秘める恋、守る愛 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167920272

作品紹介・あらすじ

娘の一恵が留学するミュンヘンに訪れた直樹と妻の由希恵。直樹は若き日のドイツでの恋に心を囚われ、妻は寂しい心の隙間を別の男で埋めようとし、娘は守るべき愛を見つけていた。
7日間の旅が秘密を抱える家族のあり様を変えていく。
数多の愛の詞を手掛けた著者が描く、大人の愛のかたち。
巻末に書き下ろしの「出会い」も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 【家族3人がそれぞれに抱える秘密】過去に生きる夫、秘密を抱く妻、本心を隠す娘。ドイツでの7日間が家族を変えてゆく。THE ALFEEのリーダーが綴る大人の愛。

  • ALFEE高見澤俊彦さんの著書。「音叉」に続き拝読しました。12月29日にALFEEのライブ参加後読み始めました。
    ①ドイツが舞台となっていますが、情景描写が細かくて情景が浮かんでくるようです。歴史的背景の考察も細かく描かれています。
    ②内容は、タイトルの「秘める恋、守る愛」
    の通り、家族3人それぞれの心情の動きが細かく描かれています。夫の青春時代の濃い、妻の寂しさ、満たされない思い…軽めの男性との火遊びはちょっとダメだけど(笑)娘の洞察力すごい。
    高度経済成長下の古き良き時代が思い起こされます。
    「オール読物」に約一年間連載されていたとのこと、
    ツアーや楽曲制作の合間に少しずつ書き進められたのでしょうか。才能すごいと思います。読み応えのある一冊です。

  • THE ALEEのリーダー、高見沢俊彦の第3弾小説「特撮家族」の出版と同時に、
    文庫化された、第二弾の「秘める恋、守る愛」である。
    この作品は、恋愛小説であると同時に、家族小説でもある。
    ドイツへ留学中の娘をテロや移民問題の観点から、日本に帰国させようと、
    偽りの理由で、夫婦でドイツ旅行を画策するところから、物語は始まる。
    娘を思い、会いに行くという始まりは家族小説の要素を呈しているが、
    それだけだと、守る愛だけで良いように感じてしまう。
    そこで、疑問に思う「秘める恋」である。
    これを語ってしまうと、ネタバレにもつながるので言えませんが、
    父・母・娘という3人家族のそれぞれの視点から物語が進んでいく、
    それぞれの思いが、交差していく。
    本の表紙にある湖と十字架は終わりに近づき、重要なファクターとなる。
    文庫化にあたり、書かれた追加の「出会い」というあとがきに関して、
    作品への思いなどを綴られていてこれも良かった。

    去年の2月ごろ単行本で読んだのだが、
    文庫化に伴い、第3弾「特撮家族」のついでに買って、
    久々に読み、忘れてる部分覚えてる部分、さすがに、読めば思いだすので、
    そんなに忘れてはいないが、やはり最後のほうは涙が・・・ってなって、
    あとがきである「出会い」でも涙が・・・ってなりました;;

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