チャックより愛をこめて (文春文庫 く 2-3)

著者 :
  • 文藝春秋
4.00
  • (7)
  • (16)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 221
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167912178

作品紹介・あらすじ

Instagramで話題のNY留学の写真も多数収録したトットちゃんの初エッセイ集が新装版に!仕事を休んで、友達に別れを告げて、そうして旅立ったNYで出会ったのは、魅力的な人たちと、未来を考える時間だった――。絵本を読むのが上手なお母さんになりたかったけれど、思いがけず「女優」という職業に就いた。テレビに舞台にと働きづめの15年が過ぎて、「演劇の勉強がしたい」と仕事を休んでまで決意したNY留学。長い休暇も海外生活も一人暮らしも、何もかもが初めての経験で……。喜怒哀楽と出会いに満ちた1年を生き生きと描いた著者の初エッセイが新装版に。平成版あとがきやInstagramで話題となった当時の写真も収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 黒柳徹子さんが仕事から離れNYで暮らした1年間の記録。当時38歳(1972年)。
    今でこそインターネットやスマホが普及し、海外にいても日本にいるような感覚でLINEや通話が簡単にできる世の中になったが、徹子さんの頃に海外に暮らすというのは大事(おおごと)だったのではないだろうか。ブログといった記録手段もないなか、このようにリアルタイムでのNY生活を知ることができるのは大変貴重だと思った。私が物心ついた時はすでに徹子さんは大物で現在の地位を確立していたが、このようにより若かりし頃のしかもNYでの様子を知れて面白かった。たくさんの著作を世に出しているが、これが黒柳さんの初エッセイとのこと。装丁はお友達の和田誠さん。徹子さんのお母さんは行く時は「いいじゃない。いってらっしゃい。行くんなら、今のうちよ」と言い、帰国時には「どうだった。よかったじゃない。また、行きたくなったら行けばいいわ」と言ってくれたとのこと。窓際のトットちゃんを読んだ時も思ったが、本当に良いお母さんだなと改めて思った。周りのお友達(沢村貞子さん、永六輔さんなど、大物ばかり!)も快く送り出してくれたとのこと、徹子さんの周りには良い人が集まるのだなと思った。巻末は2018年11月にご本人が書いたあとがきもあるが、とにかく内容の詰まった面白い1冊だった。これからもずっとお元気で変わらず活躍してもらいたいと心から思った。

  • 黒柳徹子さんの書くものがとても好きでこれまでにもいろいろ読んできたのだけど、ニューヨークに暮らした1年間について綴った本作は文庫を書店で目にして初めて知った。

    しかも、書かれたのは『窓際のトットちゃん』より前。なので、物書きをはじめた最初の仕事がこの本ということになる。

    ニューヨークの暮らしについて自由に書いたものだからか、とてものびのびしているし、独特の感性でつむがれる素直な言葉がものすごくキュートで、挿入される写真の彼女がとにかく楽しそうで、可愛い。

    当時のニューヨークの雰囲気も伝わってくるし、自分もその時代にそこにいたかのような気までする。

    きっとときどきパラパラと読み返すだろうなと思う。

  • 本書の存在を知ったのは、昼ドラで「トットちゃん!」が放送されていた頃。偶然単行本を古本屋で見つけ、ドラマで知った黒柳さんの若かりし頃の愛称「チャック」を冠した本が出ていたなんて!と驚いたのだった。大ベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」の前の出版。あれから何年か経て、文庫が復刊したと知り、おしゃれなエアメールのコラージュの表紙も気に入って購入。
    1972年、一年間のニューヨーク留学生活を綴ったエッセイだが、写真もたくさん載っており、若い黒柳さんが本当にかわいらしい!連載媒体によって文体も変えており、様々なエピソードが実に生き生きと語られている。明るく楽しく、時にシビアで、全てが興味深い。写真、カラーで見たかったな~。
    NHK時代のハードさはドラマや「トットチャンネル」で知ってはいたので、このニューヨークでの充電がどれほど大事な時間だったか、その後の黒柳さんの活躍ぶりを見ているとよくわかる。
    トット黒柳だけじゃなく、チャック黒柳ももっと知れ渡って欲しいと思う!黒柳さんの天真爛漫さと聡明さが存分に感じられる名エッセイ。

  • 「ふしぎ発見」「徹子の部屋」に出ている黒柳さんしか知らなかったので、文章も写真も新鮮・・・というか目からウロコな一冊。
    まず女優であることも知らなかったし、若いころ単身ニューヨークへ旅立って一年も暮らしていたなんて!
    今から見れば30年前のニューヨークだから、変わっていることも色々あるだろうけど、アメリカの文化に接して得られた気づきや驚きが素直につづられていて、とても面白い。
    「こないだこんなことがあった」とフラットに経験を話し、そこに若い黒柳さんが思ったことが加えられる。どちらかの国をむやみと褒めるのでも貶すのでもなく、日本とアメリカそれぞれのいいところを発見していく感じが、若々しくていいな、と思う。
    セントラルパークの様子、演劇の先生の話、アメリカの「はは」の話、街角で出会った人々とのやり取り。どんな小さなことにも若い彼女の琴線に触れるものがひそんでいる。

  • 徹子さんがニューヨークで暮らしたときの生活の様子や出会った人などが書かれている。異文化の受け止め方が素直で、徹子さんの考えたことがすっとこちらに入ってくる。

  • 開幕当時のJCSの話が載っていて興味深い。文章がかわいい。

  • パンダを愛する黒柳徹子さんの本で、一番私が好きなのは『チャックより愛をこめて』

    私たちの知っている黒柳さんは、徹子の部屋のイメージが強いけれど、昔々にアメリカで暮らしていた超国際派女優さんです。

    文章も楽しいので、古き良きアメリカを堪能しましょう!

  • パワフルな徹子さんのニューヨーク滞在中のエッセイと当時の写真。素敵な陽のパワーに溢れる。が、迷いの日々でもあったのかもしれない。それでもとにかくチャーミングで目が離せない。カッコいい日本人女性だなと思う。特に着物姿はお見事です。

  • 写真も可愛く口調もテンポ良くてとても読み応えのある本だった
    今年留学を諦めて意欲がなくなってしまっていたけど、この本を読んで、絶対に私もいってやるという気持ちが湧き上がった
    そして、こうやって絶対に記録に残そうと思う 
    今よりだいぶ昔のNYの様子が知れたことも面白かったし何より徹子さんってとってもキュートで魅力的な人なんだな、と

    ずっと前向きでかつ明るい徹子さんの生活を覗き見してる本かと思いきや、最後の方で人生はとっても辛いものだと書かれていたのも印象的だった
    辛いからこそ前向きに優しく生きているんだなと思う
    大好きな本、何回も読み返したい

  • 永遠のアイドル、トットちゃん。
    昼休みに少しずつ楽しみました。

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

女優・ユニセフ親善大使。東京都生まれ。自伝的著書『窓ぎわのトットちゃん』でも描かれたトモエ学園から香蘭女学校を経て東京音楽大学声楽科を卒業、NHK放送劇団に入団。NHK専属のテレビ女優第1号として、現在にいたるまで大活躍している。『窓ぎわのトットちゃん』(1981年)は、800万部というベストセラーの日本記録を達成し、全世界で2500万部を売り上げている。アジア初のユニセフ(国連児童基金)親善大使として、長年にわたりアフリカ、アジアなどを各国を訪問、めぐまれない子どもたちのことを知ってもらうための活動に力を入れている。

「2023年 『トットちゃんの 15つぶの だいず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

黒柳徹子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×