- Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198912314
感想・レビュー・書評
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市立図書館で借りた本。
百人一首カルタを題材にしたミステリー。
おどろおどろしい怖いミステリー物は苦手なので、ちょっとほんわかした感じのこの話は好きでした。
ただ、百人一首を題材にしたミステリーということで読んだので、もう少し百人一首に引っ掛けた謎解きを期待していました。
日本語初心者のアメリカ娘キャサリンが謎解きをするんだから、百人一首をあんまり掘り下げたことは所詮無理ですよね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
元副大統領の娘と、その当時エスコートをしていた青年。
ちょっとほんわかムードだった彼らですが、今回…くっついてます?w
百人一首、焼身自殺に病院の謎。
何か違う話が入ってる? と思いきや
えらく事件は大きく膨らんで…。
当然犯人は最後まで分からずじまい。
言われて色々納得しましたけど。
図があっても、すぐに分からなかったですけど。
しかし事件よりも主人公カップル。
まさかこうも早く展開するとは。
そして百人一首の札。
それほど高いものがあるのか、と違う所に注目。
とりあえず、病院の書類…といいますか
学用患者には気をつけましょう。 -
名所旧跡の名前がついた「○○殺人事件」といったタイトルは、ただそれだけで敬遠してしまう癖があって、それこそ2時間サスペンスドラマの原作のようなものは、ちょっと読むに耐えないという偏見がある。今回この本を手に取ってみたのも、名探偵キャサリンに関してちょっと好意的な文章を読んだのがきっかけだったのだけど、予想通りがっくり来る部分と、案外いいじゃないかと思う部分とがあった。
ミステリとしては案外おもしろかった。謎が全体的に小粒すぎる感じはしたけれど、それはそれであって、なにもかも吹っ飛ぶようなダイナミックなトリックである必要はない。日常的なちょっとした仕掛けがうまく使われていてリアルな感じがした。ダイニング・メッセージを巡るちょっとした発想の転換はおもしろかった。ちょっとニコニコしてしまった。
逆にがっかりしたのは、キャサリンが案外俗っぽく書かれていること。魅力がない。それから、物語の広がり方が、なんというか密度を薄くしているのだ。ちょっと幽霊はやりすぎじゃないかな。広げたわりにあっさりしたラストだったし。
で、同じ作家のものをもうひとつ読むかと聞かれたら、読みそうな気がする。手軽な通俗的ミステリとして。確かにトリックなど含めて立派な作品なんだけど、なんかにおいが安っぽくて残念なのだ。
2005/8/3