小説 天空の城ラピュタ〈後篇〉 (アニメージュ文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784196695578

感想・レビュー・書評

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  • 渦巻く密度の濃い純白の雲の中にある「竜の巣」その中にあるラピュタへ、パズーとシータ、ドーラ一家そして巨大戦艦ゴリアテに乗るムスカたちはそれぞれの目的を持って突入します。

    気を失っていたパズーとシータが目覚めたとき、その目に映ったのは、天空に生い茂る樹林や花畑。そして鳥や小動物とともに墓守りをするロボットでした。その美しいラピュタの姿に2人は感動します。
    やっぱりラピュタは素敵なところなんだ…

    でも、欲にまみれた大人たちにとってラピュタは、宝の城でしかありません。
    金銀、財宝!黄金の山を前にし略奪や建物の破壊が始まり軍の統制は乱れてしまいました。

    ムスカにあっては、ラピュタの力を手に入れて全世界を支配するという野望が露見します。

    巨額な富に人は理性を失います。人智を超える力に人は傲慢になります。
    七百年もの前に、この天空の城では得体の知れない疫病が流行り、それはラピュタの科学をもってしても克服出来ませんでした。王族たちは地上に舞い戻ったのです。もしかしたら、「恐怖の帝国」となったラピュタは意志を持っていて、世界がラピュタによって滅びる一歩手前で、自ら立ち止まったんじゃないかと思えるのです。そして二度と目覚めない深い眠りについたんじゃないかと。

    パズーはシータの為に、シータはパズーの為に。2人は懸命にムスカに対抗します。
    ムスカにラピュタは渡さない。その為に自分たちの命を失うことになっても。
    シータはラピュタの最後の王女として、ムシカに凛と立ち向かいます。

    「国が滅びたのに、王だけ生きているなんて滑稽だわ。あなたに城は渡さない。あなたはここから出ることも出来ずに、私と朽ち果てるのよ」

    シータ!なんてかっこいいの、あなたは。もうおばあさまに代わって、おばさんがギューッと抱きしめたくなりますよ。シータは立派なラピュタの王ですよ。
    彼女は滅びの言葉を使う決心をします。ラピュタが滅びるのか、ラピュタの王族の血を持つ自分たちが滅びるのか。
    それでもやっぱり覚悟が揺らぎます。でもね、パズーが囁きます。
    「僕も一緒にいう」
    2人はしっかりと手を握りあいました。
    パズー!凛々しい男になりました。2人の勇気と優しさ、健気さを前にすれば、どんな敵でも完敗ですよ。ほんとに。
    そして叫ばれた滅びの言葉「バルス!」

    半年後。
    そうなのです。このノベライズでは、半年後のパズーとシータ、そしてドーラ一家の様子がチラリと描かれています。
    それはとっても笑顔になれる終わり方でしたよ。

  • 後編読了
    映画そのまま、でもけっこう省略してるかな
    でもそれはストーリーに影響がない部分でしょう
    それでも十分楽しめました
    また映像が見たくなりました
    ラピュタはやっぱ映像で楽しみたいです

  • 2017読了(日付を忘れてしまった)。
    ジブリの教科書シリーズのラピュタを読もうとした時、小説版の話が出てて、なら先に読もうと思い立って買った小説でした。今教科書の方を読んでます。パズーやシータの暮らしてた環境が詳細に書かれていて映画ファンとしては裏設定を見てる気分でした!教科書の方も楽しみです♪(小説版で初めてドーラの息子達と子分の名前を知りましたw)

  • 前編のレビューでも述べたが
    アニメの補足資料として読むには良いが
    小説としてはプロットを文章化しているだけで
    質が良いとはけして言えない。

    <>でくくった文言がモノローグであったり
    単に強調であったり
    「」が台詞であったりSEであったりと、統一されていない。
    編集者や制作サイドからは違和感がないのかもしれないが
    小説としては通常なら校正の段階で修正されるべきぶれであると思う。

    あるシーンを描き、このとき一方は何をしていた、という書き方も、小説というよりは絵コンテ風。
    たとえば”灼熱”など、同じ表現が短期間に繰り返し使われていることも気になる。別の言い回しで表現し、奥行きを持たせるのが小説だろう。
    章タイトルも、脚本やプロットの足掛かりそのままなのか、題名というより印でしかないように思える。

    パズーが滅びの言葉に恐怖を抱いていたのに
    教えて、というようになるまでの心の動きもなく
    アニメに比べて、全般的に震えるような感動を覚えることができない。

    前後編にするほどのボリュームもない、短い小説である。

    アニメと比べて、台詞は全く同じではない。全体的に長かったり、言い回しが洗練されていないように感じる。
    アニメはよく無駄を削って表現されているのだと実感。
    また、小説ではパズーの”悲鳴”と書かれているところも、アニメでは悲鳴というより凛々しく演じられ
    不安でもそれを面に出さない少年パズーがよくよく描かれていた。
    改めて声優さんの凄さを感じ、所謂バンドマジック的な、チームで作ることで生まれる作品の素晴らしさを思った。

    少なくとも私の中でジブリアニメが衰退してきたのは
    声優さんから芸能人に切り替え、その理由が「声優は手垢がついている声だから」と言い始め
    原作物を滅茶苦茶に作り替えてしまうようになってからなので
    そうした意味でも寂しい読後感となった。

  • 前編はスラッグ渓谷の描写に厚みがあって読み応えがあったが、後編はあまり小説独自のものが無いし、見せ場のアクションシーンが続くのでどうしても文章だと表現できない部分が多かった印象。
    宮崎駿のイラストが沢山収録されているので、イラスト目的で買うならば全然問題ないが・・・

  • アニメは子どもの頃にもう何度見たことかと思うほど見てきてて、夢にまで見るくらいに好きな作品なので、小説で満足出来るだろうかと思いながら読んでました。

    正直言って、大満足でした。アニメには無かったエピソードが入っているので、それらを思い出しながらまたアニメを観るという楽しみが出来ました。

    残念な点をあえて挙げるとするならば、ムスカの退場があっさりしていたこと、ぐらいですね。

  • 地上波で「天空の城ラピュタ」の映画を放送しているのを観てちょっと物足りないなぁと思って探してみたら,この本の最後に映画では描かれていなかった後日談みたいなものが載っていると言うので買ってみたが,後日談はわずか3ページだった。まぁそんなものかな。ナウシカのコミックみたいに映画の後から更に壮大な物語が続いていくというようなタイプの話ではないしね。

  • ジブリ劇場アニメ 2作目 天空の城ラピュタ
    小説版の後編

    要塞にシータ奪還へ向かうところで終わった前編からの
    物語終わりまでを綴っている
    アニメでは語られていない後日談が少し書かれている

    アニメ好きで観た人なら
    分かると思いますが
    後編は泣ける名シーンが多々あります
    1.シータ奪還
    2.ラピュタ突入
    3.破滅の言葉

    一番泣けるのはやっぱり2のラピュタ突入ですよね
    知らない人もいるかもですから
    どういう場面か詳細は言いませんが
    主人公パズーの思いも重なって
    泣ける名シーン

  • 宮崎 駿の手がけたオリジナルアニメーション「天空の城ラピュタ」をノベライズ、下巻

  • 間違いなくドーラ婆がいい味。細かな改変は個人的には判りません。

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著者プロフィール

アニメーション映画監督。1941年東京都生まれ。学習院大学政治経済学部卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)入社。「ルパン三世 カリオストロの城」(1979)で劇場作品を初監督。1984年には「風の谷のナウシカ」を発表。1985年にスタジオジブリの設立に参加。「天空の城ラピュタ」(1986)、「となりのトトロ」(1988)、「魔女の宅急便」(1989)、「紅の豚」(1992)、「もののけ姫」(1997)、「千と千尋の神隠し」(2001)、「ハウルの動く城」(2004)、「崖の上のポニョ」(2008)、「風立ちぬ」(2013)を監督。現在は新作長編「君たちはどう生きるか」を制作中。著書に『シュナの旅』『出発点』『虫眼とアニ眼』(養老孟司氏との対談集)(以上、徳間書店)、『折り返し点』『トトロの住む家増補改訂版』『本へのとびら』(以上、岩波書店)『半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義』(文春ジブリ文庫)などがある。

「2021年 『小説 となりのトトロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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