清原和博 告白 (文春文庫 き 48-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167915346

作品紹介・あらすじ

一体どこから、何が狂い始めたのか。堕ちた英雄が見た栄光と地獄。10万部突破の衝撃の書、ついに文庫化。「自分の人生を振り返って、どこからおかしくなったのかとか、狂い始めたんだろうとか。苦しかったですね……」覚醒剤取締法違反で逮捕され、2020年6月15日に執行猶予が満了した清原和博。怪物の名をほしいままにした甲子園のヒーローは、なぜ覚醒剤という悪魔の手に堕ちたのか。岸和田のやんちゃな野球少年がPL学園に入学、ドラフト事件で盟友・桑田と訣別。西武の4番として輝いた日々、巨人移籍後の重圧と屈辱。“番長”を演じ、ピアス、刺青、肉体改造……そして覚醒剤に出遭う。「僕は、そこから闇の世界に入っていきました」栄光と転落の半生と、自らの罪を悔いながら、鬱病、薬物依存症とたたかう日々を赤裸々に綴る。

感想・レビュー・書評

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  • 絶頂とはつまり黄昏て始まりでもある 証言者と記録者の無機質な関係を願わくば 絶望を口にしながら希望を探している

  • あのドラフトへの蟠りがまだ消えていないのか。そんなにまで深くえぐられて傷付いていたのか。私にとってのスーパーヒーロー。p165の写真が象徴的で、私たちは皆それぞれの想いや願いを彼に託すのだ。それを、もしかしたら何万人分の想いを、彼はたった一人で受け止めて、次の瞬間、バット一振りで叶えてくれる。解き放たれる。だから私は「清原和博のホームラン」で泣く。

  • 人間やめますか?

    ってな事で、清原和博の『告白』

    シャブって捕まったかつてのPL、西武、巨人、オリックスのスーパースターの告白⚾

    ドッシリ構えて番長って言われる様な漢かと思ってたけど、以外に小心者でシャイなあん畜生みたいでしたw.
    .
    頑張って復帰して田舎のリトルリーグの監督とかして欲しいなって思いました。

    再犯しない事を祈ってます

  • YouTubeきっかけで読んでみました。
    野球に詳しくないので、コワモテな方だと思っていましたが、繊細で高校時代からプレッシャーに悩まれてきたんだと思いました。
    才能もありお金も家族もいるのに満たされない、理想が高いのかも知れないですね。
    ですが薬物依存症、うつ病に悩まされながらも生きるのを諦めない姿を見て、真面目な方なんだと思います。
    この本が2018年で、読んだのは2023年。いま清原さんのYouTubeを拝見すると様々な野球関係者と対談しており、これは清原さんの人柄だと思います。
    ストレスとの向き合い方は一生だとおもいますが、彼の今後の人生がよりよくなりますように応援しています。

  • 生きていてください‥ 読み終わった時 そう強く思った。でもその後に、生きていくのはしんどいだろうな、という気持ちが沸き起こり辛くなった。レビューがなかなか書けなかった。

    私は野球のことはよく知らない。でも1985年の 清原さんのドラフトを見てしまった、タイムリー で。あの時の絶望的な表情の清原さんを見てしまった。釘付けになった。あれから私は清原さんをどうしても憎めない 。犯罪者であったとしても。

    野球に無知な私でも1985年当時、新聞やテレビの報道で巨人が 清原を指名する記事や報道はよく目にしていた。ドラフト だから交渉権を引かない可能性はあっても 巨人は 清原を指名すると疑いもしなかった。清原も巨人を希望していた。
    そして ドラフト。
    巨人の指名選手の中に清原の名前は一文字もなかった。それどころかあり得ない名前の人物が1位指名された。桑田真澄。「はぁ〜?」私は目を疑った。

    大きな組織がいとも あっさりと人を裏切る 。それを目の当たりにした。大きな組織は赤子の手をひねり潰すように簡単に人を抹殺していくということを目の当たりにした。その後、私の人生で その時のことが大きな教訓となって残る。

    そんなに気にすること?とイラつく人もいるかもしれない。 では考えてみてほしい。 もし 進学や就職や結婚で、相手から好感触の内定や 両思いの意思表示をもらっていながら、いざ指名されたのが自分ではなく全く別の相手だったら、あなたはどう思うだろう?しかも選ばれた相手が自分と仲の良い友人だった場合、平常心でいられるだろうか?普通の人間ならば 大きく傷つくはずだ。立ち上がれないほどに。

    清原さんの転落はそこから始まっているように思えてならない。桑田さんを責めているわけでも巨人を責めているわけでもない。致命的な傷つきに手当てが全く施されなかったということ。ざっくりとした傷口がむき出した状態で生きていかなければならなかった清原さんは、薬物がいっときの手当てになっていたのかもしれない。

    仮にこれが大谷翔平さんだったとしても、あの時の ドラフトのような状態に陥れば精神的に深手を追うのは必須だろう。

    この本が 発刊されてから3年が経つ。現在、清原さんの体調はどうだろう?うつ病や膝の状態も良くないと書いてあった。さらに悪化しているのだろうか?傍らにいる人に優しくしてもらってるだろうか?

    清原さん、やっぱり私はあなたの味方です。罪を憎んで人を憎まず。今年の春の選抜で甲子園に出た息子さんを見て泣いていたあなたの顔が忘れられません。

  • 応援していると言いながら、いつしか「清原さんはこうあって欲しい」という勝手な理想像を押し付けてしまっていたのではないか。ファンの一人として考えさせられました。

  • 清原、派手でヤクザなイメージがあるが、ドラフト事件から麻薬に手を染めるまで赤裸々に語っている。いつもプレッシャーがかかるスターは大変だなぁ、とつくづく思う。いくら稼いでもこうなっちゃ。。。全て本当だとすると、当時の野球業界は本当に冷たい。

  • 子供時代から執行猶予期間までの期間についての告白。次著に比べ、まだ、まだつらい時期であったことがわかる。

  • 《あの頃のパ・リーグには個人対個人の対決みたいなものがありました。勝敗に関係ない場面では真っすぐ、真っすぐで、打てるもんなら打ってみろ、と投げてくる。結局、僕はそういう種類の勝負や、それが許される世界で生きていたかったんだと思うんです。》(p.89)

    《僕はパ・リーグで山田(久志)さんや村田(兆治)さん、野茂(英雄)や伊良部(秀輝)と、男と男の勝負をしてきました。野茂なんか、勝負どころほど僕にフォークを投げなかった。ありったけの真っ直ぐで勝負してきました。でも、そういう野球はセ・リーグにはありませんでした。》(p.118)

    《今は野球選手もヒットを打ってもあまり嬉しそうにしないし、感情を表に出さずに野球をやっているように見えます。プライベートとグラウンドを区別するというか。でも、僕の場合はテレビのチャンネルみたいにバチバチ変わらないんです。感情とともに戦うというか、そういうやり方しかできなかったんです。》(p.131)

    《結局、ホームランより自分を満たしてくれるものはない。でもそれを、もう味わうことはできなかったし、それに代わる目標もなかった。》(p.231)

    《ひとつだけ言っておきたいのは、僕は決して野球と同じものを、ホームランと同じものを覚醒剤に求めたわけではないということです。野球とはまったく別物で………、ただ、その、……、目の前にいる嫌な自分から、一瞬、逃げるためだけのものでした。》(p.233)

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