレス」というミステリも
    なかなか珍しいのでは(^ ^;
    ま、ホームレスと言っても、主人公(?)の椎葉は
    「元優秀な刑事」なわけですが。

    で、このホームレス椎葉氏が、ひょんな偶然で
    後輩の女刑事に「発見され」て、
    日給二千円で助手として雇われるというお話(^ ^

    確か警察官は基本的に二人一組で行動するはずが、
    件の女刑事は常に一人で独断専行してたり、
    長いことホームレスで「準寝たきり」の椎葉氏が
    暴漢に襲われると鋭い柔道技で撃退したりと、
    内容的にはかなりファンタジー入ってると思います(^ ^;

    でも、刑事部屋の描写とか、細かいところが
    変に(失礼!!)リアリティに満ちあふれていて、
    全体的には何となくリアルな印象かな(^ ^

    椎葉氏の「鋭い推理」が外れたりするのも
    スーパーマン過ぎなくて良い(^ ^

    せっかく格好付けてハードボイルドな台詞を言っても、
    今どきジョシコーセーに「普通にしゃべれないの」
    と一蹴されてしまったりするのも笑える(^o^

    とにかく樋口氏お得意の「洒脱な会話」は健在で、
    結構なページ数ですが全く長くは感じなかった。
    むしろもっと読んでいたかったような(^ ^;

    あえて気になる点を挙げてみると、
    いかにも「意味ありげ」に出てくる椎葉氏の元妻が、
    結局何もなくほったらかしなのは...
    若干いかがなものかと(^ ^;

    もしやシリーズ化を目論んでいて、
    次作への伏線になってるのかも知れませんが(^ ^

    とにかく、とても楽しませていただきました(^o^

  • 謎解きが二転三転。書きようによってはハラハラドキドキになりそうだが、この作品、ゆるくゆったり。

  • 椎葉、吹石、美亜

全51件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1950年、群馬県生まれ。業界紙記者などを経て、88年『ぼくと、ぼくらの夏』で第6回サントリーミステリー大賞読者賞を受賞しデビュー。『風少女』で第103回直木賞候補。著書に『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の思惑』、「船宿たき川捕り物暦」シリーズの『変わり朝顔』『初めての梅』(以上、祥伝社文庫刊)など。2021年10月、逝去。

「2023年 『礼儀正しい空き巣の死 警部補卯月枝衣子の策略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

樋口有介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×