身体的物語論

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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198640132

作品紹介・あらすじ

2016年5月に逝去した世界的演出家・蜷川幸雄。生前に彼が残した「身体」「物語」についての考察を書籍化。約60年の演劇人生のなかで、日本人の現代性を象徴する俳優たちの身体を見つめてきた。蜷川が俳優の身体を語ることは時代を語ることであり、人間存在の本質を考察することでもある。雑誌掲載されたものを再編集し、本書だけに語った語り下ろしインタビューを掲載した。構成・木俣冬による関係者らの証言を集めたレポートも併録。

感想・レビュー・書評

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  • 演出家・蜷川幸雄の晩年のエッセーと談話。

    1章は過去に『マグナカルタ』という雑誌に掲載された(おそらく)エッセー。
    2, 3章はインタビューや談話。
    4章は、木俣冬さんによる蜷川幸雄の人生の振り返り?(ぼくにはちょっと難しく、いまいち内容がわからなかった)。

    もっともよかった節は、第1章の「演劇こそが世界をまるごと表現できる」。

    そもそも、この本を手に取ったきっかけは、いくつか舞台を見ながら「演劇の本質って身体だよね」と思ったことだった。この本の著者蜷川幸雄も、身体をすごく大事にしているようで、女優宮沢りえのよさも「新しい狂気の身体」との出会いだと表現していたりする。

    「絵をやっていた頃のぼくは、自分の生理とタブローが一致せず、どんなにギューッと描きつけても、ただ汚い絵しかできないことに悩んできましたが、演劇だったら、走ったら一発で生理が表現できると思って、演劇に興味を持ちました。」

    「演劇は、俳優がいきなり、ウアーッと客席を走り回ったら、それだけで生々しいものが生まれるんです。」

    演劇は、俳優の身体を介して〈生〉を表現できる。日本を代表する演出家がそういったことを述べているのを拝見し、少し嬉しくなった次第だ。

    あと、蜷川幸雄はやはりいろんな作品を知っていて、話の中にたくさん作品名が出てくるので、それに圧倒されるのもこの本の楽しみ方かもしれない。

  • 蜷川さんの考える演劇とはが所々書かれていた。あとは俳優の話。蜷川さんの演出を生で観れないまま亡くなって後悔してる

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著者プロフィール

1987年芸術選奨文部大臣賞『テンペスト』。1996年第4回読売演劇大賞最優秀演出家賞、1999年第41回毎日芸術賞、第70回朝日賞、2000年、第35回紀伊國屋演劇賞個人賞、第8階読売演劇大賞・最優秀演出家賞。

「2019年 『蜷川幸雄と「蜷の綿」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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