短篇ベストコレクション: 現代の小説2015 (徳間文庫 に 15-15)

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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (521ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198939830

作品紹介・あらすじ

2014年に刊行された各文芸誌に発表された全短篇の中からベスト11を選出しました。そのどれもが傑作、今読むべき“旬”な物語です。目利きの編纂委員を唸らせた作品群は、きっと、あなたを感動の森に誘います。愛と憎しみ、歓びと哀しみ、ときには笑いなど、研ぎ澄まされた文章に人生の機微をギュッと詰め込んだ名短篇の数々。新鋭の煌き、熟練の妙手にて、どうぞご堪能ください。

感想・レビュー・書評

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  • 2作品しか読んでないので星3つですが、2作品のみで判定するなら4つ星。

    教室ははときに、過ぎ去っていった先生方のおすすめ本が捨て置かれ、地層のような、貝塚の遺跡のような、なんとも表現し難い空間が存在していたりするのですが……

    一掃すべく回収作業に取り掛かり、ふと手にしたこの本に「山田宗樹」の文字が。
    しかもタイトルは「代体」。あれ?代体って短編だったっけ?しっかりめの単行本読んだような……

    と本を開いたところまでは覚えているのですが、ハッと気づくと読み終わってしまっていました。
    恐るべし!山田宗樹!そして短編!
    結果、単行本の代体と世界設定は同じで、別のストーリー。たまにあるパターンですね。
    しかしこんなに短いのにしっかり読ませる!きっちり落とす!大好き山田宗樹。

    5分シリーズなんかのショートショートが流行り始めて久しい今日この頃。
    クオリティが低いのは短いんだし仕方ない…とぼやきながら、ショートショートしか読めない子たちが群がる様を諦観の念で眺める日々でしたが……いや!やっぱ短くともクオリティ高いものを読もうやっ!!と思わされた短編「代体」。
    今年のオリエンテーションは星新一の読み語りと一緒に、この短編「代体」紹介してみました。設定がキャッチーなので軽い奪い合いになる嬉しい光景も見られてなにより。
    教室の貝塚ならぬ本塚に、そっと手を合わせましたとさ。

    他の方がレビューで評価されていた、中島たい子「いらない人間」も読んでみましたが、確かに面白かったです。
    読めそうで読みきれなかったオチと、そっと添えられし、お漬物のような下ネタ。良き。

  • かなり満足の普通のアンソロジー

     SFでもミステリーでもない。ふつうに時間を切り取ったような、つまり凝った劇的なオチがない物語。だからこそ余韻が心地よい。

     「流離人(浅田次郎)」は戦争ってなんだろうってことを別角度から眺めることができる良い作品。これ良かったな。

     「夜の小人(飛鳥井千砂)」もファンタジックなお話だ。

     「うそ(井上荒野)」は意味不明。主人公がモテる話は好きではないんだよね。僻みだけど。

     「正雄の秋(奥田英朗)」は出世競争に敗れた53歳のサラリーマン。いやぁ、なんというか微妙だなぁ。

     「テンと月(小池真理子)」は面白くない。
     
     「E高生の奇妙な日常(田丸雅智)」に至っては、さっぱりだ。

     「環刑錮(酉島伝法)」は今回もパス。

     「星球(中沢日菜子)」のモテる男は嫌い。

     飽きてきた頃、SFタッチの「いらない人間(中島たい子)」がおもしろく読めた。

     「床屋とプロゴルファー(平岡陽明)」のBGMはLet It Beかな。なかなかいいお話だ。

     「代体(山田宗樹)」のSFタッチは最高だ。下手なSFベストよりも良い。オチも鋭くキレが良い。これいいなぁ。

     アンソロジーはいろんな味が楽しめる。今回はとても満足の一気読みだ。

  • このシリーズは、結構好きです。
    普段なら手を伸ばさないようなジャンルの短編小説に出会えます。
    そして、短編だからこその技の冴えやテーマの切り取り方の面白さを味わえます。

  • 913.68

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著者プロフィール

日本文藝家協会(にほんぶんげいかきょうかい)
昭和21年(1946)、作家、劇作家、評論家、随筆家、翻訳家、詩人、歌人、俳人等、文芸を職業とするものの職能団体として誕生。大正15年(1926)に劇作家協会と小説家協会とが合併、設立された文藝家協会を前身とする。戦後、「社団法人 日本文藝家協会」として生まれ変わり、文芸家の権利を守るだけではなく、日本の文芸文化全般の隆盛を願って活動を続けている。


「2023年 『文学2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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