インフルエンス (文春文庫 こ 34-6)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167916220

感想・レビュー・書評

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  • 04月-17。3.0点。
    小説家の主人公、小説のネタを提供したいという女性に会い、話を聞く。
    児童虐待・DVなどを織り交ぜた、女性の半生記は主人公も知っている人物も登場し。。。

    ページ短めで読みやすい。少し不気味な感じの話。

  • 3人の女性と3つの事件。依存も支配も愛情も、さらには友情も無さそうに見える3人が、相手のためにいともあっさりと犯罪を犯す、不思議な関係性。インフルエンスとは人に与える影響や感化という意味らしい。なるほど、感化か。ちょっとわかった気がする。

  • 3人の団地に住む少女の話
    友梨は小学生の時、ある日遊びに来ていた親友里子が、「女の子はおじいちゃんと寝ないといけないんだよ」と言い出す。それを聞いた友梨の家族は表情を固くした。その後、友梨は里子が虐待に遭っていたことを知る。
    中学生になり転校生の真帆と仲良くなる。
    ある日真帆が痴漢に襲われそうになり、友梨は真帆を助けようとしてその痴漢を刺して殺してしまう。
    その場から逃げてしまった二人、しかしのちに痴漢を殺したとして里子が捕まる…
    なぜ、友梨を里子が助けたのか…
    その後三人の複雑な関係は切れることがなく続いていく
    とにかく暗い。けど気になってどんどん読み進めてあっという間に読了

  • 久々の読書。

  • 東野圭吾みを感じた。
    近藤史恵が大好きなので、文章が肌に馴染む感覚はいつものことながら、エンタメ感を抑えた東野圭吾ぽいなぁとふと思った。
    考えてみればサクリファイスの読後感も近しかったかもしれない。

    相変わらず綺麗な文章。
    語り手の作者の気持ちは近藤史恵の思いと同じなのだろうか。

  • 友梨の知らない里子と真帆の関係か気になった

  • ミステリーだけど、いちいち心に残る言葉がある。

    ぼんやりと思っていたことを、誰かがちゃんと文字にしてくれているのは、とてもありがたい。

    「小さい頃、いちばん仲のいい友達は宝物だった。どこか恋人めいた親密さと、独占欲。友達を失うことほど悲しいことは、他にはあまりなかった。
    その感覚はいつまで続いただろう。中学生くらいまでは確実に存在していて、そのあとは冷静さで抑え込みながら、いつか忘れてしまっていた。」

    「幸せか、価値があるかということを、誰かの基準にゆだねたりはしない。」

    「少しは悔やんだり、反省したりはするかもしれないが、すぐに忘れてしまえばいい。
    傷つこうが、しくじろうが、失おうが、年を取ろうが、未来はいつだってわたしたちの手の中にあるのだ。」

  • 再読。
    なぜ犯罪を犯してしまうのか。
    面白かったが、すっきりしない話だった。

    2018.6.11
    大阪郊外の巨大団地で育った友梨、かつての親友・里子、東京から越したきた真帆、それぞれが犯罪に手を染めてしまう。
    決して切れない繋がり、インフルエンス=影響力に逆らえず、自ら囚われているようでもあった。

    いつものごとく読みやすく、内容のわりに嫌な読後感もない。
    種明かし? はさすが近藤史恵さん、ここでこうくるとは思わなかった。

  • 1980年代の団地や学校のリアルな描写の中で、三人の少女たちの愛情と嫉妬が、複雑に絡まり合う。ミステリ的には特に大ネタもないのだけれど、繊細な心理描写だけで読ませるのはさすが。淡々としてはいるが、女性や子供に対する暴力に対して、甘くでルーズな社会に対する怒りは十分に感じられる。

  • 小学校、中学校、そして高校、、果てしなく続く人間関係。その中でも特に女子の友達関係にはヒエラルキーのようなものがつきまとってくる。物語に出てくる人物はどれも「あぁこんな子いたいた」と思わされるものばかり。そして私自身は自分が虐められていた時のことを思い出し、ちょっと胸が痛くなりながら読んだ。複雑な関係性に時には怖さを感じながら、一気に読み進められた。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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