- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198635091
感想・レビュー・書評
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福島の事故と沖縄の問題を同時に考える本。
アメリカからの独立的な意味で共感できるところはあるのですが、その準備もしなければいけないし、原発反対するにしても、エネルギー問題自体を適切に考えているのか疑問があったりもしました。
なんとなく、こんな考えもあるのかくらいで、流し読みしてしまいました。
(以上、ブログ全文です。)
ブログはこちら。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4409160.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一見無関係に見える沖縄と福島を考えた論考だが、広井さんの「定常型社会」という発想に魅力を感じた.元福島県知事の佐藤さんはいろいろな修羅場を乗り越えてきたので、発言に重みがあると思った.
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沖縄の米軍基地と福島の原発という、およそ40年前からつづく地方への押し付け問題について、沖縄タイムズ論説委員によるさまざまな論者へのインタビュー集。当事者性をどうもつか、そして地方はかならずしも押し付けられただけ、というわけではないことといった共通項がある一方、「脱原発」は前向きにイメージできても、「脱米軍」はイメージできない、というのは、当事者でなくてもそうかもしれない。自然エネルギーにおいても原発と同じ構造が起こるという警鐘もある。
偽東京をあちこちに作ろう、という流れでは何も変わらない。けれど、制度設計の失敗ではなくて、国民の公民意識の未成熟ぶりが原因だと内田樹さんはいう。さもありなん、自分に当事者性と成熟があるか自問すれば。 -
2012最後の一冊。
僕らの世代はほとんど政治なんて当てにしていないし、絶望していると思う。でもそこで思考を停止してはいけない。考えろ、考えないと死ぬぞ。学べ、学ばないと死ぬぞ。
そんなことを思った今年。
最後の一冊。 -
小熊英二さんの語りから感じられる自信はどこからくるのだろう。原発に関しては、政権が代わり(インタビュー時は前の政権)、軌道修正が明らかになってきた中でも同じ調子で意見を述べるのだろうか。
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沖縄が返還されてから40年、福島第一原発一号機が稼働を始めてから41年という年月が経って、その地でどのようなことが起こってきたのかをこの本を読むまで、ほとんど知らずに生きてきたのであって、それはまさしく多くの日本人(沖縄・福島の人を除く)の姿であるのかも知れない(自己を弁護するつもりではない)。かように、私たちは他の人々の苦しみに無関心であり、また他の人々の犠牲のうえに生活が支えられていることにさえ無自覚に生きているのである。でも、当事者の気持ちになることのなんと困難なことか!
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沖縄タイムス”国策を問う”という対談記事をまとめたもの。オモニバス版と言っていい。沖縄と福島というキーワードから、8人のインタビューが収録されている。
内田樹と開沼博が特に良かった。
内田は、”日本辺境論”の内容を想像していたが、2009年に書かれたそれより、はるかに国家的危機意識が進んでいると感じた。”成長信仰”から抜けだし、人口減少による縮小経済といかに向き合うか。ダウンサイジングをいかに進めていくか。脱原発を選択するには、成長無き国家戦略が提示されなければいけいない。それには、根源的な豊かさの追求が置き去りにされていると指摘する。
開沼はまだ20代とは確かに思えない。原発誘致と過疎の問題、それは割り切れない意識が含まれる。AかBか、簡単には結論が出ないはずだが、当事者性を欠いた人には、”正しい”ことを平気で言えてしまう。
この国のことは、もはや他人事では済まされない。公民性、当事者性を一人一人がいかに育てるかが大切だと改めて思う。 -
2012年、選挙前にこの本を読んでいて本当に良かった。
少なくとも、政治に対して自分の考えの方向性を見いだすのに
ピンポイントで、論客の意見を受け取ることができた。
この選挙後にどういう政策で世の中が動いていくのか、
注目し続けなければいけない、「今」が一番「その時」であると感じた。
この本では8名(内田樹さん、小熊英二さん、開沼博さん、佐藤栄佐久さん、佐野眞一さん、清水修二さん、広井良典さん、辺見庸さん)がインタビューに答えているが、
お一人お一人の考え全てが一致してないにしても、根底にある意識は共通している。
それに対する、インタビュアーで現在沖縄タイムス社の特別報道チーム兼論説委員であるという渡辺豪さんの鋭い質問と切り返しが秀逸だった。
本の中で印象深い文章ががたくさんでてきたけれど、
一番心に残っている場面は、福島県の立ち入り禁止エリアである
夜の森公園の写真だった。
ほかに人がいないなかに佐野さんとスタッフだけが白い防護服を着て写っていて、満開の桜並木に包まれている。
佐野眞一さんは「沈黙の春」と表現され、「来年以降もおそらく見る者が誰もいない中、桜が咲き誇っていくんだろう・・・そこに原発事故を最も象徴する『何か』を感じ取りましたね。」と仰っていた。
タイトルは「この国はどこで間違えたのか」という過去形の問題を提起し、
その目的は未来に対して「個」がどうかかわっていくかというのが
この本の本題だと思う。
私も掲げられている問題に関わっていこうと思った。 -
福島、沖縄から、日本の様々な軋轢を見つめる。同じ事象を扱っていても、各専門家の専門領域が違うだけで、こんなにも違う世界がみえるものかと感動した。また、福島・沖縄から、本当に問題なのは、日本の政治、国民の「当事者意識の欠如」なのではないかと思った。
とにかく、論客たちのいいとこどりなので、読んでみたらいいと思う。