CF

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198654788

感想・レビュー・書評

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  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1412070

  • 古くは敗戦直後の一億総懺悔から、流行りの「職務を全うすることで責任を果たしていく所存」式の、もはや責任とさえ言っておけば何でもアリの現状に至るまで、実は日本人って「責任」の意味がよくわかってないんじゃないの?という隠されたツボを、実にいい具合についている。

  • まず、理性的な小説であることに驚き。著者が理性的でないとは思わないけど、「そんなにも人間性を否定したいですか?」と叫びたくなるような小説が多かったもので。
    で。責任を無化できるか? ということについて。最後のどんでん返しには目をむいたが、納得は出来る。ことこの国に関しては、充分あり得るかも? と思えてしまうところが、悲しいけれど正直なところだ。

  • 近未来のとんでも風味のSFなんだなと読み進め、登場人物たちのドス黒さ陰鬱さにうんざりして退屈していたら、予想外の終盤に背筋が寒くなった。色々と腑に落ちた。とても現実的なお話しだった。
    現実逃避。自己保身。自己欺瞞。。
    人間の心の弱さにつけ込んだ、総てがまやかしの詐欺商法、信じるものは救われるカルト商法、、、権力になあなあで流されやすい日本社会と日本人へのシニカルで冷笑的な寓話にも思えた。

  • 吉村萬壱さんらしくもない感じだった。
    「責任という虚構」を小説で見せようとしてくれているんだろうな、と期待して読み進めたのだけれども、特に新しい視点を感じることもできず、中途半端にさらりと終わってしまった。

    ふと気づいたが、終わりの
    「そもそもこの国自体が、詐欺なのだった。
     が、国民は低いレベルで概ね幸せである。」
    が、矮小さを象徴しているのではないだろうか。

    国、国民、とかという話に着地するのではなく、社会、人の世、人というもの、まで敷衍すべきテーマなのではないだろうか。
    その射程の短さが、この小説が、いつになく矮小に、つまらなく感じられる原因なのかもしれない。

  • 「そもそもこの国自体が、詐欺なのだった。
    が、国民は低いレベルで概ね幸せである。」

    最後の2行ですべてを回収してしまう
    なんとも恐ろしい小説。
    さらに言えばこれが
    現在の日本を見事に言い当てている
    という事実。

    恐ろしい。
    苦しい。
    もやもやする。

    善とは何か?
    いや、悪とは?
    罪とは?
    償うとは?

    考えでも考えても出ない答えを
    うやむやにごまかし
    まやかし
    生きてゆく国、日本。

  • 好みが分かれそうな話だな〜と思ったしわたしにはあんまり刺さらなかったな〜
    責任を無化するっていう設定自体はすごく独特でおもしろいなと思うけど、微妙に設定を活かしきれていなかった気がする
    わたしは楽しい話とか平和な話が好きだからちょっと全編通してどんよりしてるな、、と思っちゃった

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著者プロフィール

1961年愛媛県生まれ、大阪府育ち。1997年、「国営巨大浴場の午後」で京都大学新聞社新人文学賞受賞。2001年、『クチュクチュバーン』で文學界新人賞受賞。2003年、『ハリガネムシ』で芥川賞受賞。2016年、『臣女』で島清恋愛文学賞受賞。 最新作に『出来事』(鳥影社)。

「2020年 『ひび割れた日常』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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