殺人鬼フジコの衝動 限定版 【徳間文庫】 (徳間文庫 ま 19-2)
- 徳間書店 (2012年3月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198935399
感想・レビュー・書評
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気分悪くなりながら気になって読んじゃうパターン。
こわいー。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
お決まりの女性の一生の転落もの。不穏な感じが続くと、最悪の展開がすべて実現してしまい、主人公も周囲の人物も皆不幸になっていく。ミステリ的な種明かしが少しだけあるが、びっくりするようなものではない。
別冊の話も興味がそそられるようなものではなかった。 -
最初から最後まで全く心に響くものがなかった。 この作品で何を伝えたいのか解らない。 特別怖いわけでも特別可哀そうなわけでもなく。 この手の内容の本は沢山あるが読み手に読ませる文章力もない。 只淡々と読み終わった感じの本。
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次作のヒントが隠された新作短編「私は、フジコ」。再現ドラマで小さな役を裸も辞さず演じる元売れないアイドルで三十五歳のルミが、フジコの再現ドラマで主役を射止めるがお蔵入りしてしまう。酔った弾みの妊娠も抱える。「みんな邪魔」と思われる事件の登場が懐かしい。この短編のみだといまいち盛り上がれなかった。
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慣れると言うことは、罪悪感すら薄めてしまうことなのか?嫌だと思っていたものにいつのまにかなっている。運命は避けられないのかな?色々と考えさせられる内容でした。読みやすくてオススメです!
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初めて読んだ作家さん。
殺人鬼フジコの人生。読んでいてツラいし、グロいし、途中で読むのを止めようかと思った。だけど最後まで読んでしまった。「衝撃のあとがき」が読みたかったから。
子どもを虐待するシーンとか、いやいやこれは現実に起こった話じゃないし、って思わないと読めなかった。
でも、現実社会では似たような虐待って起こってるんだよね。
大人の責任なんだけど、その大人も子どもの頃の何かトラウマを抱えてたり。
でも、不幸な子ども時代を送ったとしても、それを克服して立派な大人になる人も多いと思う。
人はどの段階でも、もう少しずつ強くならないといけないのかな、一人で途方に暮れたときは誰かにSOSを求める事が大事なんじゃないかなって思った。
そんなに上手くいかないのが現実なのかもしれないけど。
人が幸せな人生を送るには、を考えるのに、それこそ反面教師になる小説でした。 -
聴いたこともない「夢見るシャンソン人形」という曲。
原曲の歌詞は悪意がたっぷりと詰まったものだったらしい。
作中で紹介される小説の元々のタイトルは「蝋人形、おがくず人形」。
可愛らしい外見の中身はおかくずしか詰まっていない・・・そんな意味が込められていたのかも。
では、フジコないったいどんな曲にあわせて踊っていたのか。
そしてその曲の真の演奏者は誰だったのか。
幸せとはいったい何だろう。結局、それは本人の心の問題なのだろう。
終盤、作中の小説は事実をもとに早季子が書いたものだとあきらかにされる。
後味の悪さを感じつつ、フジコのようにしか生きられなかった人生を思うとやりきれない。
近ごろではあきらかにファミリー層狙いの時間帯に放送されるドラマでさえ、「サイコパス」という言葉が飛び交う。
サイコパスとは、反社会性人格障害。
社会的に正常だと思われる人格から逸脱してしまっている人間。
フジコのような人間が増えているとしたら・・・それはリアルな恐怖だ。 -
職場のひとに借りていた本。
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割と残酷なシーンがさらりと一文で書かれていたりするのだが、それが逆にグロさ、エグさ、残酷さを読み手に感じさせるのがすごいと思う。緻密に描写して怖がらせる演出よりも、一言で終わらせる描写の方が個人的には恐ろしいと感じた。
女性特有の世界、男の幼稚性、昨今の社会問題、負の連鎖。
本の中の世界がすべて恐ろしいモノで構成されているが、それが違和感なく読めるところに、現代の社会問題への共感があるからなのだろうと思う。