名残の袖 仕立屋お竜 (文春文庫 お 81-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 71
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167919955

作品紹介・あらすじ

仕立物を納めている鶴屋孫兵衛の頼みで、「加賀屋」という油屋に縫子として通うことになったお竜。
働き者で評判の「加賀屋」の主人・宇兵衛だが、連れ合いが辻斬りにあい、小さい男の子を抱えて商売を切り盛りする日々。亡くなった連れ合いとお竜の仕事をしている姿が似ていると話を聞いた孫兵衛が、加賀屋に通いで行くように頼んだのだった。加賀屋の息子・彦太郎に懐かれるお竜は、忘れていた母性が目覚めるが、宇兵衛がときおり見せる「暗い影」が気になりだし、盟友の井出龍之介と宇兵衛をさぐると思いもかけない過去が。。。
時代小説界のニューヒロインの活躍にご期待ください!

感想・レビュー・書評

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  • 女を虐げる悪党を斬る仕立屋お竜の活躍の物語です。

    江戸は三十間堀三丁目の裏店「八百蔵長屋」の住人お竜は、新両替町二丁目の呉服店「鶴屋」から依頼された仕立物を仕上げるのを生業にしている。が、お竜には、仕立屋ともうひとつ「地獄への案内人」という顔を持っている。これは、この世にのさばん悪人を、地獄へ送り届けるという、裏家業である。
    母、名残の袖、人情一膳飯、守り神、の連作短編4話は、人情味たっぷりに物語が進んで行きます。お竜は、人との関わりを避けて一人で生きて行こうとしますが、かかわった人の不幸を見てついつい助けます。その時に、お竜の凄腕の剣が炸裂します。

    【読後】
    三話目に入ります、少しずつお竜の人物設定が確立してきています。これから面白くなっていきそうです。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    名残の袖 ー 仕立屋お竜シリーズ3作目
    2023.02発行。字の大きさは…中。2023.05.20~23読了。★★★☆☆
    母、名残の袖、人情一膳飯、守り神、の連作短編4話。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    《仕立屋お竜シリーズ一覧》
    3.名残の袖  2023.05.23読了 
    2.悲愁の花  2022.11.29読了
    1.仕立屋お竜 2022.11.27読了
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    「参考」
    ※参考は、私のメモ書きです。本の感想ではありません。
    「プロローグ」
    お竜は、騙されて地獄に落とされたが、助けてくれた林助に惚れて夫婦になった。しかし、林助は、お竜を殴る蹴ると攻め続け、悪の片棒を担がせた。林助の隙を見つけて逃げ出したが、林助の子分に見つかり手傷を負って斃れたところを、武術の遣い手の北条佐兵衛に助けられる。
    北条佐兵衛に三年間にわたり武術を仕込まれたお竜は、かの元禄の御世に名を成した豪商・紀伊国屋文左衛門の五代目となる隠居の文左衛門のもとで仲間たちと一緒に、女子供、弱い者に害を為す悪人を地獄へ案内してやるべく裏の仕事を始めた。
    お竜は、日頃は裁縫の腕を生かして呉服店の鶴屋孫兵衛から仕立物の依頼を受け、着物を仕立てているが。文左衛門の命でお竜は、鶴屋の用心棒兼手習師匠であり剣の遣い手の井出勝之助と二人で、地獄への案内人として極悪人を葬る。
    ←1作目と、2作目感想から抜粋。

  • シリーズ3作目。短編4話。

    「母」は、女は誰でも母の心がある、というのにはどうかな、と思ったが、
    小さきものに優しくしたい、誰かのために力を尽くしたい、守りたいという気持ちは多くの人にあるだろう。
    自分の罪と向き合いながら、穏やかな生活をしたいと願うお竜の心の揺れが切ない。

    「名残の袖」は「母」の続き。
    母を亡くした幼子と、若き日の過ちを悔い、必死で店を守る男。
    その二人を振り切り、裏稼業へ戻るお竜。悲しいなあ…
    人情一膳飯と守り神も続く物語。
    悪いお殿様は時代物には欠かせない。
    色気と強さと、さながら和風の峰不二子。
    そして久々の師との再会。
    まだまだ物語は続きそう。

  • 2023.12.04

  • 鶴屋の依頼で油商・加島屋に通うことになったお竜。主人には幼い息子・彦太郎が残され、その気配の先には母の面影を偲ぶ子供の瞳があったのだ。彦太郎と過ごす日々に心和むお竜だが、加島屋には魔の手が迫り始めていて…。(e-honより)

  •  岡本さとる「名残の袖」、仕立屋お竜シリーズ№3、2023.2発行。安定した面白さです!

  • 42

  • 【お竜、母性に目覚める】昼は腕の良い職人、裏の顔は「地獄への案内人」。女の敵は許さない、時代小説界のニューヒロイン・仕立屋お竜の剣技が冴える第三弾。

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著者プロフィール

一九六一年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社九十周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に「浪華騒擾記」が入選。その後フリーとなり、「水戸黄門」「必殺仕事人」などのテレビ時代劇の脚本を手がける。二〇一〇年、『取次屋栄三』で小説家デビュー。他に「若鷹武芸帖」「八丁堀強妻物語」「仕立屋お竜」などのシリーズがある。

「2023年 『明日の夕餉 居酒屋お夏 春夏秋冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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