- Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198936600
作品紹介・あらすじ
航空自衛隊小松基地のパイロット辰巳彰一尉は機密プロジェクト"ホット・スクランブル"の訓練要員。緊迫するアジア情勢-日本の空の安全を守るという危機意識から生まれたそれは未来型シミュレーターで、仮想敵国とのあらゆる状況での戦闘を模擬訓練できる。ある日辰巳は訓練中に灰色の雲に突入、その後、未知の機体との熾烈なドッグファイトに巻き込まれた。その正体は-。
感想・レビュー・書評
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いろいろ違和感あるし、回収しきれていない伏線があって、不満が残る。
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本書が書かれたのが2006年、既に中国経済の成功は彼の国に軍備増強による軍事大国化を実現させつつあった。作者は、ホット・スクランブルというシュミレーターとタイムマシンを合わせたような架空の装置を生み出し、2036年に誘う。そこは、中国と日本が領有権を係争している東シナ海、まさに命をかけた国家間の小競り合いから戦争へ火が燃え広がる直前のタイミングにタイムスリップしてしまう主人公の辰巳一尉。テーマに対してアプローチがあまりにフィクションすぎて、ストーリーの収まりがよくないが、本書のテーマが中国の「一帯一路」と称する国際法規完全無視の覇権主義なだけにやむを得ない選択だったように思える。現実世界では中国の覇権主義が経済及び軍事の面での成長を背景に現実味を帯びてきた。初刊から10年を経た2016年1月、南シナ海では関係各国からの批判を物ともせずスプラトリー諸島の埋め立てと実効支配をすすめ、いくつもの島に飛行場を建設しており、遂に航空機が着陸した。国力を背景に傍若無人に振る舞う中国により、本書に作者が予言した未来が出来しないことを願うばかりである。
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130605
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読みだしてから、単行本の際に既に読んでいたことに気がつきながらも最後まで再読。当時も確かにホットな地域ではあった尖閣が今ではホットスポットであり、先を見越した作品であったことは確かではあるが、今であれば、近未来としては本作の様な小競り合いだけで終わらない、もっと悲惨な未来が描かれたであろうことは想像に難くない。ホットな話題としては話は面白いものの、残念ながら少々、消化不良であり、結末も歯切れが悪く、多く張られた伏線としての家族の惨殺とか、美人姉妹との恋の行方など、話として収斂しないまま、尻切れトンボ的に話が終わってしまう。ひょっとして続編などを考えられていたのかもしれないが、残念ながら物語の行方は分からない。寡聞にして知らなかったのだが、作者が急逝していたということは残念である。
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舞台が尖閣諸島と、時節柄まさにホットな場所です。
普通の、戦記ものかとおもいきや、
SFチックな設定もあり、ちょっと面食らいます。
まぁ、ファンタジー要素は少ないので、
まだ許せますが、それでも、ちょっと違和感。 -
航空自衛隊の腕利きイーグルドライバーが、極秘シミュレーターの影響で未来世界の空中戦に巻き込まれる。
現代航空戦+SF???
このテの作品で過去に行くモノは多くあれど、未来へのタイムスリップって珍しくないか?
やっぱ、未来の兵器をリアリティを持たせて描くのはムズカシイのでしょうね。
その点、この作品はそのあたりが巧みだ。
主人公が「行きっぱなし」ではなく「行ったり来たり」するところが、ちょっと斬新か。
作者の高野裕美子さん、数年前に急逝されたのですね。
じつにもったいない。
惜しまれます。
10年ぐらい前に買ったまんま読んでない「マリン・スノー」もあったりするのですが・・・。