- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198645076
作品紹介・あらすじ
明大前駅から徒歩18分のところにある「ティラミスハウス」。その名にまったく似合わない古い木造長屋のシェアハウスに住む女たちは、それぞれ事情を抱えていた。貧困、生活保護、シングルマザー、ネグレクト、外国人実習制度――。ひっそりと息を詰めながらも、懸命に生きる彼女たちの本音とは。持たざる者たちの生きづらい現状と、その先にある希望を描いた問題作。R‐18文学賞出身の気鋭が、現代社会のリアルに迫る。
感想・レビュー・書評
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日本はいつからこんなに貧困大国になってしまったのでしょう。虐待、DV、生活保護、技能研修生など、様々な困難を抱える女性たちが暮らすドミトリーが舞台です。
ただ、もう少し一人ひとりを掘り下げてほしかったかな。一応知っていることをなぞっただけという感は否めない。
今も助けを求めている人たちはたくさんいるのだということだけは忘れないでいたいです。 -
女性専用のシェアハウスに住む住人の苦悩。
地元に戻れない男にもあっけなく振られ行き場のない樹。
売れない劇団員だけどシェアハウスでは仕切り役になろうとする風香。
生活保護を受けることにした無愛想なさくら。
中国から外国人技能実習生としてやってきたが逃げてきたウェイ。
夫と姑から息子を取り戻すために必死で働く好美。
シェアハウスの不動産で働く生い立ちが複雑な雛。
貧困がすべてを不幸にしていく。
違法シェアハウスでバラバラに散っていった住人たち。
これが現実か。。。
貧困層の家庭に生まれた人は貧困から抜け出せないの。。。 -
女性専用シェアハウス「ティラミスハウス」の住人ひとりひとりが主人公の連作ストーリー。住人みんなに、社会福祉士のテキストに登場しそうな事情があって、読んでて明るい気持ちになれる話ではないのに、一気に読み終えてしまった。雑然として掃除が行き届いていないハウスが描写されていて、生活に苦しい人たちのシェアハウスならモノが少ないのではと思いがちだけど、そういった取捨選択が難しくなるほど精神的に追い込まれているのだなとも感じた。
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シェアハウスと聞くと楽しそうで明るいイメージがあるので楽しいストーリーかと思ったら社会派小説でした。貧困、DV、生活保護、外国人…いろいろな問題がある女性を取り上げた連作短編集。ちょっとびっくりする内容でした。