- Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198655037
作品紹介・あらすじ
『天使のかいかた』(日本絵本賞読者賞受賞)
『かりんちゃんと十五人のおひなさま』(野間児童文芸賞受賞)
『めいちゃんの500円玉』(小学館児童出版文化省受賞)
などで知られる、なかがわちひろの新作幼年童話。
昼間は、人間の先生が、町の動物たちを診察している動物病院は、
夜になると、山の動物たちの病院に変わります。
山の動物たちの病気やけがを、治しているのは、
ねこのとらまるです。
キツネ、リス、コウモリ…いろんな動物がやってきます。
さて、ある晩、とらまるのところへ、たいへんな患者がやってきて…?
全ページカラーの、楽しい幼年童話です。
感想・レビュー・書評
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町の外れ、深い山との境目にある小さくておんぼろな「まちの動物病院」。そこのまちの先生は、ボロボロの白衣を着ていつも居眠りをしていた。
そこで暮らす大きくて太った猫のとらまるは、まちの先生が寝たあとその動物病院を「やまの動物病院」として開き、山の動物たちの診察と治療をしていた。
そんなある日、田中さんが愛犬のジュリアが食事をしない上に自分は泊りがけの用事があるから一晩預かってほしいとやってくる。診察すると歯が抜けかけていた。ペンチで抜こうとすると田中さんは大反対。それでも、まちの先生が作ったドッグフードのおかゆもジュリアは食べなかった。
その晩開業したやまの動物病院の最初の患者は頭からガラス瓶が抜けなくなったカモだった。そのガラス瓶を抜くためにジュリアも協力するが……。
まちの先生ととらまるの動物病院の顛末を温かくコミカルに描いた幼年童話。
******* ここからはネタバレ *******
なんともかわいい猫の動物病院のお話です。
まちの先生が寝ている間だけ先生に内緒で開業している動物病院。
とらまるの診察手腕に驚きます。
それにしても、昼間はまちの先生の診察を見ながら学んで、夜は自分が診察するなんて、働き過ぎではないかと心配になってしまいます。
ジュリアの歯については、「引っ張る」ところで見え見えでしたが、それでも楽しく読むことができました。
絵に比べて字が小さいこと、文字がゴシック体だということに少し疑問は抱きますが、お話としては良いと思います。
お話大好きな低学年さんは喜ばれるのではないでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昼は町の動物病院、でも夜はちょっと変わった"やまの動物病院へ変身。
かわいいおはなし。 -
いいなあ!
お話も絵もどちらもとても良くて、絵はどなたが描いているのかなと表紙を見返したら文も絵も作者さんお一人でしてらして、どちらもこんなに上手いなんてどういうこと!ってなりました。
ほんとどういうこと!
読み終わって表紙の絵を見返すと、格好と表情にふふっと笑ってしまって、それはとても温かい気持ちで。
子どもたちにもぜひぜひお勧めしたい。 -
#やまの動物病院
#なかがわちひろ
#徳間書店
#児童書
#読了
へーそういうことね、ふふふと笑顔になる、そんな話でした。イラストもかわいい!動物と人間はうまくつきあえているのかな…あとがきも素敵でした。 -
まちの先生がのん気で宜しい。
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とても可愛くていい話でした。
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表紙のネコちゃんのイラストにまずやられました。媚びるところが全くない「大きくてふとっちょ」「足はみじかめで」「ほおひげが りっぱで、耳のさきっぽに、つんつんと 毛がはえてい」るトラネコちゃん。このネコが白衣を着て聴診器なんかかけている絵を見ただけで面白そう!と直感します。そう、このネコのキャラクターがまた私好み。昼間は寝ていることが多いけど、病院にやってきた患者さんを人間の「まちの先生」が治療する様子は片目でしっかり観察。先生が寝ている夜間だけ開くネコ先生の動物病院では、きりっとしててきぱき患者さんを治療していきます。デキるネコなんです。
そんなこと、人間の「まちの先生」もまちの人も何も気づいていませんけど、というお話。すばらしい絵をのんびり堪能しながらゆーっくりお話を読んでください。少し昔の山と町の境にあるおんぼろ小さな動物病院からあなたを癒やすそよ風が吹いてきますよ。 -
1.2年から。かこさとしさんを思わせるような愛嬌たっぷりな動物たち。漫画チックにならずに絵と文章量がとてもマッチしていて、動物病院の先生の診療と、飼ってるとらまるの診療がテンポよく出てくるのでとても良い。
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昼間は人間の先生が町の動物たちを診察している動物病院。でも夜になると飼い猫のとらまるが山の動物たちを診察する病院にこっそり変わる。昼間は人間の先生の診察を横目で見つつ昼寝するとらまる。ちゃっかり。ねこならあり得るこんな秘密。