- Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198506889
作品紹介・あらすじ
「東から勾玉を持った天女が来て、滅びゆく都を救ってくれる」病んだ兄の夢語りに、胸を痛める皇女苑上。だが「東」の国坂東で、いにしえから伝わる明の勾玉を輝かせたのは、蝦夷の巫女の血を引く少年阿高だった。物の怪の跳梁する都へと足を踏み入れた阿高と仲間たち。そして苑上と阿高が出会ったとき、神代から伝わる最後の「力」は…?"闇"の末裔の少年と"輝"の末裔の皇女が織りなす、「最後の勾玉」の物語。
感想・レビュー・書評
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キャラクターが空色勾玉、白鳥異伝と少し変わった立ち位置で、いつもの闇の元気いっぱい娘と輝のぽややん皇子でなくなったので個人的な気持ちとして読みやすくなった。
ただ、その分ストーリーとしては前二作よりは控えめかもしれない。ちょっと弱い。
脇役が活き活きしてていいですね。チキサニは苦手だったけど。
ただ阿高と田村麻呂さんを会わすな、というのはなんだったのだろう?
苑上と阿高の恋心もはっきり見えなかったような。まあ、あんまりぺたぺたやられると苦手なんでそのへん読み飛ばしたのかもしれないけれど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
平城京~平安京頃の有史を下敷きにしつつも、違和感なくファンタジー要素を滑り込ませたストーリーに、歴史好きとしては惹かれます。
阿高も藤太も、待っている人のもとに無事戻れて本当に良かった。このシリーズのいい所は必ずハッピーエンドになる所だと思っています。
この年になってようやく、苑上の台詞「おいていかないで」でじーんときてしまいました。 -
前2作が女性ヒロイン & 女性目線の物語だったのに対し、この物語だけは男目線・・・とまでは言い切れないけれど、勾玉を持つ者が男ということでちょっと毛色が違います。 (まあ、白鳥異伝でも菅流♂が「勾玉を持つ者」という要素を持っていたけれど・・・・ ^^;) 「白鳥異伝」の Review でハーレクインっぽさがちょっと鼻についたと書いたけれど、本作ではその匂いはかなり薄まっていると思います。 それでも KiKi の個人的な感覚からするとやっぱり「女子の作品」っていう感じが強烈で、その「女子感」にはちょっと苦手意識が働いたのも事実です。 「西の善き魔女」でも感じたことだけど、KiKi が荻原作品と相性があんまりよくないのは、この「少女マンガっぽさ」が苦手なことと無関係ではないような気がします。
まあ、否定的な言葉から始まってしまったこの Review だけど、面白いことは面白かったんですよ。 特にあの時代(平安遷都前)を描いていながらも、蝦夷やら坂東やらといういわゆる辺境を扱っている物語というだけでも嬉しい限りです。 学校時代にはどうしても「中央目線」で歴史を追いかけることになり、権力側に「蛮族とされてしまった側」の生き方・感じ方に想いを馳せるな~んていうことはなかなかできなかった(それは KiKi だけかもしれないけれど)けれど、こういう物語を読むことによって自分と寸分たがわぬ「普通の人々」の生きざまに多くのことを考えさせられます
(全文はブログにて) -
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勾玉3部作の3作目。スッキリきっちり完結で読後感が良かった。
苑上、たくましくて思いやりがあって、大好きなキャラだった。武蔵出身の友人とのやりとりも、心温まる。 -
三部作のうちの最後は、長岡京。
この辺りになると少しばかり歴史上でもいくつか記述を読んだことがあるので、なんとなく背景がわかってきました。
前二作ほど恋愛モードはないものの、ヒロインもかわいい。
読み終わって、この方の物語の美しさをしみじみと感じます。 -
武蔵に行ってみたくなった。