- Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167918934
作品紹介・あらすじ
★中華時代小説の新鋭が放つ、松本清張賞受賞の大河武侠小説
〈安史の乱〉により未曾有の混乱に陥った唐で、
言葉の力を信じ、戦禍の流れを変えるべく奔走した顔季明。
彼の言葉を胸に、武芸に秀でた許嫁の張采春は故郷を出奔し、
采春の兄の張永は叛乱軍との戦へ身を投じた。
袂を分かった兄妹の運命は戦場にて思わぬ形で交差する――。
約3600万人もの犠牲者が出たと言われる〈安史の乱〉を背景に、
言葉の力で世を動かしたいという一心で文官を志す名家の青年と、
理不尽な理由で世間からつまはじきにされてきた地方の兄妹の
運命の出会いが唐の歴史を大きく動かす。
手に汗握るアクション、ハラハラする謀略、
そしてかけがえのない友情と愛情……。
そのすべてが詰まった、圧倒的スケールの武侠小説登場!
(解説 三田主水)
第27回松本清張賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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舞台は中国唐の時代、政治の中心は楊貴妃の一族が台頭するなか、節度使の安禄山の勢力が対立し叛乱を起こす、世に言う【安史の乱】が物語の背景にある。
・安禄山は平家物語の冒頭にも遠い国で叛乱を起こした人の一人として挙げられている。
・安史の乱は安禄山とその部下の史思明が起こした叛乱とされている。
その程度の知識しかありませんが本書を手にしました。
物語の主人公達は【安史の乱】の中心にいた人達ではなく【安史の乱】の影響を受ける地方の人々の話です。
主人公の張永は平原の武官、妹の張采春は危なっかしいけど そこそこの武術の達人、張采春の許嫁の顔季明は名家の御坊ちゃまではあるが芯があり文官を目指す好青年!
この3人が安史の乱に巻き込まれ時代に翻弄されていく・・・
本作を読むきっかけは、書店で同作家の【戴天】を手に取り、戴天の前に本作を書き上げている事から読もうと思いました。
武術の達人が出てくる歴史小説は面白いと思いました!!!
それと、三国志や水滸伝以外の歴史を埋めていきたいと改めて思いました!!
本作の注目部分は安史の乱に対して市井の人々が何と思っているか、地方の人々が何と思っているか?官僚達の思いと地方公務員の思いと市井に生きる人々の思いの差が注目の部分です。
今後、政治に携わろうとする人達には読んでほしいと思いました。
それと、安史の乱でとんでもなく人が死んでいる事に驚きました!!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
予想通り、面白かった。多少展開に疑問な点がないわけでもないが(特に中盤辺り)、デビュー作にしてここまで書けるのは凄い。『戴天』も楽しみ。
「永」の字や顔真卿など、千葉さんは書道にも造詣が深いのかな。「祭姪文稿」、感情を込めて書いてみたくなった。 -
☆4.0
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大河歴史小説。安禄山の乱は全く知らない身でしたがとても面白かった!
敵も味方も一筋縄ではいかない人間臭さがあります。
ページをめくったとき、采春、の2文字が目に飛び込んできたときのワクワク感といったら! -
時間潰しに、たまたま入った本屋で手に取ったものだったのに、こんな凄い物語に行き当たるなんて、まさに、宝くじに当たったような気分だ。それも、僕より20歳以上も若い女性が書いたとは、驚きだ!
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松本清張賞受賞。唐の時代に起きた安史の乱を題材に、兄妹と妹の婚約者の文官との出会いが大いなるうねりを生むことに。歴史大河ドラマとしても骨太で、争いの凄惨さに心が痛い。今も世界で起きる戦争、内紛、その他大なり小なりの争いで多くの人が死んでいる。新型コロナからの戦争、嫌な流れを止めることは、この世界で生きる者として何ができるのか考えていかなくてはならない。
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凛々しいヒロインが活躍する様が、現代のアクション映画のようでした。
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【運命に抗う兄妹! 清張賞受賞の大河武侠小説】「世を動かしたい」。唐を揺るがす未曾有の大乱によって大切な人を失った兄妹は、運命に抗うため過酷な戦へと身を投じる。