- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167551063
感想・レビュー・書評
-
皆さん、「バールのようなもの」をご存知ですね? そう、犯罪報道の定型句です。あれって、絶対バールですよね? それ以外あり得ない、間違いなし!
いやいや、あれは絶対バールではないです。だって、「女房が鬼のような顔で‥」と言う妻は鬼ではないですよね。「卵の腐ったような臭い」の正体は卵ではないですよね。
いやいやいや、それは比喩でしょ。それも「〜のような」なので、直喩ですよね。
むむむ、じゃあどっちよっ! 実際の犯行道具が未発見の場合に使用される用語で、不確定・曖昧さを指すようですね。ほおぉぉ‥‥。
とまぁ、表題作はざっとこんな話。
本作は30年程前の刊行で、内容も作風も多様な12話の短編小説集です。表題作『バールのようなもの』ともう一編は、立川志の輔さんの新作落語の原作になっています。YouTubeで視聴するに、いや〜面白い。原作を絶妙に掘り下げ膨らませた、ご隠居とはっつぁんの掛け合いが楽しいです。原作の上を行ってるかも‥。
普段、原作小説の映画化作品は"観ない派"ですが、今回は表題作と落語版の両作を楽しめたのが収穫でした。私のような落語の素人には、名作古典より新作から入るのもいいかもせれません。 -
「バールのようなもの」に取り憑かれた男の話。先日読んだ『バールの正しい使い方』の元ネタ?でしょうか。
ほかには「秘密倶楽部」や「みどりの窓口」の謎、アナログ人間によるデジタル賞の「特別審査員」など…。日常のちょっとした違和感や疑問がシニカルに描かれていました。
----
ニュースなどで使われる言葉で違和感があるもののとして「乗客に日本人はいませんでした」と歌った曲があったのを思い出しました。
THE YELLOW MONKEYの『JAM』ですね。
最近違和感を感じるものでは何かあるでしょうか??
個人的には「させていただきます」や「よろしかったでしょうか」が気になる時があるので清水さんにはその辺りをぜひ作品にしていただければと…
-
タイトルに惹かれて読んだ。
一言で言えば、普通に日常を過ごしていれば、疑問に思う間もなく過ぎ去ってしまうような言葉に、執拗なまでに食い下がって、強引にその謎を解く、というストーリー。
でも、個人的にはかなり面白かった、というか、軽く感動した。
野矢茂樹氏の「初めて考えるときのように」と言う本がある。
視点も方向性も違うが、自分の中ではこの2冊は、同類。 -
侵入窃盗のニュースでよく聞く「バールのようなもの」。
それが一体何なのか、作者は犯罪者と疑われるのを覚悟し、ホームセンターへ。
店員におそるおそる「バールのようなもの」を臭わせながら品を探す作者の言葉はハッキリしません。イラつく店員は「バールじゃだめなんですか?」と蓮舫のようなことを言ってきます。「バールならあるんですけどねぇ…」
よくもまぁこんな話思いついたなぁ、と笑いました。
清水義範のパスティーシュの中でも、上位に入る好きな話です。 -
バールのようなもの。確かに、どんなものなのだろう?考えたことがなかった。面白い視点だ。
○○についてどう思いますか。これは一転、考えさせられる内容だった。この辺りは、TV番組とは、バラエティは勿論、情報番組・報道番組ですら、そうやって作られていて、視聴者は知らず知らず、誘導されているのだろうと、きっと誰もがどこかで気づいているとは思うが。裏側では、本当にこんな風なやり取りがされているのかもしれないな、と。 -
【概略】
「犯人は『バールのようなもの』を使いドアをこじ開け、金品を奪い、逃走しました」という表現をTVで耳にする。この場合における「バールのようなもの」とは、「バール」とは違うのだろうか?実は強盗業界に存在する謎の道具、素人に知られてはならない禁断の道具が存在しており、その名称を秘匿するために「バールのようなもの」としているのだろうか?そんな疑問に襲われた男は「バールのようなもの」の謎を解くべく、動く。「バールのようなもの」の他、「みどりの窓口」「秘密倶楽部」を収録した短編集。
時期不詳 読了
2020年12月22日 読了
【書評】
立川志の輔師匠の新作落語「バールのようなもの」(ちなみに「みどりの窓口」も師匠はネタとしてもってる)の原作となる短編。軽妙なリズムの文体と、シニカルなトーンがとても魅力な話なのだよね。と同時に、志の輔師匠の落語への変換・アレンジの素晴らしさも感じることができるという。
作者である清水義範さんはSF作家ではないけれど、筒井康隆さんなどと同じ空気感を感じる。SF作家って短編がすごくシュールで面白いのだよねぇ。「バールのようなもの」や「秘密倶楽部」などは、それを凄く強く感じたね。「〇〇についてどう思いますか」という短編にも同じことを感じた。「みどりの窓口」も、今となってはスマホでチケット予約できちゃう時代だけど、まだ窓口に並んでチケットを買う文化が残っている自分にとってはニヤニヤがとまらない作品なのだよねぇ。
もう一つ、「これは講談という次元に昇華されて面白い!」と思った収録作品として「山から都へ来た将軍」を紹介したいなぁ。木曽義仲の話なのだけども、軽妙なリズムの文体で歴史上の人物が鮮明に映像化されるのだよね。巴御前も登場して、歴史の流れも勉強できて・・・「これは英語講談にしてもいいんじゃない?」と思ったぐらい。
逆に「これはきっと愛知県を知らないと全く面白くないだろうなぁ」と感じたのが「愛知妖怪事典」かな。愛知県で生まれ育った自分だけど「これはたとえば『秋田妖怪事典』なんて形で出されても、楽しめるのだろうか」と思ったぐらい。文脈をもうちょっと作ったらもっと面白くなるのになぁと。
とはいっても「バールのようなもの」だけで十分楽しめる短編集なのだよね。定期的に読んでニヤニヤしたくなるね。 -
バールのようなものって何か。哲学である。新米新聞記者の兄に聞いたところ、「バールのようなもの」で90点の表現らしい。
-
清水氏の短編集。身近な話題をおもしろおかしく描いたもの。ついクスッとしてしまう作品。
-
微妙。
面白いのですが、たまに入ってくるユーモアがわからなかったりするので、どうも気になる。
バールのようなもの 2
○○についてどう思いますか? 3
みどりの窓口 3
特別審査委員 2
旅は道づれ 3
役者語り 4
善男善女の夜 5
豪奥新報~ 1(不明)
山から都へ来た将軍 4
愛知妖怪辞典 2
新聞小説 3
と思いました。
いつも思ってました!!
他に何があんねん!って笑
私は鬼だろうか…
いつも思ってました!!
他に何があんねん!って笑
私は鬼だろうか…
コメントありがとうございます!
私は鬼?って、そんな滅相もない‥
我が家の個人的な見解です(笑)
コメントありがとうございます!
私は鬼?って、そんな滅相もない‥
我が家の個人的な見解です(笑)
確実に鬼化しつつあるので、
思わず自問自答してたのでした!笑
確実に鬼化しつつあるので、
思わず自問自答してたのでした!笑