仕事。 (文春文庫 か 75-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167911430

作品紹介・あらすじ

「私と同じ年の頃、何をしていましたか?」「悩んだとき、どう乗り越えましたか?」川村元気が12人の巨匠に学んだ、仕事で人生を面白くする力!大人になってからのほとんどの時間、僕らは仕事をしている。だとしたら僕は人生を楽しくするための仕事がしたい――。映画プロデューサー、作家として躍進を続ける川村元気が、仕事で世界を面白くしてきた12人の巨匠に聞いた「壁を乗り越え、一歩抜け出す」唯一無二の仕事術!【本書より】●山田洋次――批判する頭のよさよりいいなぁと惚れ込む感性が大事です。●沢木耕太郎――僕はあらゆることに素人だったし素人であり続けた。●杉本博司――やるべきことは自分の原体験の中にしかないんです。●倉本聰――世間から抜きんでるにはどこかで無理をしないといけない。●秋元康――時に判断を間違えるのは仕方ない。大切なのは、間違いを元に戻す力だ。●宮崎駿――何でも自分の肉眼で見る時間を取っておく。作品を観ることと、物を見ることは違うんです。●糸井重里――人間は仕事の一部分でしかない。だから、どうやって生きるかを面白くやれ。●篠山紀信――世界をどうにかしようなんて、おこがましい。大事なのは受容の精神です。●谷川俊太郎――人類全体の無意識にアクセスできる仕事であればいいんじゃないかな。●鈴木敏夫――最近はみんな丁寧に物をつくるから、完成したときには中身が時代とズレちゃう。●横尾忠則――自分が崩落していく感覚の先に新たな道を見つけることも多いと思います。●坂本龍一――勉強とは過去の真似をしないためにやるんです。

感想・レビュー・書評

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    12人の巨匠へのインタビュー

    《感想》
    坂本龍一氏目当てで読んだ
    遠い存在のクリエイティブ系の巨匠なので、ピンとこなかった
    糸井重里氏だけは創造力豊かで、例えが秀逸、面白かった

    《糸井氏 抜粋》
    146頭の中に広場があって、そこの壁に言葉を書いておいて、頭の中の登場人物にチェックしてもらっている時間が長いんです 。
    見ず知らずの人、 自分と考えの違う人、 よく似た人 、いろんな人が前を通りかかって「いいね」と言ってくれるのを聞いている 。
    自分の住んでいる世界と頭の中の世界は対応しているわけなので。

  • 豪華な対談ばかり。
    どの方も謙虚で新しいことへのチャレンジ精神が旺盛。
    そして、大御所になることで周りから苦言を呈されなくなってしまうことへの危機感を常に持っている。
    山田洋次、沢木耕太郎、倉本聰、秋元康、谷川俊太郎、坂本龍一の回が特に良かった。
    谷川俊太郎に、3回結婚したことについて聞ける、川村元気の質問力もさすが。

  • 一流の人の考え方は一流だ。
    どこかぶっ飛んでたりもするが、何か信念持って続けたり、基本に忠実だったり、やりきる力が群を抜いている。

  • いいとこどりというかつまみ食いという感じがするので、1人を深める方が面白いと思った。

    (20230816)

  • インタビュー集
    登場する対談相手は有名どころばっかりでした。
    しかも、自分好みで直ぐに読めてしまいました。

    皆さんなんだかんだで仕事。が好きなのかなと思いました。
    そして、まだまだ現役!

    10年前のインタビューなのでもっと早めに手に取ればよかったと思いました。

    読むかどうか迷っている方がいれば、できれば早く読んで欲しいです。

  • セレクト系本屋さんで手に取った1冊

    仕事
    ではなく
    仕事。
    毎日を肯定し
    わくわくするような仕事。をする

    川村元気さんによる12人の巨匠たちへのインタビュー
    何を沸点に、何がターニングポイントで、何を描いて生きてきて生きていくか

    私も仕事。がしたいです

  • 以前の上司からもらった本。
    杉本博司が乗っていたからか。

    序文及びあとがきの「仕事。」論は蛇足極まるが、巨匠たちの言葉の中には参考になるものが多かったので抜粋する。それぞれ振り切ったところがありさすが。


    ■山田洋次

    ・人間をどう描くかって中で、雑駁な作品というのはたくさんのことを見落として
     しまっている

    ・みんなが反対したけどものすごくやりたい人が一人いた案件の方が成功する
     ※よく言われることではあるが、改めて重要


    ■杉本博司

    ・アートとして社会に発表するっていうことは理路整然とした説明責任を果たさないと
     できないし、脈々と培われてきたその分野の文脈の中で出していかないと意味がない

    ・二十代後半で人生を通して表現するコンセプトを発想して、そのことを今でもずっと
     やり続けている

    ・(試しにやってみたけれどもボツにしたアイディアを)頭の中でぐにゅぐにゅ
     反芻しては「いつか見ておれ」と思ってる
    ・いけるときは、ある程度確信が持てたときに手を動かし始めて、動かしながら
     再発見があって、とどめを刺すみたいな感じ
    ・「これならいける」って最後のところで跳躍できるかどうかが問題

    ・観念的にすごいものであっても、表現する技術がないと伝わらない
    ・職人的なクオリティはいちばん重要視した
    ・ひと目見て「買いたい」と感じてもらう質を出さないとだめ


    ■倉本聡

    ・シナリオを書くというのは、本当に書きたいことをどうごまかして書いていくか
     というゲリラ活動

    ・見終わって一か月以上たってから、薬がじわじわきいてくるくらいでもいい
    ・化学薬品の即効薬より、漢方が理想

    ・「このシナリオにはドラマはあるけどチックがない」(マキノ省三)
    ・(チックとは)突発的に出てしまう人間の癖、つまり人間のこだわりみたいなもの
    ・テレビではチックでうねらせることを必死に考えていた

    ・チックに人は感動する


    ■秋元康

    ・そのために映画を作ったっていうワンシーンがないといけない(キービジュアル)


    ■宮崎駿

    ・20世紀は終末とかいっても、どこかで甘美なものがあった。横で浮かれてるやつが
     いっぱいいるから、「ざまあみろ」という感じで終末を語ることができた
     ※今はむしろ終末観というか悲壮感があり冗談ではなくなっているというニュアンス

    ・家と仕事場を行き来する間に見える風景の変化が、僕にとっては大事
    ・この人はスカートをはき忘れたのか、それともこれがファッションなのかな
     (中略)ことごとくわからない


    ■糸井重里

    ・頭の中に広場があって、そこの壁に言葉を書いておいて、頭の中の登場人物に
     チェックしてもらっている時間が長い
    ・見ず知らずの人、自分と考えの違う人、よく似た人、いろんな人が前を通りかかる

    ・僕の仕事はショートケーキにイチゴをのせること
    ・イチゴをのせなくてもおいしいショートケーキを作るのは大前提
    ・でも、「イチゴがなくてもおいしい」と、特にプロ同士は結構そこで喜んじゃう
     (しかしそれでは物足りない)
    ・「作品です」って満足するんじゃなくて、「商品」にして満足する


    ■篠山紀信

    ・やっぱり時代と合わないとだめ


    ■谷川俊太郎

    ・今は詩そのものが音楽や広告以外にも、ファッションや漫画とかアニメの世界に
     拡散してしまっていて、みんなそこで詩的な欲求は満足できている
    ・現代詩はもっと溶け込んでいってしまうだろう


    ■横尾忠則

    ・社会性が出てくると、そこから保守的になっていく
    ・他人から見たときに幼稚に思われたくないという気持ちがあると、ものを
     つくる人間には邪魔になる
    ・芸術的創造の核はアンファンテリズム、幼児性
    ・幼児性を率直に表現すれば、そこに自ずと多様性というアイデンティティは出てくる
    ・だけど、幼児性を思想化したらその時点でその人は終わり
    ・立派な思想で絵を描いたって面白くない


    ■川村元気

    ・全然期待していないところでぽっと出会った景色に感動する

    ・作品化されたものを見すぎているのかもしれない
    ・人が切り取った風景で、見たような気持になってしまっている

  • 日本を代表する芸術家たちと川村元気の対談集。

    有名な方々ばかりだったので、もやもや迷っている若者(私)としてなにか得られるものがあれば、、と思って読んだが、そもそも芸術系のことに全く興味が無かったのでいまいち入り込めなかった。

    映画、写真、美術等に関係のある人は面白く読めそう。

  • ●山田洋次――批判する頭のよさよりいいなぁと惚れ込む感性が大事です。
    ●沢木耕太郎――僕はあらゆることに素人だったし素人であり続けた。
    ●杉本博司――やるべきことは自分の原体験の中にしかないんです。
    ●倉本聰――世間から抜きんでるにはどこかで無理をしないといけない。
    ●秋元康――時に判断を間違えるのは仕方ない。大切なのは、間違いを元に戻す力だ。
    ●宮崎駿――何でも自分の肉眼で見る時間を取っておく。作品を観ることと、物を見ることは違うんです。
    ●糸井重里――人間は仕事の一部分でしかない。だから、どうやって生きるかを面白くやれ。
    ●篠山紀信――世界をどうにかしようなんて、おこがましい。大事なのは受容の精神です。
    ●谷川俊太郎――人類全体の無意識にアクセスできる仕事であればいいんじゃないかな。
    ●鈴木敏夫――最近はみんな丁寧に物をつくるから、完成したときには中身が時代とズレちゃう。
    ●横尾忠則――自分が崩落していく感覚の先に新たな道を見つけることも多いと思います。
    ●坂本龍一――勉強とは過去の真似をしないためにやるんです。

  • ものづくりのプロが集まってて最高の対談。
    この本落として無くして途中までしか読めてない。

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著者プロフィール

かわむら・げんき
1979年、横浜生まれ。
上智大学新聞学科卒業後、『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『寄生獣』『君の名は。』などの映画を製作。2010年、米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出され、’11年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。’12年に初の小説『世界から猫が消えたなら』を発表。同書は本屋大賞にノミネートされ、佐藤健主演で映画化、小野大輔主演でオーディオブック化された。2作目の小説にあたる本作品『億男』も本屋対象にノミネートされ、佐藤健、高橋一生出演で映画化、’18年10月公開予定。他の作品にアートディレクター・佐野研二郎との共著の絵本『ティニー ふうせんいぬものがたり』、イラストレーター・益子悠紀と共著の絵本『ムーム』、イラストレーター・サカモトリョウと共著の絵本『パティシエのモンスター』、対談集『仕事。』『理系に学ぶ。』『超企画会議』。最新小説は『四月になれば彼女は』。


「2018年 『億男 オーディオブック付き スペシャル・エディション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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