裁判長! これで執行猶予は甘くないすか (文春文庫 き 26-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167753368

作品紹介・あらすじ

傍聴ブームという社会現象まで起こしたベストセラー「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」待望の続篇はますます絶好調。男泣き大安売りの被告人に、キャラも十人十色の裁判官。嫉妬に狂った地味な女もキャバ嬢に騙された34歳の男も、法廷でそれぞれドラマを展開中。文庫版スペシャル・伊藤理佐さんの突撃傍聴マンガも必読。

感想・レビュー・書評

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  • 川内有緒さんの『パリの国連で夢を食う』の後書きで、本を書くキッカケを作ったのが北尾トロさんだって書いてあったので購入。タイトルから想像できる通り、裁判傍聴モノ。

    以前、裁判の傍聴ブームがあった。裁判員制度の導入前だと思う。当時、阿曽山大噴火さんの文章をいくつかネットで読んだ記憶がある。決して熱くならない阿曽山さんのドライな視点が好きだった。

    さて、本書の感想。残念ながら,北尾さんの文章よりも、途中に挿入されている対談相手の阿曽山さんやダンディさんの言葉の方が面白かった。
    『裁判は過程ですよ。判決へと至るまでの流れや証人尋問,検察官と弁護人の駆け引きなどのディテールが楽しいんです。』とダンディさん。
    『ぼくは事件には興味なかったりするんです。裁判としては被告人質問とか証人尋問がおもしろくないですか。』と阿曽山さんも。
    一方で『オレはどうしても事件のストーリー性に引っ張られる傾向が強い。』と北尾トロさん。
    それが悪いわけではないが、裁判傍聴記の醍醐味は人間観察だ。事件のあらましが知りたいのであれば週刊文春でも読めばよい。もちろんトロさんの人間観察も悪くはないのだが、やはりストーリーに引きづられて熱くなりすきる嫌いがある。
    今回一番面白かったのも阿蘇山の言葉
    『個人的な感情をぶつける人は好きですね。痴漢の裁判で被告人は常習犯で犯行を認めてはいるものの反省の色が薄い。そこで検察官が言うわけですよ。『あんたね。これまで何十回も同じ事やって、やめる気あんの!』言葉が冷静さを失って、個人的な怒りが表に出てくる』
    裁判、傍聴したくなりますね。

  • 裁判傍聴記として話題を呼んだ(らしい)「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」の続編。
    傍聴初心者で裁判所内を自信なさげにウロウロしていた前著とは異なり、裁判の楽しみ方をすっかり身につけた筆者の振る舞いにはソツがなく、その分被告が見せる様々な表情の描写には力が入っています。相変わらずの軽さは気になりますが。
     
    法廷と言う非日常的な場所で繰り広げられる、ある時は常軌を逸した、またある時は感動的な人間ドラマ。一傍聴人として柵の向こうからそれを興味本位に眺めていた筆者本人に、まさか終盤あのような展開が降りかかるとは思ってもいなかった事でしょう。本当に、人生色々、誰に何が起こるか分からないものです。ダンディさん…

  • 前作読んではまったから買ってみた。

    傍聴に興味わく。
    いろんな事例があっておもしろい。

    全部の事件が深刻なんだろうけど
    なんか気軽に読めておもしろい。

    機会があったら一回傍聴行って見たい。

  •  裁判傍聴記の第二弾である。
     よくもこれだけのネタがあるものだと、本当に感心させられるくらいそれぞれ中身が詰まった一幕一幕で、笑いあり、不快あり、呆れあり、涙あり……本当に楽しい読書体験だった。
     この手の第二弾というものは普通、トーンダウンしてしまうものだと思うのだけど、むしろ先の巻は導入だったのだと言わんばかりの充実ぶりであった。

     私的なことだが、九幕では本当にボロボロと年甲斐もなく泣いてしまった。
     年を食って涙もろくなったこともあるが、地獄にも蜘蛛の糸があるのかと思うと、その人情が深く胸に染みる。様々な被告人を描いた中のこの一幕は本当にお見事である。

  • 裁判傍聴マニアである著者による裁判傍聴エッセイ、第2巻。
    第1巻の雰囲気そのままに、赤裸々に現場を語ってくれてます。
    世界は広いな大きいな・・・

  • 「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」に続く第2弾ですが、やっぱり笑えます。完全に第三者として読めばですが。

    すこし怖かったのは、ちょっとしたことで自分も登場人物側にまわる可能性があるんじゃないか、と感じたこと。必ずしも被告人として、というわけではないですが、裁判員制度も始まっているので今まで以上に身近に感じているのかもしれません。
    裁判員に選ばれる前に一度は傍聴して裁判の雰囲気を体験しておくことも重要ではないかと思いました。

  • 前作「ここは懲役4年でどうすか」より更に「傍聴」に磨きがかかり、内容が面白くなっている。

    前作で多少気になった裁判傍聴へ向き合う軽薄さは薄らぎ、裁判という舞台で浮き彫りにされる多様な人生の悲喜こもごもがつぶさに書き留めている。

    笑いの中にも涙ありという感じで、とても読みごたえがあった。リアルな法廷の様子を知ることができる良書である。

  • 2作目ですが、今回も面白かったです。タイトルの「これで執行猶予は甘くないすか」の事件は本当に甘いなと思いました。多分これを言うためだけにこの本を出したのでしょう。

  • 裁判は面白い。他にも裁判関連の本を読んだけれど、裁判を傍聴して、作者の主観でツッコミを入れる感じが裁判傍聴を楽しんでいる感じが伝わり、行ってみたくなる。何よりこの作者さんと一緒に傍聴しに行ったら面白い裁判を見抜いてくれそうな気がする。

  • サクッと読めたし面白かったけど古すぎて、色々と現代に合わない部分も多い。。
    わたしも裁判傍聴してみたい!!

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著者プロフィール

本名、伊藤秀樹。1958年、福岡市生まれ。
小学生の頃は父の仕事の都合で九州各地を転々。東京都立日野高校、法政大学卒。 個人事務所(株)ランブリン代表。NPO法人西荻コム理事長。西荻ブックマークスタッフ。季刊ノンフィクション雑誌「レポ」編集・発行人。

「2011年 『【電子書籍版】昭和が終わる頃、僕たちはライターになった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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