忍び恋 新・秋山久蔵御用控(六) (文春文庫 ふ 30-41 新・秋山久蔵御用控 6)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167913991

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  • 秋山久蔵御用控シリーズの36作目。
    忍び恋 ー 新・秋山久蔵御用控シリーズの6作目
    2019.12発行。文字が大きさは…大。
    忍び恋、人別帳、色事師、地廻りの短編4話。

    【忍び恋】
    由松(岡っ引き柳橋の幸吉の手先)が湯島天神の境内で参拝客を相手にしゃぼん玉を売っている。見ていた男の子に、しゃぼん液を容れた小さな竹筒と葦の吹き棒をあげると、男の子は、嬉しげに帰って行った。
    中年の女が男の子を連れ「あの…、この子がしゃぼん玉を貰ったのは本当でしょうか…」と尋ねた。
    「ああ。売れ残ってね。坊やに貰って貰いましたよ」と、由松は笑った。
    この中年の女の人が、気立てが良くて、男の子も可愛くて、由松は気に入ったが…(涙)。
    切ない話だ、胸が痛む。

    【人別帳】
    江戸に潜んでいる盗賊の主だった者の人相風体、手口に素性、そして世を忍ぶ姿に盗人宿。そんな事がいろいろ詳しく書いている盗賊人別帳。
    その人別帳を作った仏の幸兵衛が死んだ、医者は心の蔵の急な発作と言うが…。
    隠居の柳橋の弥平次は、疑問を持つ…。

    【色事師】
    秋山久蔵の息子・大助が、日本橋の高札所で南町奉行所定町廻り同心・神崎和馬の妻・百合江が男と待ち合わせているのを見る。その男が殺されていた。
    殺されていた男は、色事師の簑吉だと分かったが、犯人は…。
    そして、神崎和馬は妻を信じられるか…

    【地廻り】
    香川又四郎は、15年前に旗本大野頼母を庇って秋山久蔵に斬られた忠義の家来の息子である。
    大野頼母の息子・徳之助は、その忠義の妻と幼い兄妹を屋敷から追い出し、路頭に迷い母と幼い妹を死なされた。
    香川又四郎は、仇を討てるか…。
    後味が悪い。

    【読後】
    読み終って南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵の暖かさと、凄い切れ味。
    そして、脇を固める同心・神崎和馬、岡っ引き柳橋の幸吉とその手先たちがいい味を出している。
    この物語は、毎回 安心してゆっくり読める。早く読むのがもったいない。
    次作を楽しみにしています。
    2020.01.08読了

  • 2020/10/24読了

    新 秋山久蔵御用控 六

    忍び恋
    人別帳
    色事師
    地廻り

  • 第六弾
    短篇四話
    気のせいか脇役が表に?

  • シャボン玉の由松の忍び恋です
    おまえ・・・何歳だよ( `ー´)ノ

  • 新秋山久蔵御用控 六である。
    四話からなる。
    「忍び恋」湯島の天神の境内から物語が、始まる。
    4年前の賭場荒しが、発端で、浪人一人を殺害で、江戸十里四方払になった代貸しの与七が、江戸に・・・・
    その事件の張本人をを 久蔵はお縄にして、与七に妻と子のおせんと直吉に会っていくようにと促す。
    いい話で、咎人を出さずに、良かった。

    「人別帳」盗賊の人別帳なるものが、存在するのか?
    それで、睨みを効かせる事が、出来ていたのだと。

    「色事師」和馬の妻小百合が、色事師の蓑吉に会っていたのだが、・・・・それは、友の早苗を誑かしているのを止めるためであった。
    その蓑吉が、殺された。
    そのからくりは、浪人の田村恭之介を早苗の武藤家の婿にせよ!と脅していたのだった。
    被害者の早苗に、被害がなく事件解決へ。

    「地廻り」香川又四郎は、大野家の為に忠義を果たした父の無念の死に、そして、その後、母も妹も、病死した事に、大野頼母の息子 徳之助を成敗するのだが、地廻りの権現一家の親方だった寅造に殺されてしまう。
    久蔵は、助けられなかったのか!と、思ってしまったが、死後は秋山家の菩提寺に葬る所で、終わっている。

    シリーズ七を先に読んだのだが、このシリーズは、何処本から読んでも、いいから、気に入った時に読める事が気安くて良い。

  • これぞ秋山久蔵、藤井邦夫さんの大人気シリーズ、好調です。「忍び恋」、新・秋山久蔵御用控え№6、2019.12発行。忍び恋、人別長、色事師、地廻りの4話。しゃぼん玉売りの由松が「忍び恋」で、いい仕事をしています。新シリーズに変わり、剃刀久蔵がおとなしめの感がありましたが、今回は人情裁きと切れ味、冴えています!

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著者プロフィール

1946年、北海道旭川生まれ。テレビドラマ「特捜最前線」「水戸黄門」などの脚本家、監督を経て、2002年に作家デビュー。以降、多くの時代小説を手がける。「新・秋山久蔵御用控」「新・知らぬが半兵衛手控帖」「日暮左近事件帖」「江戸の御庭番」などのシリーズがある。

「2022年 『野暮天 大江戸閻魔帳(七)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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