昭和天皇の声 (文春文庫 な 82-2)

著者 :
  • 文藝春秋
4.33
  • (4)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 36
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167919092

作品紹介・あらすじ

「君側の奸」はどこだ!?

皇道派VS.統制派、二・二六事件、
共産党委員長が天皇主義者へ転身――
男たちの耳にこだまする、幾つもの「天皇の声」。
感涙の最終話で明かされる「真実」とは?
歴史連作短篇集

純朴な陸軍中佐・相沢三郎が統制派の首魁・永田鉄山に凶刃を振るう場面で始まる「感激居士」。二・二六事件の裏のドラマを描く「総理の弔い」「澄みきった瞳」。ある共産党員の魂の遍歴を辿る「転向者の昭和二十年」、そして実質的表題作ともいえるラストの「地下鉄の切符」。抑制された筆に目頭が熱くなる連作短篇集。解説・杉江松恋

目次:
感激居士
総理の弔い
澄みきった瞳
転向者の昭和二十年
地下鉄の切符

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 純粋な陸軍中佐・相沢三郎が統制派の首魁・永田鉄山に狂刃を振るう場面で始まる「感激居士」。2.26事件の裏のドラマを描く「総理の弔い」、「澄みきった瞳」。ある共産党員の魂の遍歴を辿る「転向者の昭和二十年」、そして実質的表題作ともいえるラストの「地下鉄の切符」。男たちの耳にこだまする幾つもの「天皇の声」、感涙の最終話で明らかにされる真実とは?

  • 二・二六事件を中心に昭和天皇をテーマとした短編集。戦後世代の作家でこの時代をここまで描けるという想像力に大きなな感嘆。

    最初は繋がりのないような短編が、鈴木貫太郎と昭和天皇の絆にじわじわと繋がってくる連作。

    終戦記念日を前に読んで良かった。

  • 昭和天皇のお話が読みたかったけれど、流石に昭和天皇ご本人が主人公というわけではなかった。が、歴史的な出来事をわかりやすく物語にしてあって、とても勉強になる。

  • 切ない。物悲しい。でも、これが戦争なのだろう。
    様々な角度から語られる戦前戦後。
    読後のなんとも言えない気持ち。
    読者にそう思わせる本。
    ゴーホームクイックリーとは同じ世界なのに違う。
    ロンドン狂瀾とはあわせて読みたい。
    オススメです。

    ※評価はすべて3にしています

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

中路啓太
1968年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程を単位取得の上、退学。2006年、「火ノ児の剣」で第1回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞、作家デビュー。2作目『裏切り涼山』で高い評価を受ける。綿密な取材と独自の解釈、そして骨太な作風から、正統派歴史時代小説の新しい担い手として注目を集めている。他の著書に『うつけの采配』『己惚れの記』『恥も外聞もなく売名す』など。

「2022年 『南洋のエレアル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中路啓太の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×