サイレンス (文春文庫 あ 80-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 763
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167914240

作品紹介・あらすじ

《舞台は雪深い孤島。島の護り神である「しまたまさん」は願い事を叶え、護ってくれるという…》島一番の美人で、かつてはアイドルを目指していた深雪。現在は夢を諦め東京の芸能プロダクションでマネージャーをしている。婚約者である俊亜貴と三年ぶりに故郷の島を訪れるが、彼には深雪に言えない秘密があった…。その秘密が明らかになった時、深雪の運命が狂い始める。イヤミス界の新旗手による、一気読み必至のサスペンス小説。細かく散りばめられた伏線の意味に気づいたとき、思わず背筋が凍ります。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の女の人が不気味で…
    誘われるように本が手元に…(^◇^;)

    うちは、田舎ってのがないので、古い因習とか縁がないけど、息苦しさは何となく分かる。(おじいちゃんの代ぐらいに、勘当かなんかされて、実家とは切れてるような話を聞いたが…詳細不明…)
    でも、ええとこもあるんやろな。知らんけど^^;

    大どんでん返しみたいな種明かしは、ないけど、何となく段々と分かってくる。
    島の守神の仕業か、それとも犯人は?

    島出た娘が、婚約者連れて来て、品定めして…碌なヤツでない場合、何故か、別れてしまう。というか消える…
    多分、島にとって、島出身の人にとって、良くないと思われたら、ジ・エンド!
    まぁ、確かに、祟られてもしゃーない気もするから、神さん応援するけど、度を越さんのか?
    神さまでも何でもないのに…

    島の人ら、平然とし過ぎで、めっちゃ不気味!









    神も仏もあったもんじゃない…

  • 人間て恐ろしい。
    浮ついている男はだめよ!てことかな。
    途中まで本当に島の神様が関わってる話かと思って読んでいた。
    いやいや、人間が最も怖いのよって話。
    女性陣は怖いところもあるけど、幸せになっていて結果的には良かったんじゃないかな?
    しかし、婚約者たちクズだったなぁ。

  • 俊亜貴がどうなってしまったのか、雪室にあった紫のスマホしか描写がないけどおそらくは…

    島で生き続ける事を決めた人と外の世界に夢希望を求めて出ていく人の心情や考え方がリアルだった。怖い話のようなサラッと読む感じの本かな。

  • [あらすじ]
    かつてはアイドルを目指していた深雪は、芸能プロダクションでマネージャーをしている。彼女が婚約者を連れ生まれ故郷の雪深い孤島に帰省するが、そこで婚約者の秘密が露呈し…

    [感想]
    深雪の婚約者のクズっぷりに終始イライラをおぼえてました。そう感じさせるように仕向けている作者の思惑通りだったんだろうなぁ。

    ただ、この作品に限らずですが「都会」に住む人が
    「田舎」やそこに住む人たちを劣っていると見る傾向は、毎回疑問。立地的な優位点はあれど、能力的や人間性の優越は住む場所でそこまで変わるのかなと。私にその偏見がないので、ちょっと感覚が合わない。

    結末に関しては、ハッキリと真実は書かれないが
    村の仲間意識や信仰などを含めて怖さを感じた。

  • 基本イヤミス、たまにサスペンスめいた話だなーと思ってるとホラーが紛れ込んでくる。徐々に真相っぽいものがチラ見えするが、もやっと不気味な感じがずっと漂う。こういうの好きだし、この人の作品は全体的に好きな部類。

  • そういうラストかなという気はした。東京と比べたときの島の人間関係や村おこしのみんな知り合いの小ささと分家本家などの立ち回りの息苦しさ窮屈さがなんとも言えず。あの島が猛暑になったら大変そう笑

  • 深雪はアイドルという夢を親や島のせいで諦めさせられたために東京への執着がすごいのと、俊亜貴に依存しすぎて周りが見えていない。俊亜貴は誰がどう見てもクズすぎて正直死んでも何とも思わんかった。
    雪之島は昔からのしきたりとかがちゃんと残っていて、本家や分家があったり、親や親戚との繋がりを大事にするだったり、島全体が大きな家族みたいな感じに思えた。島外からの部外者は拒み、島から出て行った人を連れ戻すことが暗黙のルールみたいな。
    朋子の前婚約者の鈴木さん(こいつもクズ)も達也と一真に殺されてるし、俊亜貴も達也に殺されてる。達也はずっと深雪のことが好きやったから俊亜貴を許されへんかったのもあったと思うけど、それとか自分が深雪と結婚したいからとかよりも島のルールやから排除したって感じ。

    朋子が鈴木さんの死を知ったのは俊亜貴がスーツを忘れたときに達也が鈴木さんのスーツを貸してあげてたから。
    深雪が俊亜貴の死を知ったのは雪室(達也が島おこしのために開発したもの)の中に俊亜貴のスマホが中で凍ってるのを見つけたから。

    その事実を朋子と深雪が知った時、誰が殺したの!?とか騒ぐこともなく『しまたまさんが護ってくれる』と表現してた。全部理解してそう言ってるのか、偶然が重なっただけと思ってるのかは詳しく書かれていない。でも分かってるんやろな〜って思った。

    風花ちゃんが深雪を島から出させへんようにイタズラしたみたいな書かれ方してたけど、そんな可愛いもんではない。普通に怖い。

    なにがしまたまさんやねんと。
    生きてる人間がやっぱりいちばん怖い。

    深雪も結局達也と島で結婚して幸せに暮らしてる。
    弥生が次婚約者を連れてきたらまた殺されるんやろね。

    • 1887539番目の読書家さん
      初めまして。全く同じ感想で共感したためコメントさせて頂きました!

      この作品はほかのミステリと毛色が違って人を殺めた描写がなく、最後までその...
      初めまして。全く同じ感想で共感したためコメントさせて頂きました!

      この作品はほかのミステリと毛色が違って人を殺めた描写がなく、最後までその事実に気づいてる人も何気ない日常を送っていたのが不気味で面白かったです。
      2024/02/28
  • ずーっと田舎モノあるあるのような内容で、まぁ、そうだよなぁ。島国で離れて島内でみんな家族ーみたいなとこは、しがらみがなぁ。

    わかるなぁ。

    わたしは利尻島に半年働きに行ってたけど、まさにそんな感じだったもんなぁ。と。

    そんな感じで終わるんだろうな。男女のあれこれと、田舎のしがらみと、若者の都会暮らし。みたいやよくあるあれねーってダラダラ読んでたら。

    ラストの数ページでスーッとなります。

    スーッとね。

    全部そういうことだったか。という。

    みんな今の今までそういうことだったのか。っていう。

    サイレンス。まさに。題名どーりだわ。

  • そんなにゾッとはしなかったけど、狭い島で繰り返されるであろう古い仕来たりと、「私もそうだったんだから貴方もね」って陥れる人達の怖さは、何とも言えず…。
    親切心の裏に潜んでる闇が、怖い怖い!!

  • 婚約者の行方の最終的な匂わせが薄い感じがした。結局、最後の方の主人公の義妹の周辺の情報なんかも必要か?!みたいな感じで、モヤッとしたまま終わった。
    もうちょっと期待したなぁーーー!
    聖母も同時に買ったので、そっちに期待です( `・ㅂ・)و

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ロヨラ・メリーマウント大学院で映画・TV製作の修士号を取得。2008年、短編「雪の花」で第3回「Yahoo!JAPAN文学賞」を受賞、翌年、同作を含む短編集『雪の花』で作家デビューを果たした。ダークミステリー『暗黒女子』は話題となり、映画化もされた。他の作品に『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『眠れる美女』『婚活中毒』『灼熱』などがある。

「2021年 『息子のボーイフレンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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