西洋菓子店プティ・フール (文春文庫 ち 8-2)

著者 : 千早茜

• 文藝春秋 (2019年2月8日発売)

感想・レビュー・書評

[Jさんの感想 · 2023年8月28日]

それぞれの話の終わり方が、どれも好きでした

[kahoさんの感想 · 2023年7月21日]

なくても困らないけど、あったら嬉しいもの。
お菓子はその代表格なんじゃないかな。
鼻をくすぐるようなふわりとした甘い香りも、口に入れた時に広がる幸せも、ページから広がってきた。
カロリー制限とかヘルシー思考とかは一旦置いておいて、近くのケーキ屋さんに駆け込みたくなる本。

お菓子に詳しくないから、でてくるお菓子ひとつひとつピンとくることが少なかったけれど、どれも美味しそうなくらい描写がリアルで、お腹が減る。
初恋の味をテーマにこの本を書かれたそうだけれど、初恋にも色々な味があるんだなぁと気付かされた。
苦かったり、甘かったり、ほんのり酸っぱかったり。

スイーツと一括りにせず、どんなお菓子があるのか知りたいなぁと思った。

[omjさんの感想 · 2023年7月20日]

フランスに留学して以来、じいちゃんは私に習ってきた名前を呼ばせる。自分で得てきた知識や経験はちゃんと使え。それがいつかお前の味になるんだと言う。

「食べさせたいやつの顔を浮かべながら作るんだ。そうすると綺麗に仕上がる」

実りがないからといって、恋をやめる理由にはならない。

「弁護士はサービス業なんだから依頼者を満足させてやんなきゃ」

「 まあ、結婚も離婚も大したことじゃないよ。しても、しなくても、 一度くらいは後悔するし、 一度くらいは良かったと思う。それだけのことだ」

[つかさんの感想 · 2023年7月17日]

以前テレビの紹介で気になり、やっと見つけた作品。短編集みたいなかんじだけど、全体的にまとまっていました。出てくる人物たちの感情豊かに仕上がっている作品です。ただ、私には好みではなかったかな。登場してくるスイーツは美味しそうで想像するとお腹空いちゃいます笑。

[summerさんの感想 · 2023年7月13日]

千早さんの世界観が大好きです。仄暗い空気が漂う中に、西洋の香りを纏った美しい描写がいっぱい。昔ながらの洋菓子店に足を運ぶ機会を与えてもらいました。他の作品も、まだまだ読み進めてみようと思います。

[sure92さんの感想 · 2023年6月9日]

図書館に行った時に返却図書の棚にあり目が止まった本。

ゆったりとした時間を過ごしたい今の私にはとても合った本。
これを読むとまず序盤でケーキ屋さんにケーキを買いに行きたくなる。(実際買いに行きました)

各章ごとに主人公の亜樹から、元同僚、元同僚に片想いをしている女の子、主人公の彼氏、ケーキ屋のお客さん等いろんな人からの目線の話に変わるけどちゃんと話は進んで行ってる。
パティシエ、ネイリスト、弁護士、いろんな職業の人々からの視点が見えるのも面白い。

冷戦沈着、パティシエという仕事にのめりこみ、まわりの環境等に左右されない亜樹は理想の女性。
そしてそんな亜樹を理解している祐介とじいちゃん。
2人ともが亜樹の人生に欠かせない存在であることが亜樹は自覚してなくてもすごく伝わってくる。

好き嫌いはあるかもしれないが私は歴代2位に入る小説かも。

[ゆうさくさんの感想 · 2023年6月5日]

読んで1ヶ月ほど月日経ってしまった、、が好きな小説だったのは覚えてる。千早さんの真骨頂、そんなに描写細かく書きますかぁは相変わらず。それぞれ多くを語らず洋菓子のテイストで匂わせてくるあたりお洒落で、同じストーリーを違う視点で書いてそれまで抱いていた感覚をぐにゃりとさせられるのが心地いい。あとケーキが食べたくなる。笑

[ゆきさんの感想 · 2023年6月3日]

洋菓子店に来るお客さんを巡る話しかと思ったら、洋菓子店に少しずつ絡む話しだった。
最初は「耽美小説？」と逃げ腰になったけど、あとは普通に読めた。
ミナちゃん、かわいい。見た目と違って芯が通ってる。
最近のケーキって高くて買わなくなったけど、久々に食べたくなった。

[やぎさんの感想 · 2023年5月6日]

スイーツの描写が素敵。甘いスイーツに複雑な人間関係が関わり、深い話が多かった。

[moneさんの感想 · 2023年4月10日]

あんまり好きじゃない内容でした。評価は★2～3の間で。
面白くないとまでは言わないけれど、タイトルどおり甘くてキラキラした話だと思ったらどの話も重めな展開でモヤモヤ～。
モヤモヤの原因は人間関係がとにかく生々しいことと、亜樹の存在。
亜樹に魅力がなくて（←個人的意見）引き込まれなかったです。祐介、やっぱり結婚は止めた方が笑
亜樹目当てに勉強に来てるスミも、最初はプティ・フールを下に見ていたし調子がいい人間に見えて嫌。
この2人が違うタイプだったら重い内容でももっと面白く読めたと思います。

著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』（尾崎世界観と共著）『鳥籠の小娘』（絵・宇野亞喜良）、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」