三つ巴 新・酔いどれ小籐次(二十) (文春文庫 さ 63-20 新・酔いどれ小籐次 20)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167916374

作品紹介・あらすじ

商いする大切な舟が古くなり水漏れしてしまったが、新しい舟を作る金の工面に頭が痛い小籐次。舟づくりの名人・「蛙の親方」こと亀吉親方に相談するうち、親方が思い出したのは、かつて小籐次が助けた花火師親子のこと…
人の縁と心意気が繋がって新造された小籐次の舟「研ぎ舟蛙丸」が、江戸の人々を大いに沸かせる!
そんな中、雑な盗みを重ねていた「ニセ鼠小僧」が、ついに人を殺め――
元祖鼠小僧・奉行所・そして小籐次が、普段ならありえないタッグを組んで
ニセ者の成敗に乗り出す! 

累計800万部の大人気シリーズ、最新刊。 

感想・レビュー・書評

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  • 酔いどれ小籐次シリーズの39作目
    三つ巴 ー 新・酔いどれ小籐次シリーズ(第二期)20作目
    2021.02発行。字の大きさは…大。

    来島水軍流の剣の達人・酔いどれ小籐次こと赤目小籐次と、息子・駿太郎の成長物語です。

    此度は、前作に続き元祖鼠小僧次郎吉こと子次郎の偽者が、江戸の町に出没して商家から大金を盗み、人を殺しと悪逆非道の限りを尽くします。その偽者は、公儀・火付盗賊改役の与力と同心が己の手下を使ってと、もう一組は、公儀・黒鍬組より出世した表火之番の組頭とその組の者たちです。

    盗人を捕らえるべき役人が、鼠小僧次郎吉を騙って盗みをして、押し入った商家で人を殺します。これを表沙汰に出来ず奉行所から助けを求められた小籐次、駿太郎が活躍します。

    【読後】
    小籐次は、老いていますが元気です。駿太郎13才は、とても13才とは思えぬ動きと分別で大人たちを助けていきます。この組み合わせが面白いです。
    この物語が、これからも続くことを楽しみにしています。
    2021.04.22読了

    ※シリーズの感想と読了日
    青田波 ― 新・酔いどれ小籐次シリーズの19作目 2021.01.21読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4167915871#
    鼠異聞(下)― 新・酔いどれ小籐次シリーズの18作目 2020.08.21読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4167915219#
    鼠異聞(上) ― 新・酔いどれ小籐次シリーズの17作目 2020.08.20読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4167915200#
    酒合戦 ― 新・酔いどれ小籐次シリーズの16作目 2020.02.23読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4167914344#
    鑓騒ぎ ― 新・酔いどれ小籐次シリーズの15作目 2019.09.13読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4167913259#
    旅仕舞 ― 新・酔いどれ小籐次シリーズの14作目 2019.08.28読了
    https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4167913062#
    新・酔いどれ小籐次シリーズの13作目以前は、ブクロク登録前に読んでいます。

  • 2021年2月文春文庫刊。書下ろし。シリーズ20作目。火盗改との件で、小藤次なかなかの策士だなと思って読み進めていたら、隠密御用にしちゃうなんて、予想もしない展開です。と言うほどでもない、これって、いつもの調子ですね。

  • 気が付けば酔いどれ小籐次の新シリーズも20巻目。いろいろとマンネリ感が目につくが、佐伯泰英の作品の面白いところは人と人とのつながりがどんどん広がっていくところ。今回は船宿いなき屋と船大工の蛙の親方。2人ともいい味を出している。それにしても13歳の駿太郎が老成しているせいか小籐次に似てきた。というかそっくり。もっと子供っぽくていいんじゃないかと思うが・・・旧シリーズも中途半端で終わっているが、本シリーズも終わらせ方が難しくなっているのでは。大きな縦糸がないので、収束させるべき物語がないので、やる気さえあればどこまでも続けられるが、マンネリ感が強くなってくるので、難しい。だがそろそろ終わらせ時かとも思う。

  • 良かったです。
    冒頭から、前巻までの子次郎との関わりあいをすぐに連想させ、物語に没入できました。
    歳を重ね、世のおじいちゃんと呼ばれる年齢になった小藤次。
    世間様からも気遣いの声を多数もらうように。
    赤目駿太郎はまだ13歳.まだまだ父親として教えなければならないことも多数。
    事件を通して、共働きするようになっているふたり。
    駿太郎も大人の中だけでなく、歳相当の友達にも恵まれ、世界が広がりました。
    佐伯泰英さんは、どんな着地点をそうぞうしているのでしょうか?

    このシリーズは、丁寧に紡いで欲しいものです。

  • 商売に欠かせない船に水漏れ。修理しようとしたらもうダメとなり新たな船を求めることに。新造船の話と並行して鼠小僧騒動の終焉が。偽ものを退治するための小籐次の策とは。新兵衛さんもそろそろなのか。

  • 戦いの部分より日常の方が面白い。
    戦いは相手との力量の差が開きすぎてるからなあ。

  • シリーズ20巻目は、前の話で未解決になってた贋ねずみ小僧の話。最近は表沙汰にできない話が多く、空蔵も辛いよなあ~ さて、この話、これから何処へ行く? あと、船が新しくなった。なかなかいい船やんか ^_^

  • 久慈屋から借りていた研ぎ船が、古くなって、水漏れになった。
    舟づくりの名人と以前花火師親子の縁が、ここで、繋がるとは・・・

    新品の船なのに、船の代金未払いで、返品された物だが、今までの船より、豪華で、広く、素晴らしい船を小藤次へと、気風がいい。
    しかし、小藤次もちゃんと、わきまえている所が、日本人の心構えであると、思う。
    江戸時代から、庶民は、エコに徹していて、無駄な物は、一つも残らずに使ってしまう。
    以前読んだものでも、着物も子供用へ、そして、前掛けや小物になったり・・・紙も再生したり、燃やした灰は、灰汁に、・・・長屋の糞尿も肥料になり、大家が、その代金で、年末餅を各戸に配るなんて事も書かれてあった。
    だから、この本でも、もう水漏れで、使わなくなった船も お風呂を沸かす薪に、そして、良い部分を舟板に。

    話は、鼠小僧の贋者が、色んな所で出没して、金銭だけでなく、人を殺めている事に、小藤次が、駆り出される。
    老中支配の町奉行所と 若年寄支配の目付の元で働く火付盗賊改めと 鼠小僧次郎吉の一統の三つ巴となって、話が、展開していく。

    13歳の駿太郎の腕の冴えと蛙丸の船の漕ぎ手も、小藤次に追いついてきている。

    駿太郎の赤ちゃんの時代の小説から読んでいて、船も老朽化するのも無理はないなぁ~なんて思いながら、読んでいた。

    子次郎が、偽の鼠小僧を小藤次たちと成敗したが、その後どうする?と駿太郎の問いで、三河迄 薫子姫に会いに行く、、
    子次郎も、土産だけでなく、自分の懐の十両のお金も小藤次名義で、薫子姫のお付きの老女に、渡すところが、奥ゆかしい。

    ホッコリ出来る 人間味のある話で、終わると、何故かホッとする。
    アッという間に読んで、しまった。
    人間関係の深さと 今までの登場人物の繋がりが、読み手の記憶を呼びもどしてくれている。

  • ふと気が付いた
    酔いどれ小籐次、アタクシより若い(´・ω・`)
    おりょう様のような人、現れないかな?

    さて、ねずみ小僧はいよいよお姫様と幸せに
    暮らしそうだ
    一連の偽ねずみ小僧の正体も本家の働きで知れ
    なぜか(読んでも理由が分からない)老中の
    極秘抹殺指令で成敗された

    薫子さまが関係するとほのぼのして良いな

  • 酔いどれ様も歳をとって来て、これからは駿太郎が活躍することになるのかな?

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著者プロフィール

佐伯 泰英(さえき やすひで)
1942年福岡県北九州市八幡西区生まれの小説家、写真家。日本大学藝術学部映画学科卒。当初は冒険小説や国際謀略小説を中心としたミステリー小説を執筆していたがヒットに恵まれず、編集者からの勧告に従って時代小説家に転身。初の書き下ろし時代小説『瑠璃の寺』がヒットし、以後作家活動は軌道に乗っていった。
代表作として、『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』のタイトルでドラマ化された『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズ、『吉原裏同心』シリーズなど。

佐伯泰英の作品

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