初午祝言 新・居眠り磐音 (文春文庫 さ 63-72 新・居眠り磐音)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167914165

作品紹介・あらすじ

磐音の友、品川柳次郎がお有との祝言を迎える表題作をはじめ、南町奉行所の名物与力・笹塚孫一がまだ十七歳で謀略により父親の命を奪われる「不思議井戸」、刀剣の研ぎ師・鵜飼百助が用心棒として半日だけ磐音を雇う「半日弟子」など。磐音をめぐる人々の運命の一日を描いた、5編からなる書き下ろし新作です。『奈緒と磐音』『武士の賦』に続く「居眠り磐音」の新作書き下ろしは、今回よりタイトルを「新・居眠り磐音」として装いも新たに登場!

感想・レビュー・書評

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  • 初午祝言 ー 居眠り磐音3作目〈番外編〉
    2020.01発行。字の大きさは…大。

    初午祝言、幻の夏、不思議井戸、用心棒と女掏摸、半日弟子の短編5話。

    久々に深川六間堀の磐音、柳次郎、武左衛門と会うのは嬉しいです。

    【初午祝言】
    柳次郎とお有の祝言の夜、お有の初々しい初夜の恥じらいがなんとも微笑ましい。また、武左衛門が粋な計らいをしたのには、武左衛門はこんな事も出来るのかと…。
    【幻の夏】
    母・おきんは、出産の為におそめ(4才)を連れて実家の平井浜へ帰って来る。おそめは、この時に絵を描く楽しさを知る。
    【不思議井戸】
    笹塚孫一が、父・中右衛門の仇を討った時に見せた。豪胆さと、金に対する淡白さは、将来の大物ぶりが窺える。
    【用心棒と女掏摸】
    向田源兵衛の殴られ屋を思いついた謂れが分かった。
    女掏摸・あかねが、おこんを思わせる気っ風の良さがいい。
    【半日弟子】
    坂崎磐音が、研ぎ師・鵜飼百助に頼まれて評判の悪い定火消・石室飛騨守の元へ研ぎ料を取りに行くと…。

    【番外】
    文春文庫の「新・居眠り磐音」は、同社の「居眠り磐音 決定版」との違いを明確にするため、今回から「新」を付けています。
    居眠り磐音江戸双紙シリーズの番外編として、「奈緒と磐音」、「武士の賦」、そして今回の「初午祝言」で3作目となります。

    ※シリーズレビュー
    「奈緒と磐音」シリーズの1作目(ブクロク登録前に読む)
    「武士の賦 ― 居眠り磐音」シリーズの2作目
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4167912538#comment

  • 感想
    居眠り磐音のスピンオフ三作目。周囲の人々についての物語。最後にようやく磐音自身が出てきて悪者退治。

    本編では途中から田沼との闘いがメインになり、街の悪者退治は久しぶりだが、爽快だった。

    あらすじ
    品川柳次郎の祝言の様子、おそめの妹が生まれる時の話、笹塚孫一の仇討ち話、向田源兵衛の江戸への旅、鵜飼百助の半日弟子になって悪者を退治

  • 居眠り磐音シリーズでバイプレーヤーとして登場したキャラクターの描かれざる過去の物語をつづった作品。第五話には磐音が出てくるがそれ以外は登場しない。これはこれで面白いが、おそめや笹塚孫一くらいまでならバイプレーヤーといかんじだが、向田源兵衛までくるとさすがに誰だっけという感じ。キャラ的に面白いのは笹塚だが、物語的には遅めの「幻の夏」がよかった。バイプレーヤーだけでも楽しめるところが長いシリーズの良いところだろう。

  • 2020年1月文春文庫刊。書き下ろし。
    初午祝言、幻の夏、不思議井戸、用心棒と娘掏摸、半日弟子、の5つの連作短編。ううむ。何だこれは。

  • 久々に佐伯泰英の本を読んだ。
    居眠り磐音シリーズのスピンオフ作品だが、作者に言わせると、本編での登場人物像と年齢などが違っているとか、作品を作り上げるには本編に拘ってはいられなかったようだ。
    作者に言わせると「新、居眠り磐音」だそうだ。この後も新作が続くことを祈るしかない。

    さて内容は、5話の短編が語られる。
    それぞれ登場しては居なくとも、磐音の存在が漂う話となっている。

    全て、とても素晴らしい。

    久々に、グッとくる本だった。

  • 磐音シリーズを発売と同時に購入していましたが、なんだか佐々木道場がとんでもないことになって、磐音とおこんも放浪の旅に出たということがわかってしまった。

  • スピンオフ
    五話構成、やはり磐音が登場する五話目が
    短いせいもあるがちょっと役不足

  • 新たに書き下ろされた、『奈緒と磐音』、『武士の賦』に続く3冊目の居眠り磐音シリーズのスピンオフ短編集。
    本編(決定版)と区別するために、本書から、この書き下ろしシリーズを「新・居眠り磐音」と名付けたそうだ。

    ……またやられたよ。

    『武士の賦』のときと同様、この文春文庫の決定版で初めて磐音シリーズを読んでいるあたくし、「主な登場人物」からしていきなり「おぅふ」と軽くのけぞってしまった。

    しかしこんなのは序章にすぎず、読み始めてからはもう怒涛の衝撃に撃ち抜かれっぱなし。
    いっっっ……ろんなことがネタバレ状態で目の前に陳列されておる。

    なんてことよ。
    前日に読み終わった23巻では安永7年の正月だったのに、本書一発目の短編ではその2年後が描かれていて、しかもその2年の間にとんでもないことがいっぱい起こってる‼︎

    あの方がそうなって、この人とこの人がこうなって、その人とその人がそんなことになっているなんて、嘘だーーーまさかまさかそんなんイヤじゃぁぁ(涙)誰か嘘だと言ってぇぇ(号泣)。

    こんな衝撃的な展開がこれから待ち受けているとは夢にも思ってなかった。
    『武士の賦』のときは、その後の本編を読むのが楽しみになったネタバレだったけど、今回はこれ、ちょっとどうしてくれよう、この先本編を読んでいくのが怖いわ。

    でも今この順番で発売されているんだから、この体験をしているのはきっと私だけじゃないだろう、と、ぐっと踏んばって涙を拭き拭き読みました。

    この衝撃は、幸い一話目の表題作だけで済んだ。
    もちろん、このメインのストーリーは良い話なんですよ。
    いったい誰の祝言なのかと思ったら、品川柳次郎の祝言で、彼らの幸せを心から願う私としては、本当にうれしく微笑ましい、ステキな話です。

    この他、4歳のおそめちゃんが経験したひと夏の思い出「幻の夏」、南町奉行所に17歳の大頭与力笹塚孫一が誕生することになった悔しく悲しいエピソード「不思議井戸」、江戸深川生まれの女掏摸あかねと剣術家浪人向田源兵衛の出会いと心の触れ合い「用心棒と娘掏摸」、刀剣の研ぎ師鵜飼百助が磐音を半日だけ雇う「半日弟子」の計5本。

    四話目の、あかねちゃんと源兵衛さん、私には初お目見えだったんだけど、これから本編に登場するんでしょうか。
    本編で会えることを楽しみに、今後読んでいきます。

    一話目に関しては、今後、この展開をしかと受けとめるための心の準備をしておきます……。

  • 品川柳次郎の祝言の詳細が描かれる表題作、若き笹塚孫一の最初の事件、刀研ぎ鵜飼百助が磐音に依頼した仕事の話など5編。この人誰だっけと思い出せないものもありましたが、楽しめました。

  • 欠けてた部位が見事に修復される職人芸のスピンオフ

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著者プロフィール

佐伯 泰英(さえき やすひで)
1942年福岡県北九州市八幡西区生まれの小説家、写真家。日本大学藝術学部映画学科卒。当初は冒険小説や国際謀略小説を中心としたミステリー小説を執筆していたがヒットに恵まれず、編集者からの勧告に従って時代小説家に転身。初の書き下ろし時代小説『瑠璃の寺』がヒットし、以後作家活動は軌道に乗っていった。
代表作として、『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』のタイトルでドラマ化された『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズ、『吉原裏同心』シリーズなど。

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