- Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198634537
作品紹介・あらすじ
なぜ円が買われるのか?通貨の裏側に隠された本当のこと。
感想・レビュー・書評
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日本国債に関して財務省は
外国向けには
1.日本は経常黒字国である
2.日本は巨額な対外純資産を持っている
3.日本は巨額の外貨準備高を持っている
4.発行する国債を自国民で95%消化している
5.日本国債は円建て債券である
ということを理由にデフォルトしないと説明。
(ただし、10年前のもの)
で、国内向けには、消費税を上げないと日本国債は大変なことになると脅しをかける。
ダブル・スタンダードというより二枚舌...詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ハイパーインフレはお札の刷りすぎだけでは起きず、物資の不足が必要。モノがあふれかえっている日本では起きようがない。
ただし、円安でインフレになる。150円は警戒レベル。
100円は好ましい円高。130~140円でも大丈夫。
物価上昇率が違うのでだんだん円高方向に推移する。 -
サムスンが売れると日本も儲かる。が知れてちょっとスッキリ。
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2013.2.19 再読
金融緩和とシェール革命が、世界経済に与える影響について、もう少し突っ込んだ話を知りたい。次のバブルの生成と崩壊についても、もう少し考えるデータを与えて欲しい。「実は世界№1の日本経済」も読みたくなりました。 -
2013/1/9 読了
読みやすい。変な色が感じられないのが、良い -
一時期よりは減った感を受けますが、いまだに日本経済は危ないとか財政破綻すると言っている人がいます。確かに日本にも問題はあるとは思いますが、これほど円高が続いているのは、日本の円が世界で買われているからだと主張しているこの本の著者(岩本女史)の考えは理解しやすいです。
特に、ヘッジファンドはレバレッジをかけて運用(7億ドル相当)しているが、100倍でも0.76%の規模、これで700兆円の国債市場を売り崩すのは無理がある(p49)という指摘は、実際に仕事をされてきた方のコメントとして説得力がありました。
また、いわゆる1000兆円の借金と言われている政府債務について、区分を行った上で、本当に心配すべき額(特例国債:400兆円)を明示してくれた点(p61)は良かったです。
以下は気になったポイントです。
・日本国内で資金の融通をし合っても日本国内で使いきれないお金(余剰金額)が2011年末で253兆円になった、これは21年間連続して世界一(p25)
・世界一の債権国の立場を維持している日本は今、他のどの国よりも経済破綻しにくい(p27)
・超長期の動向を見るとイギリスは対GDP比の政府の債務残高が250%を超えた時期があり、それでもイギリスは財政破綻をしていない(p28)
・日本は2000年頃から貿易収支と所得収支が接近し始めて、2005年以降は逆転、今では大幅に所得収支が上待っている(p36)
・日本の貯蓄率は低下していると言われているが、1997-2011年末にかけて金融機関の総預金額は、444→584兆円に増えている(p45)
・総預金と貸出金が逆転した2000年以降、安全資産である日本国債が全国の金融機関の投資先として選好されてきた(p46)
・国債は国内からの資金で92%賄われているが、これが30-40%にならないと海外投資家からの売り圧力は発声しない、これを下げるには、日本国民が一斉に預金を引き出して、タンス預金にするか外貨預金をする必要がある(p51)
・1%金利が上がると、1000兆円の利息がどうなるか、2%になるのは今後新規に発行される国債利率のみ、普通国債残高:669兆円のうち、変動国債分は52兆円程度であり、全発行残高の1割程度しか影響を受けない、割引国債を含めても90兆円、市場金利に影響を受けるのは全体の15%(p55)
・日本の金融機関は、満期保有目的の債券に関しては時価評価をしなくて良いという免責があるので、国債価格が下落しても損は出ない(p58)
・政府債務の合計:960兆円の内訳は、内国債:789、借入金:54、政府短期証券:117兆円、内国債は建設国債(247)と特例国債(425)で構成される。政府短期証券は殆どがドル資産があると考えるべきで、返済できるかを考える必要があるのは、特例国債の425兆円(p62)
・日本政府の債務残高のGDP比較は大きいが、財政収支の国際比較ではアメリカ、イギリスよりも良い状態(p77)
・消費税を納められない中小企業は全体の5割になるのに対して、「輸出戻し税」によって全体で3兆円、増税後は6兆円もの資金が還付される(p88)
・2010,2011年を比較すると、原油は2兆円増加の11.9兆円、天然ガスは1.8兆円増加の5.4兆円、数量は原油は209MKL(2.4%マイナス)、83MKL(17.9%プラス)である、円高のお蔭でこの程度の負担増加で済んだ(p99)
・バフェットレターに、超硬工具メーカのタンガロイが2011年に史上最高益を上げたことが勝書かれていた(p101)
・韓国の対外債務(3983億ドル@2011)は、外貨準備高(3042億ドル)よりも多く、通貨安政策は対外債務を増やす効果となり、国全体としては良くない(p105)
・韓国からの資金流出防止のため、2011年日銀は5兆円のスワップラインを設定した、これは日本の中小企業を守るために、日銀が円資金を、財務省はドル資金を融通したことになる(p106)
・1947年以降にアメリカ大統領の再選が2期までとなってから再選した大統領4人において、再選後は通貨政策が全く変わっているのが特徴、つまり今後はドル高になる(p119)
・ボルカー・ルールが導入されると、商業銀行はヘッジファンドには貸し付けができなくなるので、ヘッジ・ファンドはこれから衰退するだろう(p128)
・ドルの一部を金の裏付けとする「部分金本位制」の導入のほうが現実的、その場合、1トロイオンス=3000ドルになっても不思議ではない(p141,143)
・2011年に起きたアメリカ連邦政府の債務上限引き上げの問題の際に、政府が資金不足ならば保有する金を売却するという手段もあったのに、その素振りも見せなかった(p143)
・ドルが金部分本位制になると、各国通貨もそれぞれ金に固定される、これには2030年頃までかかるだろう(p144)
・ドイツは今回の欧州債務危機(=ユーロ安)の恩恵を最も受けている、ギリシア危機が早期に解決してユーロ高になったなら、ドイツの好景気はなかった(p151)
・ギリシアをユーロに入れたのは、ロシアと接しているギリシアをどうしても取り込みたかったという重大な地政学的動機がある、トルコも同様(p158)
・ドイツの引き延ばし戦略は、もしかしたら資本主義最後のバブル末期2016年において、ポンドやデンマーククローネを参加させてユーロ再編もあり得る(p159)
・2012年7月に突如として出てきたLIBOR問題、これによりロンドンは金融センターの地位から完全に失墜したことになる(p160)
・現在の円水準(2011.7)は実効レートで考えると、サブプライムバブルが形成された2002.9の120円台、1997年のアジア通貨危機の130-140円台と同様の円安水準である(p169)
・中国の2回目のインフレは1994年、1ドル=5人民元を8元に切り下げたこと、輸出には都合が良いが、輸入品価格を上昇させてインフレとなった、その後、2005-2007年の約2年間で、8.11→6.83元まで元高となった(p174)
・最近では100円ショップで日本製のものが目立つ、中国の人件費は年々上昇していて、もはや世界の工場として低賃金労働を提供できる状態ではない(p180)
・民主党政権発足以来、16兆円ものドル買い・円売りをしても円高に戻ってしまう要因としては、総体的な円の水準がまだまだ円安だから(p171)
・2012.6に、東京と上海の外国為替市場で、日本円と中国人民元の直接取引を開始することを明らかにした、米ドルを介した取引を変更(p182)
・アメリカの対中直接投資減少の理由は、高騰する労働賃金、2008年から労働者の権利をかさ上げした労働契約法の施行、外資企業に対する優遇税制の廃止、2012年に国内企業と統一(p184)
・バブルが崩壊する過程では、円高のほうに振れていくのが予測になる(p219)
・高金利通貨と低金利通貨が混在する為替の世界では、必ず調整(金利差は為替レートで調整)されるが、それがいつかはわからない(p232)
・1930年代に中国華中地域でハイパーインフレが起きているが、当時華中を占領していた日本陸軍の物資流通網が分断されたためで、軍票の刷りすぎでないことが判明した(p239)
2012年12月12日作成 -
日経新聞をはじめ、マスコミは悲観すぎる!もっと日本は自信を持っていいのに。為替介入は(円の調達のため)国の借金を増やすだけで、アメリカの国債を買ってあげるだけで、全く意味がないのね。何兆円も使ってアホらしい!
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■財政
A.日本の財政が破綻するとの見方がある。
だが、日本の対外純資産高は21年連続世界一である。
このことから、日本は最も経済破綻しにくい国といえる。 -
どの経済誌読んでも自虐的センセーショナルな論調が多いから、なんかとても新鮮!
データも多く、文章も論理的。 -
連載を加筆したとの事だが、全く完成度が高い本でした。
筆者独特のデーター分析からみた「本当は何が起きているのか」を書いています。
そうだったのか…と思う箇所が多数あり、勉強になりました。
筆者の日本に対する強い思いが伝わり、経済の予想本とは一線を画した読後感のとても良い本でした。