熊谷突撃商店 (文春文庫 ね 1-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167559038

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  • 女優熊谷真実、松田美由紀の母にして、故松田優作の義母である熊谷清子の半生を綴った一冊。
    二歳で満洲から引き揚げ、山口県で幼少期を過ごし、静岡での女工時代、多感と言うよりは腕白な青春を過ごし、文通から出会い、東京で後に旦那になる男と出会うわけだが、そこで手籠に...
    しかし、結婚早々、式の宴席中に実は結婚歴ありの子供ありの新事実発覚。結婚するも妾、二号、愛人と、奔放な亭主。
    どこか牧歌的な感じすらする。大味な戦後。
    逞しく生きた時代だったんだな。
    松田優作の背景がこういうところにあったのかと。
    戦後を全力で生きるってのは、こうだったんだなと活力をいただける一冊でした。

  • 松田優作の嫁、松田美由紀の母の人生をねじめ正一が小説化。
    超ついてなくてダメすぎる人間に囲まれている最悪な人生、になりかねないのに、めちゃめちゃ幸せそうに見えるキヨ子。
    どん底の状況だと思うのに、「自分は不幸だ」「死にたい」なんて描写が全然なくて、むしろ幸せな部分を取り上げてる。
    後半は少し駆け足だけど、読むと自分の周りの全てを愛せそうになるお話。あとがきの「救ってあげてね」が泣けた。

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著者プロフィール

ねじめ正一
1948年東京都生まれ。詩人、作家。 
詩集『ふ』(櫓人出版会)でH氏賞、『高円寺純情商店街』(新潮社)で直木賞、『荒地の恋』(文藝春秋)で中央公論文芸賞、『商人』(集英社)で舟橋聖一文学賞、『まいごのことり』(佼成出版社)でひろすけ童話賞、『ひゃくえんだま』(鈴木出版)でけんぶち絵本の里大賞びばからす賞を受賞。
主な児童作品に『ぞうさんうんちしょうてんがい』(くもん出版)、『ずんずんばたばたおるすばん』(福音館書店)、『みどりバアバ』(童心社)など多数ある。

「2022年 『たんていベイビー きえたヤギのおばあさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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