仏教・神道・儒教集中講座

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  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198620202

感想・レビュー・書評

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  • 仏教・神道・儒教について、講義形式で述べられ、スッと頭に入りやすい。

    神道(日本人が古来から持つ宗教感)について、聖徳太子の十七条憲法を引用し、仏教や天皇よりも「和」に重きを持つ思想と述べられている。
    「和」を貴う為、物言わず。優れ秀でたモノに対し、自然現象や獣、敵方にも敵意を向けず、崇め奉る信仰を持つ。
    (※国家神道は明治以降の国家戦略である為、省く)

    「和」の精神から新しいものと対立を避け、「仏教」「儒教」を日本的なものに作り変えてしまうという逞しさを「ビーフカレー」に喩えて述べられ、大変面白かった。
    (※多くの日本人はカレーの本場をインド、肉類を牛肉と考えるが、インドでは宗教的理由から牛は食べない。)

  • ずいぶんと以前に読んだことがあったが、本棚整理で出てきて再度読んでみた。
    あらためて勉強になる。
    言霊信仰故に、起こって欲しくないことは言うべきでないという考えになり、外国が侵略してきたら〜という問いかけも不吉だから言挙げすべきでないということなり、危機管理ができない、という論には思いあたる節があり、うならされた。
    もう一度読みたくなる本。

  • 日本人とは何か、中国人、韓国人の考えかた、歴史観が根本から、ストンと理解出来るようになる一冊。興味深く読ませてもらいました。
    孝に関する話はすごかった。親のためなら、自分の子供を殺してしまうんですね。

  • 日本では信長が政治に口出す宗教勢力を徹底的に排除したことによって、政教分離が確立されました。だから日本は、あまり宗教を考えなくてもよくなったのです。
    日本では織田信長の時代に政教分離が確立し、続く徳川政府が檀家制度を作ったことによって、宗教は完全に国家の統制下に置かれました。自由競走がなくなれば各宗派の布教の情熱もそがれます。その結果人々が宗教と接するには、基本的には、葬儀の時にお寺に行くのと、後は初詣の時に神社に行く程度となりました。
    浄土宗は口称念仏で、浄土教は観念念仏なので両者は違うのです。
    姓とは、自分がどこの血統に属しているのかを表しています。住んでいる地名を姓の代わりに使うようになります。それが苗字です。
    日本人がキリスト教を受け入れなかったのは、根本的に受け入れられない何かがキリスト教原理の中にあったからです。そして、それは何かと言うと、私は一神教だと言うことだと思います。

  • 日本人は多かれ少なかれ、神道、儒教や仏教の影響を受け手いる。宗教というよりは生活習慣に近いものだが、現代でも脈々と受け継がれてきている。
    それを再確認できた一冊。

  • 仏教集中講座
    折り紙とビーフカレーの国・日本における仏教の変容
    神道集中講座
    「和」と「穢れ」と「言霊」と
    神道の無自覚な信徒たる日本人
    儒教集中講座
    「儒教の毒」と儒教の国「中国・韓国・北朝鮮」

  • 台湾に旅行に行った時。
    本を日本から持っていかなかったから、寝る前にホテルの枕元に置いてあった本を読んだ。

    それが仏教の本で。

    とても興味深かったので、図書館で借りてきた。

    お釈迦様のお話とか。
    人間が死んだあとの考え方とか。

    人間はあらゆることに執着し、それゆえ苦しみが生まれる。
    諸行(すべての現象、すべての実体)は無常であるということを、確実に認識するということが大事である。
    と書いてありました。

    何とも。
    ごもっとも。
    とても、自然に読めました。
    これらの、考え方というか教えは、もしかしたら私に合っているのかもしれません。

  • 日本人は宗教を軽視し過ぎって言うのは本当にそうだよね。

    でもこれはいつもの論調とあまり変わらないので、『ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座』の方が読んでみたいなあ。

  • 違いが分かります!!


    違いの分かる男は大人の男・・・。
    というのが趣旨ではなく、

    日本人のいいとこ取りというのか
    混在・和の思想によって、日本人が形作られてきたことを学ぶべし。

  • 他者を知るために自己を知ることは有用であり、そのひとつとして宗教学を選んでみたわけだけど、神道という名の無宗教を暗黙のうちに成立させている日本人をこういう視点で見直すととっても面白くまた喜ばしい。あと近隣の国々の宗教事情も。宗教は国民集団だけでなく国民個々のキャラクターを形成する根源のひとつなのだから知るべきだと思う。

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著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社。報道局在職中の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後、執筆活動に専念。独自の歴史観からテーマに斬り込む作品で多くのファンをつかむ。著書は『逆説の日本史』シリーズ(小学館)、『英傑の日本史』『動乱の日本史』シリーズ、『天皇の日本史』、『お金の日本史 和同開珎から渋沢栄一まで』『お金の日本史 近現代編』(いずれもKADOKAWA)など多数。

「2023年 『絶対に民主化しない中国の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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