- Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167540098
感想・レビュー・書評
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ひとつひとつが割と短いエッセイ集ではあるが、岸田秀の鋭い切れ味はちゃんと出ており楽しく読めた。この本では著者の母親との話がたくさん出てきて、他の本で読んだそれよりも感情的で強いメッセージ性を感じた。また、この本のあとがき部分で和光大学について書かれているが、これが非常に面白い。ここだけはいつもの心理分析者ではなく、大学経営者目線で書かれている感じがした。
あと、解説を「一神教vs多神教」で対談した三浦雅士が書いており、なぜ岸田秀の読み物が解りやすいのかを解説してくれている。
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あの有名な精神科医のフロイドが、一神教(世界三大宗教)の起源がエジプトにあると断言する。モーセはエジプト人(その証拠もある)で、ユダヤ教はある宗教に由来するらしい、その宗教とは、ファラオが異民族を支配するために生み出された一神教(太陽神)のことである。
ファラオ亡き後、エジプトは衰退し、帝国の勢いは失われるのだが、モーゼがファラオの意志を継いで、ユダヤ教という形でユダヤ人国家を成立(その方向へ)するに至るわけだ。なるほどね。信じるか信じないかはあなたしだいである(笑 -
著者の考え方に賛成できる部分と賛成できない部分があって。その多くは否定できない部分っていうのが占めていたような気がする。ちょっと面倒くさい言い方をしたけど今横浜では開港150周年だっけか。そういう記念日だと言って街はハッピーだ。ところがだ。歴史的に見て。それは××されたようなもんだ。といってしまう著者(当時)。その言い方は波紋をよぶと思うがその理由をちゃんと聞かねばならない。それをしっかり耳を傾けて聞けば「だったらそう言えよ。」となる。なら。わからないでもない。あるべき理想の家族とかあるべき親や子供の姿はあまり追求するべきではない。と。本書はそういうテーマだったんだけどどっかで追い求めるのが人だって。そういうのもやっぱり否定できないんだ。
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おもしろい床屋政談だと思う。この本の主旨には全く関係ない話だが、真ん中辺りに書いてある挿話の内容には驚いた。