ぐるぐるまわるすべり台 (文春文庫 な 52-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.30
  • (32)
  • (80)
  • (184)
  • (32)
  • (6)
本棚登録 : 846
感想 : 106
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167679835

作品紹介・あらすじ

僕は大学を辞め、塾講師をする傍ら、バンドのメンバーを募集した。"熱くてクール、馬鹿でクレバー。最高にして最低なメンバーを大募集"そんなうたい文句に集まったロックな面々。ボーカル志望の中浜に自らの分身を見た瞬間、僕の中で新たな物語が始まった。カップリング作「月に吠える」も収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白がる人は、面白がらない人の30倍は可愛い。

  • 大きな出来事は起こらないけれど、テンポよく読め、共感できる作品。

    学校に行く決意をした”ヨシモク”、おそらく軌道に乗るであろう”狛犬”。
    それに反して、”僕”だけがぐるぐる回るのである。

    けれど、それだけが黄金らせんだけが、ある意味、ずっと、たどり着くことのないものではあるけれど、終着点を目指すことが出来る方法なのだろうか。

    時がたつにつれて、四分円の半径が小さくなるにつれて、”僕”のかわしぐせも少しずつ程度がましになっていくのではないだろうか。

    ”僕”が幸せになることを願わずにはいられない。

  • とっても好きなところと嫌いなところがたくさんあった話しでした。
    文章の書き方や表現はすごく好みで、とくに塾での出来事、とくに教室長の行動には主人公と同じようにそのパーフェクトスキルに憧れます。そしてヨシモクとの付き合いかたの空気がいい。

    でも!

    どうしても主人公が好きになれない。
    というか、あとがきにあったように、主人公のかわしぐせが好みじゃないのかもしれません。
    彼が語る内容、言葉はとてもきれいだけれど。
    静かに周りの波紋を観察して、たまにそこに石を投じてみるけど、その観察者から実際に自分も波紋の一つになってほしかった……

    でも書かれ方はとても好きなのでまた別の本を読んでみようと思います。

    • HAL.Aさん
      お邪魔しまっす。私もこの本から中村さんに入ったんだけども、「100回泣くこと」と「絶対、最強の恋のうた」がオススメだなー、なんて呟いてみます...
      お邪魔しまっす。私もこの本から中村さんに入ったんだけども、「100回泣くこと」と「絶対、最強の恋のうた」がオススメだなー、なんて呟いてみます。
      2010/07/31
  • 読み終えて まずは ビートルズのヘルター・スケルターを聞きました
    結構 テンポよく 始まる・・・。
    いい感じの曲!!
    この曲を 聞きながら散髪をしていたのかなぁ〜
    狛犬の今後が 楽しみ


    一度 リセットをするって 大事な事なのかなぁ〜
    新しくスタートをきる為の一歩なのかもしれない・・・。

    ゆったりとした感じが 伝わってきます


    一周回ったんだ、と僕は思った。
    一周回ったスタート地点は、かつて僕がいた場所とは違う。
    始めたこと、始めなかったこと、
    聞いたこと、語れなかったこと
    一周回ったんだ、と僕は思った

  • 珍しく恋愛要素のない中村作品。音楽と数学。
    『ぐるぐるまわるすべり台』これから何か始まりそうな爽やかさ。
    “はじまりの三部作”の三冊中、一番はじまりを感じた作品。
    初読は10年以上前、後編の『月に吠える』PDCAのエピソードが出てきてもあまりピンと来なかったが、社会人経験を積んだ今は主人公のすごさがわかる。「究極の効率化は自分の仕事をなくすこと」。うん、すげえよ哲郎くん。
    作品を読み終えて、YouTubeでビートルズのヘルタースケルターを聴いてみて、私は部屋の掃除がしたくなった。

  • 大学を中退して塾の講師をしながらバンドを始めようとする男の話。主人公より作者が感情に走っていて自分の文章に酔っているよう。

  • ギターやってる人が読んだら面白いんじゃないかな

    ヘルタースケルターはビートルズの歌らしい何か特に起きるわけでもない夕日の描写が良かった

  • この本でポップを作るなら、キャッチコピーあなたならどうしますか?

  • 中村航さんのだいぶ初期の方の作品です。塾講師のバイトのかたわらバンドを始めようとする小林と、その塾で教わっているヨシモク(小林が勝手につけたあだ名)、そして、小林がバンドを作ろうと募集をかけた時に話に乗ってきた千葉と哲郎サイドのバンドを始めようとする背景を描いた両局面からの話の展開になっています。
    結構ノリと勢いが面白い感じで、数学のこと織り交ぜつつ、ヘルタースケルターというビートルズの音楽を主軸にしながらバンドを始めようとする若い人たちのことを焦点を当てていました。
    作品は2004年のものらしいのですが、そういえばこの頃はウォーターボーイズとかスウィングガールズとか高校生がなにかを新しく始めてみるような映画が流行っていたなーと思います。(あとがきで知る)
    バンドというのも特殊性があるようでその動機は意外と単純なものだったりするんだなーと。
    新しいことを始めてみるのもエネルギーがいるからだんだんしなくなりがちだけど、挑んでみるのも悪くない…なんてことを考えてみました。

  • 敬愛してやまない中村航の作品だけど、何じゃコレ!言いたいことが全くわからないよ!
    中村ワールドのぽかぽかした感じが全くない。というか数学やら建築学やら、専門的な話を入れてこられても、「ガリレオ」シリーズ同様、文系の私にはサッパリ楽しめないし。
    良かった…私が読んだ中村航が、これが1冊目じゃなくて本当に良かった…。これが1冊目だったら、ほかを読まずに終わっていたかもしれない(笑)

全106件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

建築家。博士(建築学)。株式会社MOSAIC DESIGN代表。
1978年東京都生まれ。2002年日本大学理工学部建築学科(高宮眞介研究室)卒業、2005年早稲田大学大学院修士課程(古谷誠章研究室)修了。2008年同大学博士後期課程単位取得退学、助手・嘱託研究員を経て、2010年〜16年東京大学大学院隈研吾研究室助教。2011年東南アジアのストリートの屋台に関する研究で博士(建築学)取得。同年建築設計事務所MOSAIC DESIGN設立。明治大学I-AUD、早稲田大学、日本大学などで非常勤講師を務める。店舗・住宅・ホテル・商業施設・マーケットなど、屋台からアーバンデザインまで、何か楽しいことやりましょう!をキーワードに大小さまざまなプロジェクトに取り組んでいる。

「2023年 『POP URBANISM』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村航の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
石田 衣良
伊坂 幸太郎
伊坂 幸太郎
伊坂 幸太郎
あさの あつこ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×