桃ノ木坂互助会 (徳間文庫 か 50-1)

著者 :
  • 徳間書店
3.26
  • (2)
  • (8)
  • (13)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 69
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198940546

作品紹介・あらすじ

厄介事を起こすのは、いつだってよそ者だ。七十歳の光太郎は憤慨していた。われわれが町を守らなくては――。そこで互助会の仲間たちと手を組み、トラブルを起こす危険人物を町から追い出し始める。その手段はなんと嫌がらせ!? 老人だからこそできる奇想天外な作戦はなかなか好調に思えたが……。大家と揉めていた男を次なるターゲットに決めたことから、事態は思わぬ方向へと動き始める。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • あらすじを見て「こんな展開かな」と想像してたのとは大きく異なって、いい意味で裏切られたというか。結末も予想外過ぎた…
    桃ノ木坂互助会の老人たちがよそ者にどう対峙するのかと思っていたら、幽霊代行の沙月が現れて…。
    ノスタルジアシンドローム、勉強になった。

  • タイトルから想像もつかない展開。
    何から書いてもネタバレしそう(汗

    地域の治安を守るための老人たちが作った「必殺仕事人」的地下組織が、エゲツない男を敵に回してしまう。ホンモノのキ○○イ。
    そのキ○○イ、にはまだ他にも敵がいて、これがまた精神科のマッドドクター崩れという変化球。こいつらの絡みがハードでタフで面白い。

    荒削りな部分があったり、「それは無理やろ」という設定もあるんだけど、勢いで押されて読んでしまう。

    ラストに明かされる仕掛けにもビックリ。なるほどなぁ…現実世界にもそういうのあるわ~

  • 町にふさわしくない者を排除せんと標的をつけ狙う老人達。
    年寄りが町中で作業していても誰も不審な目は向けない。
    ちょっと前に読んだ小説では、買い物袋をぶら下げた主婦がうろついても誰も気にしないっていう話があった。老人と主婦は風景の一部…だそうな。
    じいちゃん達もいい味出てるし、興味深いライバルも出現。
    きっちり盛り上がりもあり、意外な展開もあり、欲を言えば色々あるんだけど、なかなか面白かったです。

  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    厄介事を起こすのは、いつだってよそ者だ。七十歳の光太郎は憤慨していた。われわれが町を守らなくては―。そこで互助会の仲間たちと手を組み、トラブルを起こす危険人物を町から追い出し始める。その手段はなんと嫌がらせ!?老人だからこそできる奇想天外な作戦はなかなか好調に思えたが…。大家と揉めていた男を次なるターゲットに決めたことから、事態は思わぬ方向へと動き始める。

    光太郎じいちゃんかっけぇ~。

  • 新しく桃ノ木坂町に越してきた住民たちによるトラブルや町の平穏を乱す行動に悩む桃ノ木坂互助会(老人会)の会長・光太郎。
    元海自曹長でもある彼は、町に害を及ぼす住民たちを仲間たちとともにあらゆる手を使って町から追放するため、暗躍している。
    次のターゲットは、大家とトラブルを起こしていた男、武藤。しかし自分たち以外にも武藤を狙っている存在があることに気付き・・・。

    最初は老人たちの世直し隊の勧善懲悪モノかなーと思いきや、読み進めていくと第三者が参戦し、三つ巴のサスペンスめいた様相を呈す展開に。
    話の着地点が見えず、どうなっちゃうんだろう??とページを繰る手が駆り立てられました。

    終盤で予想もつかない展開に。
    隠されていた秘密は物語をよりスリリングにして、読み手を混乱の渦に導いてくれました。
    それでいて読後感は悪くなく、何となく清涼感を味わえる作者の手腕は素晴らしいと思います!

  • 街を守るために活動する老人たちの微笑ましい物語かと思いきや、幽霊コンサルという物騒な女性が登場した頃から様子がおかしくなり、最後は二転三転する予想外の展開に。
    よく出来た作品だけど、気持ち悪さの方が優っているので好きにはなれないです。

  • おじいちゃんの捕物帖かぁ、ありきたりだなぁとたかをくくっていたら
    とんだ大失態。新たなライバル出現でこちらも超わけあり。協力してめでたしめでたしといかないところがさすが川瀨さん。
    最後にはとんでもない大どんでん返しが用意されていてビックリ。その辺の回収が追い付かなかったのがちょっぴり残念だったけれど読み応えはバッチリ。人は見かけによらないと痛感。それと直感も侮れないんだなぁと。

  • 2020/4/28
    久しぶりに通勤したので読書できた。
    読み始めると読むんだけど。
    川瀬さん、負の人描くの上手すぎん?
    実際におる「なんでこんな人間が存在するん?なんでそんなことできるん?」っていう人。
    はじめは武藤の邪悪さに戦慄するねん。自己愛性障害的なやつ。
    このタイプは割と社会でも関わってしまうことがあって憎悪してるので、早く始末してくれと思いながら読んでた。
    でもこれを始末する側がまた危うい。
    今にも壊れそうな位置におるんよ。両方が。
    光太郎じいちゃん一派と沙月一派ね。
    とりあえず沙月の方がまだいけそうなのでじいちゃんちょっと引いてくれと思いながら読む。
    肩入れしてる仕置き人の方がいつ破綻してもおかしくないので、もう怖くて読むのをやめられない。
    この過程で正義の危うさなんかも描かれる。
    じいちゃんたちの暴走、怖い。
    正しいと思ってやることが一番残酷。
    武藤みたいなやつが幽霊怖がるやろか?ってのはずっと付きまとってたけど。
    そして最後に老人のマドンナ菊美の代理ミュンヒハウゼン症候群の暴露。何人も殺してる。
    フルコースやん。
    でも最後はいいとこに着地するんよ。
    ギリギリの淵を歩いている光太郎と沙月にも光が見える。
    だからやめられない川瀬さん。

  • 2014年2月徳間書店刊。書下ろし。2016年1月徳間文庫化。ラスト付近での展開には驚いた。インパクトは大きい。他の作品も読んで見よう。

  • 老害とこじらせ女子のミステリー。

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1970年、福島県生まれ。文化服装学院服装科・デザイン専攻科卒。服飾デザイン会社に就職し、子供服のデザイナーに。デザインのかたわら2007年から小説の創作活動に入り、’11年、『よろずのことに気をつけよ』で第57回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビュー。’21年に『ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介』(本書)で第4回細谷正充賞を受賞し、’22年に同作が第75回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門の候補となった。また’23年に同シリーズの『クローゼットファイル』所収の「美しさの定義」が第76回日本推理作家協会賞短編部門の候補に。ロングセラーで大人気の「法医昆虫学捜査官」シリーズには、『147ヘルツの警鐘』(文庫化にあたり『法医昆虫学捜査官』に改題)から最新の『スワロウテイルの消失点』までの7作がある。ほかに『女學生奇譚』『賞金稼ぎスリーサム! 二重拘束のアリア』『うらんぼんの夜』『四日間家族』など。

「2023年 『ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川瀬七緒の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×