夢で逢えたら (文春文庫 よ 40-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167915766

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  • 少女病の吉川さん。
    さくっと読めて、くすくす笑える!
    そしてふむふむと共感出来る。
    中堅所の芸人マーコとフリーアナウンサーのユリカ。
    全く違うようで、不器用なところが似ている2人。
    女は女である、と言うか、理不尽と戦いながらも脆くて目が離せない。
    2人の憤りを うん!分かる!と。
    立場や状況は違えど、誰しもぶつかる壁なんだと思う。
    マーコとユリカのいい所は、からっとしてる所。
    孤軍奮闘ではないところがいいです。

  • 虚構と現実がうまく混じりあって世相を斬ってた。
    いつも、なんで被害を受けた時すぐに言わんのって他人事として思ってたけど、言えんことのが多いんだな。でもやっぱそういうだるい社会に迎合するんじゃなくて、違うやろってことはちゃんと違うって声をあげていきたい。

  • 女性の登場人物が皆愛しい。ジェンダー本。
    女芸人、女子アナ、女だから、女である、その型にはめられる存在。
    真逆とも言える世界に生きる女性たちの葛藤が胸を打つ。

    女だからで、得したことも、損したこともあった。声を大にして、ジェンダーを言える自分じゃない、だって甘えてるから、そう思ってた。それも逃げだよな。

    モヤったら、ちゃんと言うこと。男も女も大人も子どももその一歩だ。

    女の子だから男の子だからをなくす 本より
    •ほめられようとしない。やりたいことをやる、やってみたい気持ちを大事にする
    •努力してきたことのチャンスは譲らない
    •皆それぞれ互いを尊重し合おう

  • “お笑い”に対する敬愛と感謝の気持ち⇔誰かや自分のことをすすんで傷付けたくない気持ち の狭間で身動きが取れずここ数年ずっともだもだしていたけど、アトロクで柚木麻子さんが本書を紹介されていて、何か答えを探し求めるような気持ちで読んだ。

    個人的にはいろんな面で実際より誇張されているように感じる部分もあったけど(アトロクで宇垣アナも言及していた)、作者が意図してる可能性も書かれた時期の違い(数年でも結構変わると思うので)もあるだろうし、何よりそこのリアリティはあまり重要じゃない気がするので置いておく。。

    “自分が救われればそれでいいのだろうか”という部分に頭を殴られたような感じだった。
    容姿いじりについてはお笑いを見ていれば嫌でも考えずにはいられなくて、そのたび答えが出なくて放棄してを繰り返してたけど、考えを改めさせられたと思う。
    救われた人がいるのは素晴らしいことだと思うけど、色んな境遇の人や子どもが見ている“メディア”で何を見せるかっていう視点が自分に抜け落ちてたなと思った…。

    終盤の病室で真亜子が佑里香を笑わせようとするシーンはかなりぐっときた。泣きそうになった。
    明確な答えみたいなものはこの本を読んでもまだ自分の中で出なかったけど、お笑いってこういう方向性のものであってほしいなと思った。
    読んで良かったです。

  • 実写化するなら誰かな〜って考えながら読む。
    女たちの連帯とやわらかな闘争のはなし。

  • 「私、もう男なんかなんにも怖くないの。それより、女たちからそっぽ向かれる方がずっと怖い」
    男にとって女は若さ=価値だから、歳を取った女に彼らは見向きもしないし気にも止めなくなる。しかも30かそこらでそのラインがくる。人生100年時代、大人になってからの時間を幸福に過ごすには女からの支持や信頼が大事。

    女の敵は女、そんな時代はもう終わり。
    力を合わせてお互い助け合って楽しく楽しく生きていける世の中になるといいね。

  • 帯に偽りなしの痛快シスターフッド小説

  • そもそも『夢で逢えたら』は「夢で逢えたらいいね」なのか「もし夢で逢えたら」どちら?

    ルッキズムや男尊女卑へ立ち向かう展開に拍手!

  • まさに現在の状況の中で生きる女達
    女でいることで不自由ない時代が本当に少しずつだけど来ているのかな

  • テレビ時代のおわり、コロナ禍のはじまり、そして男尊女卑の名残… 様々な角度から見て過渡期と言える現在にこの作品を読めて良かったです。
    「女」芸人、「女子」アナであるがための生きづらさ、理不尽さ、そして葛藤の描写がリアルで引き込まれました。様々な出来事や出会い、衝突を経て価値観や生き方を日々ブラッシュアップしていく様が痛快で、自分も 目の前の事象を"なんとなく"で過ごさずに意志を持ち、貫きながら生きていきたいと思った。女の人生にイージーモードはない!

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著者プロフィール

1977年生まれ。2004年「ねむりひめ」で<女による女のためのR-18文学賞>第三回大賞および読者賞を受賞、同作収録の『しゃぼん』でデビュー。著書に『グッモーエビアン!』『戦場のガールズライフ』『ミドリのミ』『ずっと名古屋』『マリー・アントワネットの日記 Rose』『女優の娘』『夢で逢えたら』『あわのまにまに』など多数。2022年『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞。エッセイ『おんなのじかん』所収「流産あるあるすごく言いたい」で第1回PEPジャーナリズム大賞2021オピニオン部門受賞。

「2023年 『コンビニエンス・ラブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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