ついに中国で始まった大崩壊の真実: 急落する経済と社会混乱の実態を現地から衝撃報告

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198639778

作品紹介・あらすじ

2015年7月の株式大暴落が引き金となり、崩壊と混乱へと向かっている中国の実態を、現地ジャーナリストが赤裸々に暴く! 不動産会社の倒産、金融商品のデフォルトが次々と起き、物々交換の町までもが出現。年金崩壊、無法社会が深刻化する一方、新シルクロード構想やAIIBにより覇権主義を推し進めようとする習近平政権の思惑、反日政策の生々しい現状などをレポートする。いま中国で何が起こり、これからどうなるのかを知るための必読の一冊!

感想・レビュー・書評

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  • この本は昨年末(2016)の大掃除で部屋の片隅で、埃を被っていたものを見つけたものです。読んだのが一昨年末、1年以上経過しているので、ここで書かれている予想されている事が実際にどうなっているのかを確認できれば良いと思います。

    私の探し方が悪いのかもしれませんが、中国崩壊というタイトルの本は多く見かけるのですが、その反対の本は以前と異なって見かけなくなっています。本当に中国が崩壊に向かっているのか、実際に中国によく行っている人や、会社の同僚達の様子を見ていると違和感を感じます。今年も中国には目を離せないですね。

    以下は気になったポイントです。

    ・浙江省の温州市の不動産価格が2013年になって暴落し始めた、数か月で価格が半値を割り込んだ。資金繰りに苦しんだ多くの企業が投資で買い溜めしていた不動産を安値で叩き売ったから(p17)

    ・2020年以降、中国の成長率は4%しかないという予測を公表した、これは40年前の生活水準に逆戻りするということ。先進国は、すでに社会インフラがよく整備され、巨額の富の蓄積があり、社会福祉と社会保障が充実しているので、成長率がゆるやかでも問題ない(p21)

    ・1995年に小学校が67万校があったが、2012年には23万校に減った、毎年2.6万が閉鎖されている、毎年48万人の生徒が減っている(p24)

    ・習近平の右腕として活躍してきた、王岐山は反腐敗キャンペーンで、第18回党大会から2014年11月の2年間で、18万人を腐敗問題で摘発している(p31)

    ・2020年から実施予定の炭素税がアメリカで導入されると、中国の輸出企業は想像以上の打撃をうけるだろう(p40)

    ・2013年の中国の総人口は13.5億人で、都市部人口は7.1億人、2020年に都市部人口を60%にする(都市部と農村部の二元構造を消滅する)には、あと数年で都市部の人口を1.3億人増やす必要がある(p42)

    ・中国の外貨準備が減少している、そのため海外からの借金で穴埋めしている、BIS統計では、銀行融資で年間2700億ドル、債券で1656億ドル海外から借りている(p45)

    ・中国には22の省、4つの直轄市、2つの特別行政区(香港、マカオ)、5つの自治区、2856の県、4万906の鎮と郷がある。(p58)

    ・住宅の空室率が高くなった原因は、1)住宅価格が高すぎて一般庶民に変えない、土地使用料が高い、地方政府の財政収入の6-7割が土地譲渡金に頼っている、2)役人の腐敗、役人が不動産業者と結託して物件を安く買いだめして高く転売しているから(p67)

    ・中国での超高層ビルで、完成したのは470、建設中323、建設予定516、2022年には1318棟になり、アメリカの2.3倍となる(p71)

    ・無効GDP(帳面上は記載されているが、実際には消えている)は、全体の20-30%を占めるとされた(p74)

    ・1994年以降は、地方政府は収益の50%を納めなければならなくなった、同時に地方債の発行が原則禁止となった(p76)

    ・2013年には中国の年金の原資不足は、18.3兆元=GDPの3分の1と報告された。2015年から生産年人口が急速に減少し、毎年400万人の労働力が失われる(p78、82)

    ・中国には大小含めて、11万社前後の国有企業があるが、利益をあげているのは10社のみ。民間企業は1000万社、自営業は4000万人、70%は民間企業でGDPのほとんどを創出している(p82)

    ・中国の公務員は、1000万人、事業単位=準公務員は、6000万人いる、彼らは年金保険金を納付していないが、一般国民よりも多額の年金がもらえる、年金制度が実施された1998年から彼らが納付したら、2050年までに約70兆元が蓄積する(p83、84)

    ・2010年に中国のGDPは2位になったが、一人当たりのGDPで中国より貧しい国は、110ある、世界の半分以上の国々は中国より労働力コストが安い(p95)

    ・1998年当時、中央政府は財政収入の2年分をつぎこみ、通信・電力・鉄道・エネルギー・軍事産業・石油・金融・運輸・たばこ・医療・出版・道路・水などの国有企業に独占経営権を与えたが、総資産額99兆元に対して、負債額70兆元、総資産利益率は3.05%(上場企業の平均:9.38%)である(p104)

    ・フォーチュン500に選ばれている中国企業は、独占経営権を握る、中央政府系企業が多い。外国企業は殆どが民間企業(p107)

    ・TPPへの加入は、すでに加入している全メンバーの承諾が必要、TPP加盟国であるベトナムは中国を認めないだろう(p148)

    2017年1月3日作成

  • 2016/02/03:読了
     特に新しい情報は無い。

  • 中国の経済の破綻具合や政治の腐敗具合、覇権主義的政策などなど、突っ込んで書かれているが、かなり偏った感も。
    中国のお偉いさんはえらくエロいとか、、どうでもいいといえばいい話が多いのも気になります。



    目次
    第1章 中国経済はもう終わっている
    第2章 いま中国社会で起きている悲惨な現実
    第3章 役人にむしり取られる中国人民の悲哀
    第4章 中国の新たな覇権構想の実態
    第5章 中国は永遠に先進国になれない
    第6章 反日に頓挫した中国は日本にすり寄る

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  • 本の紹介どおり、日本では報じられない中国の現実が書かれてある。
    内容は、
    第1章 中国経済はもう終わっている
    第2章 いま中国社会で起きている悲惨な現実
    第3章 役人にむしり取られる中国人の悲哀
    第4章 中国の新たな覇権構想の実態
    第5章 中国は永遠に先進国になれない
    第6章 反日に頓挫した中国は日本にすり寄る

    1955年上海生まれで、慶応、東京外大で学び、日本企業に10年務めた著者が書いたもの。
    我々の知らない中国人の行動パターンの一部が知れて面白い内容でした。

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著者プロフィール

1955年中国上海生まれ、上海外国語大学日本語科卒業。1985年に来日し、慶應義塾大学および東京外国語大学で学んだ後、日本企業で10年間勤務する。現在、中国と日本の間で出版や映像プロデューサーとして幅広く活動中。著書に『中国五千年性の文化史』(徳間文庫)、『ここがダメだよ中国人!』『中国大動乱の結末』(徳間書店)、『中国セックス文化大革命』(新潮社)、『チャイニーズ・レポート』(宝島社)など多数。

「2019年 『中国でいま何が起きているのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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