- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167598044
作品紹介・あらすじ
わが国のタレント教授のハシリとなった東京帝大教授・和田垣謙三の「どこまでまじめでどこまで冗談かわからない」面白さをはじめ、花森安治、会田雄次、長谷川泰らのちょっとイイ話が満載。また、「カギのない蔵」「五十をすぎたおばあさん」など、言葉にかんする鋭い指摘もタップリ。考えるヒントを授ける。
感想・レビュー・書評
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高島俊男のエッセイ集『お言葉ですが…〈3〉明治タレント教授』を読みました。
高島俊男の作品は5年くらい前に読んだ『お言葉ですが…』以来ですね。
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読書界の「日本語ブーム」に先鞭をつけたシリーズ第三作
大学でも経済学の講義をまったくしなかった帝大教授をはじめ、人物や言葉にまつわる愉快なエピソードが満載。
考えるヒントを授ける。
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文藝春秋の発行する週刊誌『週刊文春』連載されていた、言葉の語源や、本来の正しい使い方等に関する痛快なエッセイを収録した『お言葉ですが…』シリーズの第3作… 刊行時は『お言葉ですが…〈3〉せがれの凋落』というタイトルだったようですが、文庫化した際に改題したようです。
■青い顔してナンバ粉食うて
■院殿大居士一千万円
■カギのない蔵
■赤い腰巻き
■せがれの凋落
■明治タレント教授
■独孤将軍孤軍奮闘
■文庫版あとがき
■解説 呉智英
■牽引/巻末
わが国タレント教授のハシリとなった東京帝大教授・和田垣謙三の「どこまでまじめでどこまで冗談かわからない」面白さをはじめ、花森安治、会田雄次、長谷川泰らのちょっとイイ話が満載、、、
また、「カギのない蔵」「五十をすぎたおばあさん」など、言葉にかんする鋭い指摘もタップリ… 考えるヒントを授ける。
7月と8月が2か月連続で31日あって2月が28日(閏年は29日)の理由やジュライやオーガストの由来、ワープロがもたらす珍語の続出、国語改革による代用字利用への嘆き、「開き直り」や「檄を飛ばす」の正しい用法 等々、本作でも面白く、愉しく、日本語の勉強ができました、、、
こういう人に日本語を教えてもらいたかったなー というか、これから学びなおしたいくらいですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
"この本の痛快さは、著者である高島さんは新聞であろうと、辞書であろうと違うと感じたものは間違っていると指摘し、自らの主張を裏付ける論理を展開するところ。「あとからひとこと」では、読者からの手紙を紹介し、自ら反省することもあれば、読者の主張は間違いで自らの考えが正しいことを論破したりもする。
シリーズ3冊目で面白かったのは、「細君」は配偶者を表す言葉だが、なぜこの言葉が使われるようになったのかを模索したコラムや「開き直る」のスポーツ選手がコメントするときの意味と本来の言葉の意味を考察したコラム。" -
「ジュライ、オーガストの不思議」の話は、「今でしょ!」の林修先生がテレビ番組で、授業での持ちネタだと話していたのをおぼえています。
「位相」ということばに対する疑義を提出した「「位相」ってなんだろね」ですが、哲学者の鷲田清一が、若いころに論文中でこのことばを用いて、試問のときに教授の不興を買ったという思い出を語っていたのを思い出しました。
シリーズ第三弾ですが、言葉の来歴の薀蓄だけでなく、電車の案内放送を批判した「エンドレステープを憎む」など、時評的な性格のエッセイも含まれています。 -
再読。
このシリーズはおりに触れて読み返そうと思っている。言葉についての考察もいいが、世の中の風潮に対する姿勢もいい。
本書では、阿川弘之さんの話題が心に残った。日本の民主主義は「一番下のレベルに合わせて行きましょう」を大原則とするなんてくだりは、ごもっともと深くうなづくばかりでした。
題名は、単行本発刊時の「せがれの凋落」のほうが、はるかにいいと思うけど、いかがなものでしょう。