- Amazon.co.jp ・本 (491ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167903091
感想・レビュー・書評
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キング本人一番のお気に入りというのはわかるような気がしますが、私としては少しお下品味が足りませんでした。
とは言うものの技巧の限りが尽くされており、古参ファンサービスも万全。
どう解釈して良いのか苦労してる方はアリアドネの赤い糸やオルフェウスの冥界などのギリシャ神話をイメージすると助けになると思います。
交通事故以降のキングは明らかに作風が変わっており、上質な小説を読みたい向きには良い本。
綺麗にまとまっていて読後感も素晴らしいです。
特筆すべきはこの本自体がキングが読者に贈る"ブール狩り"であること。
ご褒美は「素晴らしい読書体験」です。 -
最後まで読んで良かった
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死別してもなお分かちがたい、本物の愛で固く結ばれた夫婦の物語。もうひとつの世界、っていう発想は凄く好き。
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作家だった夫が亡くなり、ようやく遺品整理を始めた妻リーシー。
遺品の中から、彼女は夫のメッセージを見つける。
夫の生い立ちや、リーシーの病んでる姉や、夫の遺作を狙ういかれたストーカーなど、物語を彩るものは多いけれど、常に毅然としてあるのはリーシーと夫スコットとの夫婦愛だ。
もう、ど直球のラブストーリーだと思えるぐらい。
キングらしい、異世界の様や、ストーカーの不気味さも、二人の愛情のスパイスでしかない。
面白いんだけどね。
異世界の描写は本当に素晴らしい。文字なのに映像が目に飛び込んでくる感じさえした。
つまりのところ、愛情というのは<信頼>なんだなと思う。
お互いがお互いを、それこそ死んでもなお信じ続けている、その強さが美しいのだと思う。
そう。
これは、美しい、この上もなく美しい物語なのだ。 -
何年かぶりに再読。キングの小説でもっとも好きな一冊。物語中盤からのストーリーはいつまでも頭の奥に、やわらかな色の水彩画のようにイメージとして残る。愛に満ちたファンタジーホラー。
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上巻を読み終えた後、一気に下巻を読み終えました。
「リーシーの物語 下 (文春文庫)」では、リーシー自身が夫やその兄が行き来していた”異世界”にも行けるようになり、現実のストーカーと対峙し、ついに勝利します。
色々な”狂気”や”悪”が描かれていますが、一度は生きていなかったも同然の姉を救い、姉もまた妹の力になるところや、最後に夫が最愛の妻へ残した”リーシーの物語”が見つかる部分などが特に気に入っています。 -
もちろん一気読み。