佐藤優「情報読解」の私塾 青版: アメリカ、ロシア、欧州、中東の臨界点・篇

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198648121

作品紹介・あらすじ

『赤版』に続くエリアスタディ連続刊行。この一冊で米・露・欧州・中東の大変かがわかる。
・米朝関係を軟着陸させる「北の核保有容認」とは
・日本に兵器を売りつけるトランプの思惑とは
・ロシアの反日勢力懐柔には誰と接触すべきか
・英国のEU離脱が日本の国家統合を揺るがす
・中東和平に日本が首を突っ込むのはなぜ危険か(本書より)
佐藤優が実践から教える、大国の目論見の見抜き方!

感想・レビュー・書評

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  • 2020年、39冊目です。

    同じタイトルで「赤版」と「青版」があります。
    今回読んだのは、「青版」です。この本では、アメリカ、ロシア、欧州、中東地域の国際情勢に関するインテリジェンスを佐藤優が解説している本です。

    説明のために、使われてる情報は、公式な情報ばかりです。
    いわゆるスパイのような相手国の重要機密を得ることを前提にしているわけではありません。関係者が発した情報や対応を精緻に分析して、そこから相手の意図を如何に読み取れるかがインテリジェンス能力だと説いています。

  • 先日『赤版: 日本、北朝鮮、韓国、中国の転換点・篇』を読みました。
    二冊通して、ロシアが秀逸。
    この件について佐藤優さんの右に出る者はいないでしょう。

    昨日のニュースにこういうのがありました。
    〈日本維新の会の片山虎之助共同代表は17日、ロシア大使館でガルージン駐日大使と会談し、丸山穂高衆院議員(維新が除名)が北方領土返還に関連して戦争に言及した問題について陳謝した。ガルージン氏は「戦争という言葉、ロシアの混乱を望むようなことは非常に不快」と述べたという。

     維新側によると、片山氏は「維新はそういう考え方に基づいてロシアとの関係を考えていない」と釈明。その後、日ロの友好関係の重要性について確認し合ったという。

     片山氏は会談後、「大使は『酒を飲んだからということで言い訳にはならない、というロシアのことわざがある』と言っていた。大変な不快感を持っていることは事実だ」と記者団に語った〉(朝日新聞デジタル)

    これを読んで、「あ!ガルージン!知ってる!」と思った私。
    なぜなら佐藤優さんが、ガルージンが駐日大使になったとき、いろいろ解説していたから。
    でも私が気に入っているのはここ。すみません。

    〈ガルージン氏が駐日大使として赴任することで、東京を舞台に水面下での北方領土交渉が加速すると思う。

    ところで、ガルージン氏が日本に勤務することで怯えているのが、松田邦紀在香港日本総領事(当時。現・駐パキスタン大使)と思う。
    松田氏は、ロシア課の首席事務官を務めていたときに「ガルージン参事官と会食」という名目で決裁書を書き、実際には愛人との飲食に使っていた。
    ここで支出されていたのは機密費だ。
    当時、筆者は松田氏の部下からこの事実を聞いて戦慄した〉

    毎週読みたい週刊アサヒ芸能・連載
    「ニッポン有事!」

  • 東2法経図・6F開架:KW/2019//K

  • ここ3年くらいの世界情勢が、佐藤氏ならではの踏み込んだ分析でまとめられている。

    1つ1つの事象に対し論評しているため例えばトランプ大統領への評価が二転三転することがあるが、
    一元的に評価するのではなく個別の成果や行動に対し冷静に分析されている点がよい。

    もちろん、あくまで佐藤優という方のフィルターを通したもので偏りはある。ここでも多角的な視点を持って、情報と対峙することが求められるがとっかかりとしてはよい1冊ではなかろうか。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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