隠れ蓑 新・秋山久蔵御用控(十) (文春文庫 ふ 30-45 新・秋山久蔵御用控 10)
- 文藝春秋 (2021年5月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167916909
感想・レビュー・書評
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著者藤井邦夫さんが、小休止……。
秋山久蔵御用控シリーズの40作目
隠れ蓑 - 新・秋山久蔵御用控シリーズの10作目
2021.05発行。字の大きさは…大。
瓜二つ、隠れ蓑、卑劣者、逃げ者の短編4話。
南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵こと「剃刀久蔵」は、普通は温和な人物だが、悪党に対しては情け無用の冷酷さを秘めている。その久蔵が悪を裁く。
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【瓜二つ】
岡っ引き・柳橋の幸吉の手先・シャボン玉売りの由松は、武家の若い女に「竜吉、恭一郎さまの仇……」と必死の面持ちで叫んで斬られそうになる。由松が、竜吉と瓜二つだと言う。由松をはじめ柳橋の幸吉一家は、竜吉を探し出すと騙りを行っていた。
————— 世の中には、3人よく似ている人が居ると言うが、私も若い頃によく似たひとが居ると言うので会いに行ったが、あまり似ていないと思ったが。周りは、よく似ているという……。
【隠れ蓑】
薬種屋「恵比須屋」隠居の喜平は、浪人の原田左馬之介に、暴言を吐き娘を自害に追い込んだ御家人の松本準之助を殺すように依頼する。
————— 本当につまらない話だ。唯々紙面を費消しているだけだ。誰々を追っかけた……が。何回も出て来て、それで紙面を費消している。
【卑劣者】
御家人白崎恭之助の妻・志乃は、夫の殴る蹴るの暴行により家を出て初恋の御家人黒田精一郎のもとに行く。
————— これも「隠れ蓑」と同じくつまらない。何で2話も続けてなんだ。
【逃げ者】
指物師の伊佐吉は、親方の娘を手込めにして死なせた2人の無頼の浪人を殺したお尋ね者です。その伊佐吉が、なぜ危険を冒してまで江戸に戻って来たのか。甲州から女衒の吉助が、騙して連れてきた娘おすみを追って……。
————— これも単純な捕物帖になっている。追跡した、調べたが長く。話は簡単なんだが、ページ数は長い。
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【読後】
藤井さんは、どうしたのかな。いつものキレが無くなっている。何処にでもある退屈な捕物帖になっている。秋山久蔵や柳橋の幸吉一家を自在に動かして物語を作っていたのに、どうしたのかな?
2021.07.08読了
※シリーズの感想と読了日
紙風船 - 新・秋山久蔵御用控シリーズの9作目 2021.04.28読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4167916142#
偽久蔵 - 新・秋山久蔵御用控シリーズの8作目 2020.09.29読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/416791543X#
小糠雨 - 新・秋山久蔵御用控シリーズの7作目 2020.06.04読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4167914794#
忍び恋 ー 新・秋山久蔵御用控シリーズの6作目 2020.01.08読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4167913992#
新参者 ー 新・秋山久蔵御用控シリーズの5作目 2019.09.05読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4167913321#
返討ち ー 新・秋山久蔵御用控シリーズの4作目 2019.05.27読了
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4167912589#
裏切り ー 新・秋山久蔵御用控シリーズの3作目以前は、ブクロク登録前に読みました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第十弾
短篇四話構成
さすがに続けて読むと何か内容が既に読んだ感じに -
毎度、悪人が懲らしめられる秋山久蔵御用控シリーズ。
4話からなる。
「瓜二つ」
由松は、竜吉という男と間違われるのだが、・・・
竜吉は、殺人をしたうえに50両も持ち逃げしている男であった。
殺された恭一郎の許嫁の美保が、仇討ちをしたけど、重傷を負った竜吉の命は南奉行所が、預かりとしたことは、美帆が殺人罪にならないようにの配慮かな?
織物問屋から白絹の反物の取り込み詐欺をしようとした2人と共に、死罪を処したのだから、・・・
瓜二つでも、悪人と似て欲しくないなぁ~と、思いながらも、取り込み詐欺を未遂に終える事の出来たのは、瓜二つのお陰なのだと。
「隠れ蓑」
旗本の部屋住みと御家人の2人の武士が、殺害された。
部屋住みの武士は、巻き添えにあったのだと思ったのだが、・・・実際は、・・・
「卑怯者」
神崎和馬の妻女 百合江の挙動不審な行動に、・・・
百合江の友人の志乃の行方不明に加担していた。
志乃は 夫 白崎恭之助の乱暴狼藉」などで、飛び出したのだった。
小者の友造を殺したのも恭之助。
友造の主の黒田精一郎に恭之助は、命乞えをしながらも、その背に脇差で、襲い掛かるという卑怯な手を使うのだが、精一郎に討ち果たされる。
「逃れ者」
かって、凶行を犯した伊佐吉が、江戸へ舞い戻る。
なぜ?と、思う久蔵。
捕まる危険性のあるのに、舞い戻った理由。
そして久蔵の処置が、又良い。
知らぬが半兵衛手控え帖シリーズの時も、こんな話が、あったような・・・・
4話が、安心しながら、アッという間に読めて仕舞った。 -
【罪を犯してでも守りたかったものとは? シリーズ第十弾】二人の浪人を殺害し、江戸から逃げた指物師の伊佐吉が江戸に戻って来た。秋山久蔵は早速探索を命じる。何故男は江戸に現れたのか?