- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167640095
感想・レビュー・書評
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今回は松前藩に係るお話。6編。
切なく哀しいお話ばかりだけど、何故か読後感がほっとするのも著者のなせる業。 -
蝦夷地や松前藩を舞台にした幕末期の話。動乱の時代、それまでの徳川の世が終わる事で、武士達は今後の身の振り方に変化することを迫られる。その渦中にある武士達やその家族を描いている。なかなか蝦夷や松前藩を舞台にした時代ものって少ないからやや読みにくかったけど、時代に振り回される武士達が哀れで、面白く読めた。
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作者の“郷土愛が書かせた”蝦夷にまつわる6編からなる短編集。特に幕末の混沌とした時代の蝦夷、松前藩を舞台にした作品が中心となっている。
表題作と同じく、将来を誓い合った若い男女、仙太郎と杉代を描いた「柄杓星」が最も印象的だった。大政奉還、王政復古…突然180度ひっくり返った世の中での幕臣たちの戸惑いと、若い侍の勇み足、それを見つめる無知で純粋な少女の目。二人の恋としてはハッピーエンドではないが、静かで力強い、不思議な余韻が残る。 -
ふわっとした安心感
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松前藩に関わる人々の小話集。表題の「たば風」はなんとも悲しく切ない。どの話も時代背景が幕末・維新の頃で、大団円にはちと遠いので、江戸の下町文化を堪能したい方には微妙かも?
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昔の女性は忍耐力がすごいんだなぁと感じました。
好き合っていた人と身分の差を理由に結ばれなかったり、苦手な人と結婚生活を何十年も営んだり。
もちろんパートナー選びの不自由もつらいだろうけど、女の人には家庭しかなかったので、何より生活もそれに左右されてしまう点が辛いと感じました。
今の時代に生きていてよかったと思いました。 -
6つの短編集です。
どれにも松前藩の話が出てきますが、必ずしも北海道が舞台というわけではなく。
宇江佐さんとしては普通の出来でしょうね。
ただ、宇江佐さんの作品は、女性が女性のために書いているという雰囲気があって、どうしても男の私にはすっぽりと入り込み切れない感じがします。
気に入ったのは「恋文」。今で言う熟年離婚の話ですが、息子に言われて亭主に(出す気の無い)手紙を書くうちに、亭主の良い所を再認識する奥さんの話。
う〜〜ん、これは年のせい?(笑) -
大分前に読了。
確か松前藩の話だった。
著者は札幌在住なので松前藩には思い入れがあるのかもしれないが、江戸の話の方が遥かに面白いと思ってしまうのが正直な感想。
諸田玲子が何かのあとがきに「宇江佐さんは東京の人なのかと思っていた」と書いていたが、本当に下町を描くのがうまい。