Black Box (文春文庫 い 108-1)

著者 :
  • 文藝春秋
4.00
  • (8)
  • (5)
  • (5)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 99
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167918484

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 伊藤詩織『Black Box』文春文庫。

    各種メディアで取り上げられ、話題になったノンフィクションの文庫化。

    正直に言うと、本書を読む前には著者の伊藤詩織が本当にレイプ被害を受けたのかと疑念を感じていた。ジャーナリストを名乗る伊藤詩織のジャーナリストとしての活動成果などは全く知らないし、その洗練されたルックスからどうしても胡散臭さを感じてしまうのだ。

    自分が知り得たネットなどの乏しい情報を整理すると、ジャーナリスト志望の伊藤詩織が仕事を世話してもらうために会ったTBSワシントン支局長の山口敬之によりレイプされたと訴えるが、山口敬之が当時の総理大臣の安倍晋三の友達だったことから不起訴になったというものである。

    果たして、自分が本書を読む前に抱いていた疑念や胡散臭さは払拭されるのだろうか……

    読み始めると、ルックスの良さは幼い頃からモデルをやっていたのかと納得。

    さて、問題のレイプ事件。これが事実であれば大犯罪であるが、本書を読む限りは物証が無く、当人の曖昧な記憶や思い込みによることばかりが羅列されており、読む前に抱いていた疑念や胡散臭さは全く払拭されなかった。デートレイプドラッグの可能性まで持ち出すが、これも証拠は無く、いよいよ疑念は増すばかりであった。

    どうして事件直後に警察に訴え、相手を拘束しなかったのか。どうしてレイプした男に何度もメールで仕事の世話を依頼するのか。海外経験が長いと言う割りには驚く程の脇の甘さ。その他、自身の証言を補強するかのように取って付けたような描写の数々。疑問ばかりが残る。



    中学校生活を病気で棒に振り、日本から逃げるように海外留学。どこの高校を卒業したのか解らないが、海外の大学に修学しながらジャーナリストを目指す。

    ニューヨークで知り合ったTBSワシントン支局長の山口敬之に仕事を紹介してもらうために日本で会う。二人切りで串焼き屋、寿司屋と飲み歩き、寿司屋で日本酒を飲むと意識が途切れ、気が付いたら山口敬之が宿泊するホテルの部屋でPCのカメラで撮影されながら犯されていたと主張している。

    その後、デートレイプドラッグを用いられて前後不覚となり、タクシーでホテルに連れ込まれてレイプされたと訴えるが、物証は無く、ホテルの密室で行われたことを証明する手立ては無い。



    灰色の結末。事実は闇の中……

    伊藤詩織には触れてはいけない何やら危険なものを感じる。

    本体価格800円
    ★★★

  • 【社会を変え続けるジャーナリスト、渾身の手記】「そうは言ってもあなたも悪かったんじゃないの?」社会システムの隅々まではびこる性暴力被害者への偏見。立ち上がり闘う魂の記録。

  • 女性に読んで貰いたい、切実に。

    ってな事で、伊藤詩織の『Black Box』

    ジャーナリストに成りたいと夢見た伊藤詩織さんが、TBSのワシントン支局長の山口敬之にレイプされた事件。

    ちょっと前にニュースにもなってたけど、権力に押し潰された感が満載な出来事。

    レイプや痴漢等々の性犯罪で泣き寝入りせざるを得ない人々をもう出さない為に、世の中を変える為に立ち上がった伊藤詩織さんが自分の心と身を削りながら戦って来たノンフィクション。

    起こってはいけんけど、万が一もし被害にあった時の対応、未然に防ぐ対策の参考になるはずなんでマジで読んで欲しいものです。

    2018年76冊目

  • 開発目標5:ジェンダー平等を実現しよう
    摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50278893

  • 1警察が捜査に消極的
    2山口氏、当日の行動の不自然さ、整合性のなさ
    3社会的地位があれば逃げたりしない?
    4行為があったか、合意があったか
    (noと言わないとyes?)
    5デートレイプドラッグによる記憶の健忘
    6恐怖による擬死、精神的解離

    メアリーFカルバート
    ジョンクラカワ-

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1989年生まれ。ジャーナリスト。「アルジャジーラ」「エコノミスト」「ロイター」などの映像ニュースやドキュメンタリーなどの制作を行う。著書『ブラックボックス』(文藝春秋)

「2018年 『しゃべり尽くそう! 私たちの新フェミニズム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伊藤詩織の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×