杉村春子 女優として、女として (文春文庫)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (784ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167679705

感想・レビュー・書評

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  • 戦前戦後を通じて活躍した大女優、杉村春子の生涯を描いたノンフィクション。
    この本を読むきっかけは、杉村春子が私の出身校の前身である山中高等女学校の出身で、そのことについて書かれていることを知ったことにあります。著者は杉村春子の生い立ちの取材で私の母校にも出向いているのですが、そのとき対応した教師として、私の高校生のときの担任の先生の名前が出てきて感慨深かったです。
    この本の中で共感したのは、杉村春子が晩年まで広島訛りに悩まされていたということです。自分のことを引き合いに出すのもおこがましいのですが、私も上京してから広島弁を直すのにかなり苦労したし、日本語教師になってからは特にアクセントに気をつけていたのに、それでも間違ったアクセントを生徒に教えてしまったことがありました。また、ずっと前に杉村春子が鼻濁音ができずに苦労したという話を聞いて、勝手に親近感を抱いていたことも思い出しました。
    今まで自分の出身校の歴史に興味をもったことがなかったのですが、意外なところからそれを知ることができ、またそのおかげで戦前戦後の演劇の世界にも触れることができてよかったです。

  • 本当によく調べて書いていらっしゃる。まずは、その努力に感服します。女優の伝記を書く人は大勢いるのですが、本当に難しいことだと思う。故人の名誉も不名誉も冷静に、かつ、暖かく愛情こめて書くというのは至難の業ですが、本書はかなり成功した作品だと思います。

  • 2009/
    2009/

    寺山修司さんの講演でこの方の名前が出てきました。

  • 通勤のお供に。ボリュームのある本が読みたくてこの文庫版を読んだ。リアルタイムで杉村春子を知っている人や演劇に興味がある人には、面白いのだろう。

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著者プロフィール

中丸美繪

茨城県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。日本航空に5年ほど勤務し、東宝演劇部戯曲研究科を経て、1997年『嬉遊曲、鳴りやまず――斎藤秀雄の生涯』で第45回日本エッセイスト・クラブ賞、2009年『オーケストラ、それは我なり――朝比奈隆 四つの試練』で第26回織田作之助賞大賞受賞。他の著書に『杉村春子 女優として女として』、『君に書かずにはいられない――ひとりの女性に届いた四〇〇通の恋文』『日本航空一期生』(令和2年度芸術祭参加作品・テレビ朝日「エアガール」原案、中公文庫)など。

「2022年 『鍵盤の天皇 井口基成とその血族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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