まろうどエマノン (徳間文庫 か 7-6)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198937928

作品紹介・あらすじ

一九六九年の夏。“ぼく”は、小学四年生。十歳だった。アポロ11号が月に着陸し、人類初の月面歩行をした日。ぼくは初めてエマノンに会った。父親の仕事の都合で、夏休みを祖母と過ごすことになった少年を待ち受けていたのは、地球に生命が生まれて以来の、膨大な記憶を受け継ぎ、旅を続ける少女エマノンとの冒険だった。
徳間デュアル文庫から刊行された『まろうどエマノン』と『かりそめエマノン』の中篇を合本して刊行。

感想・レビュー・書評

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  • SF。ファンタジー。中編2作。シリーズ3作目。
    ノスタルジック。いつもよりはボリュームがあって、2作とも十分な読み応え。
    表題作のラストは泣けました。良作。
    これでエマノンシリーズの既刊は読破。
    全くはずれのない素晴らしい作品たち。
    続編を気長に待ちます。

  • SFというよりは、どこか児童文学的な印象。
    10代の夏休みの読書感想文を書くにはうってつけ……かなあ??

  • 面白かった。
    エマノンの双子の兄弟、生い立ちから存在の意味、エマノンを探そうとあがく姿、かりそめは、かなり引き込まれた。

  • 「かりそめ」と「まろうど」2編を収録。「まろうど」の自分の生まれる前の親に出会うって、よくある展開なんだが涙腺がゆるんでしまう。

  • 全生命史の記憶を持つ少女と、彼女に関わった人の連作短編。
    表紙絵の雰囲気がピッタリ

  • 元々2冊だった本を1冊にまとめた新装版で、なんかちょっと美味しい感じ。
    2つの長編が収録されますが、それぞれにタイプが異なります。「かりそめエマノン」は地球の意志を感じる話で、「まろうどエマノン」はエマノンの旅の目的を感じさせる話。どちらもエマノンを象徴するような話で、これが1冊にまとまるというのは、なかなかいい構成かも。

  • エマノンの中編2作収録。

    『かりそめエマノン』も『まろうどエマノン』も両方とも好きな作品です。
    切なくて胸が締め付けられる。そんな要素を持っています。

    『かりそめエマノン』は、手の感触がうまく使われていて、エマノンの優しさにホロッとします。
    『まろうどエマノン』では、マキの決意が何とも言えません。

    久々の再読ですが、大切なものを感じた瞬間でした。

  • 2編収録。
    どちらも何処か懐かしくなる、良い話だった。

  • 「かりそめエマノン」
    エマノンの双生児の拓麻が生きる理由を見つける。

    「まろうどエマノン」
    「ぼく」が夏のひと月を祖母の家で過ごす。
    「ましら」や白比丘尼。

    たかだか数十年の間に人はこれほどのことを考える。
    刹那に過ぎた思いの重み。

  • エマノン・シリーズの3冊目。今までの「おもいで」と「さすらい」が短編集だったのに対し、この「まろうど」は中編2作をまとめた形です。
    形式の違いとともに、主題も少し違います。
    前巻までは人と地球の関わり、言い換えれば環境問題的な視点が強かったですが、「まろうど」は人と人の繋がり・関わりに重点が移ったように感じました。

    私自身は、前の2冊の方がキレが良くて好みでしょうか。とはいえ、「まろうど」も兄妹や親子の感情の動きが楽しく、サクッと読み終わりました。

    3冊続けて読んでいて、リアルな世界に非現実がごく自然に溶け込んだ独特の「現実」が心地良かったです。何が現実で何がフィクションなのか、境界がボヤけてくる感じ。心地良い反面、この感覚を突き詰めると精神的に危ないだろうなという気もします。バランスを取るためという訳ではないですが、今度はもう少し現実に向き合うテイストの本を読もうかと思います。(厳密に言えば、既に読み始めています……。)

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著者プロフィール

熊本県生まれ。「美亜へ贈る真珠」でデビュー。代表作に『地球はプレイン・ヨーグルト』『怨讐星域』「あしびきデイドリーム」(星雲賞)『未踏惑星キー・ラーゴ』(熊日文学賞)『サラマンダー殲滅』(日本SF大賞)、そして映画化した『黄泉がえり』や、舞台・映画化した『クロノス・ジョウンターの伝説』など。

「2022年 『未来のおもいで 白鳥山奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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