ドクター・スリープ 上 (文春文庫 キ 2-52)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (459ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167910075

感想・レビュー・書評

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  • おもろかった!『シャイニング』の生き残りの男の子、ダン・トランスが主役で、シャイニングを持て余して身を持ち崩したりもするが、いい人たちに出会い更生している。シャイニングを”善”に使った仕事をしている。でまあ、上巻ではそこらへんの、トラウマティクなダンの過去の生活から立ち直るとこらへんの話と、非常に強いシャイニングを持つ少女エイブラの話、はしか流行で滅亡の危機にあるThe True Knot(ジプシーの生活をする異形のグループ)、この3つの話がバラバラに語られていく。上巻の最後でようやくエイブラとダンがユナイトして、他の友達の助けをかりて、エイブラを守る方向で動き出す。上巻の後半からものすごく面白くなってきた。

  • 2020.7.6
    めちゃ面白い。映画も面白かったけど、
    もっとずっとずっと引き込まれる。
    上巻は野球少年のグローブを探しに行こうとするところまで。
    下巻も楽しみ。

    クロウは原作の方がイケメンぽい感じがする。
    映画のローズは美人すぎて見てて悪役感ないって思ったけど、原作でも美人すぎる姿が想像できたから、やっぱりレベッカファーガソンはぴったりだと思う。

  • 映画を全て見たので原作にも手を出しました。

    ダニーがアル中になってたのショックだったけれど、ティーニータウンにたどり着き、ビリー・フリーマン、ケイシー・キングスリーの二人に出会えてすごくホッとした。ケイシー・キングスリーのオフィスでアルコールの瓶を抱えて「助けて」と救いを求めることができたダニーにほっとした。
    アブラの強さ、今回の敵の弱さがある意味物語の先に疑問を覚え、ダニーのアルコール依存症が物語にスリルを与えているきがする。

  •  
     「シャイニング」の後の話。
     惨劇から生き残ったダン少年だったが、その<かがやき>ゆえに、というか、事件のトラウマゆえというか、彼そのものの気質のせいか、苦難に満ちた人生を歩んでいく。

     というのが、前半で、つらい。
     もうどうしようもない感じで、坂道を転がっていく様が、淡々と描かれるのでさらに救いがない。というか、ダンが本気で救われようとしてないんだよね。でも、それをせめるということもなく、かといって憐れむでもなく、一定の距離をおいて書き進めていけるのは、キングの筆力なんだろう。

     なので、小さな女の子の存在に結構癒されるのである。
     とはいえ、彼女アブラも<かがやき>の持ち主で、色々トラブルにあうのだけど、彼女の場合両親とその周りがしっかりしていた。
     アブラが成長していく過程を読んでいくたびに、ダンの父の弱さが浮かび上がってくる。
     同時に、弱さを受け継ぎ、それに屈してしまいそうになりながら、あがくダンの姿も明瞭になってくる。
     
     光を目指しているような二人の姿の陰に、<かがやき>を食べて生き続けている一族が近寄ってくる。
     これはこれで始終暗い。

     ようするに、色々な対比、というか対立の話なのだろう。
     対立は、他者と自分であるのは当然だが、自分自身の中にあるものとの対立も常に存在する。自身の中のものはどちらがが勝つとか負けるとかではなく、バランスなのだ。バランスであるということを、受け入れることが重要なのだ。

     後半の戦いは、一気読み必至です。
     でもってキングも丸くなったねぇ、って感じ。


     結論、キングは最高!! なのだ。

  • 「シャイニング」の続編。良い!映画を先に観てしまったけれど、原作はやっぱり描写があるので、ダンの苦悩が丁寧に伝わってきます。
    アルコホーリクス・アノニマスの活動。アルコール依存症の怖さがとてもわかる。「今日も一滴もお酒を口にしませんでした」、ってすごい達成感と救いなんだろうな。もの凄く揺れてても、今のところは踏み止まれている。ビリーもケイシーも良い人だ、ダンは出会えて良かったねぇ。
    アブラちゃんの〈かがやき〉エピソードも良い。11と175の夢、アブラちゃんもつらいだろうけどご両親もつらい。曾祖母ちゃん好きだ。
    ダンにとってのハロランさんのような存在に、アブラちゃんに対してなりたい…ならなければいけないんだろう。「おまえさんには借金がまだある。借金を返せ」、ディーニーとトミーの話はつらかった。。アブラちゃんが同じ〈かがやき〉持ちだから助けるというより、一度トミーを見捨ててしまったのでもう誰も見捨てない、なのか。
    原作読んでも〈真結族〉は結構唐突。下巻も読みます。

  •  なんとあのシャイニングの続編だというから読まずにはいられない。ダニーが大人になり、今度は同じ「かがやき」をもつ少女アブラを救うために因縁のコロラドへ駆けつける。あのときハローランがダニー少年を救うために駆けつけたように。少年時代が回想される、ちょっとだけ懐かしいハローランも顔を出す。そのうえ、呪われた町、ザ・スタンド、グリーン・マイルなどを彷彿させる仕組みも取り入れられて、ファンにはサービス満点だ。この新たな物語では、「かがやき」を吸って生き延びる真結族なる異能者グループが敵役として登場し、オーバールックホテル跡地のキャンプ場での首領ローズとの一騎打ちがクライマックスだ。真結族がちょっと安易で意味不明であり、戦闘シーンもあまりにあっけないので、その筋書きだけ取り出してみれば平凡作だろう。しかし、おむつをした少年、ビリー老など、心に残るエピソードの数々が物語全体に深みを与え、蛇足にも思えるラストシーンに至るまでの感動作に仕上げられているのはさすが。

  • 寝れない、読み始めたら

  • スタンリー・キューブリックが無表情な双子の姉妹やオノを持って暴れ回るジャック・ニコルソンの映像で話題を集めたホラー小説「シャイニング」の続編。題名から前編を想起しづらいので読んでいない人がいるかもしれないが、キングのファンなら外せない。同名タイトルの映画化もされており、ユアン・マクレガーの味のある演技やキングが思い描いたシーンの忠実な映像化も見る価値あり。

  • シャイニングの続編。あのダニーがどういう大人になったのか気になって読んだけど、最終的にシャイニングの時の苦しみや思いが救われるエンディングとなっていて、怖いだけでなく清々しく、あたたかい気持ちで読み終われた。もちろん、ページを繰るのが止まらない、何が起こるのかわからない、怖いけど読んでしまう...というストーリーとしての面白さもあるのだけど、それより何より友人、家族、同じかがやきを持つ少女アブラとの交流、折折心あたたまる言葉や場面があり。怖いよー怖いよーどうなるのーという展開から、あー読んでよかったなあ、大団円だな、と読んだ後もしばらく余韻が残るような本でした。

  • (上下巻あわせた感想です)

    『シャイニング』の続編です。<オーバールック>ホテルの惨劇から生き残った少年ダニーのその後が描かれます。未読の方のために先に書いておくと、いきなり本作から読み始めるのはあまりお勧めしません。まずは前作『シャイニング』を読んでおいたほうがいいでしょう。
    とはいうものの、本作では新たな敵<真結族>との息詰まる闘い、そしてダニー(ダン)と同じく「かがやき」をもつ少女アブラとの交流がメインとなっており、前作で描かれたようなクローズドの状況下での正統派ホラーとは少々異なるタッチのサスペンス色の強い作品に仕上がっています。あえてそうしたのは前作からの踏襲をよしとしない著者の意気込みなのか、サービス精神の表れなのかは分かりませんが、個人的には前作よりも緊張感とスリリングさが増した印象で楽しめました。下巻の<真結族>との攻防の場面であまりにも上手くいきすぎるところが少し気になったものの、トータルでは満足です。
    ただ本作、文庫の裏にあるあらすじがイマイチで、少女との出会いが新たな惨劇の扉を開いたっていうのはちょっと違うのでは。また2刷では映画化に合わせてオリジナルの表紙が付随しているのですが、下巻で「あのホテルの呪いがまたやってくる。」っていうのもミスリードなんじゃないかなあ。もしかすると映画オリジナルのストーリーはそうなっているのかもしれないけど・・・

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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