警視庁心理捜査官 純粋なる殺人 (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198945503

作品紹介・あらすじ

東京町田市で女子大生の仲良し二人組が拉致誘拐され、一人が殺されバラバラにされたうえでマンションのバスタブに浮かべられた。そしてもう一人は、目隠し猿轡をされたまま現場に生きて残されていた。どうやら友人が殺される過程をすべて耳にしていたらしい。物的証拠も少なく、変質者に絞った捜査が敢行されたのだったが…操作を仕切る柳原は管轄違いの多摩中央署から心理捜査官吉村爽子を特別招集する。早速爽子はある違和感を抱き…。

痴漢の冤罪疑惑をかけられた中国人男性を救ってほしい…持ち掛けてきた若手の弁護士は、爽子と因縁深いかつての事件関係者だった。彼女に借り意識のある爽子は警察法に触れぬギリギリの線で協力する。浮かび上がったのは中国諜報員の暗躍だった。公安の影もちらつく中、爽子の恋人藤村も協力を申し出る。その途端、二人はうかつにもおびき出された現場から謎の集団に拉致される!

感想・レビュー・書評

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  • 黒崎視音『警視庁心理捜査官 純粋なる殺人』徳間文庫。

    何年か振りの『警視庁心理捜査官』シリーズの続編。表題作の中編1編と『蒼い闇』『クリスマスイブの出来事』の短編2編を収録。

    『純粋なる殺人』。シリーズ初期の原点に回帰したかのような読み応えのあるストレートな作品だった。東京町田市で2人の女子大生がマンションで襲われ、1人が絞殺された揚げ句に頭部を切断された状態で発見される。もう1人は目隠しと猿轡をされ、結束バンドで縛られた状態で事件現場に残されていた。事件の捜査を指揮するかつて公安の女狐と呼ばれた柳原明日香は多摩中央署から心理捜査官の吉村爽子を召集する。爽子は同期の日高冴子とコンビを組み、事件を捜査するが……

    『蒼い闇』。痴漢で逮捕された中国人留学生の嫌疑を晴らすために爽子と過去の事件で因縁深い若手女性弁護士が爽子に協力を依頼する。しかし、事件の影には公安と中国諜報員の姿が散らつき、罠につぐ罠が爽子を窮地に立たせる。

    『クリスマスイブの出来事』。本作の締めくくりに相応しいファンタジックな作品。成功と失敗を繰り返しながら心理捜査官として、警察官として成長を続ける爽子にサンタクロースが渡したプレゼントとは……

    本体価格710円
    ★★★★★

  • 何年かぶりのシリーズの新作。
    間に出ていた柳原のスピンオフを読んでからと思って、買ったまま、なかなか読めなかった。
    柳原をメインとした2冊を挟み、本作ではメインは爽子に戻る。
    都内で発生した女子大生の殺害事件。
    友人宅の浴室で殺害され、その友人も何者かに拘束された状態で見つかる。
    猟奇的な殺人を爽子のプロファイリングで事件解決に導いていく、初期の作品らしさが見えるのが、以前からのファンには嬉しい。
    長編かと思ったけど、以前の事件で知り合い、弁護士となった因縁の相手に中国人留学生の冤罪を晴らすのを手伝って欲しいと言われ、規則違反ギリギリのところまで手を貸してしまう爽子の人の好さを描いた中編と、これまでの事件を振り返るようなクリスマスイブの夜の出来事をファンタジーで描いた短編を収録している。
    3作とも作風が異なり、ちょっと拍子抜けの部分もあるけど、それなりに楽しめた。

  • いくつか、続きを楽しみにしているシリーズがあるんですが、そのうちの一つ。

    もはや馴染みとなった主人公たちの物語が読める。
    それだけで、期待が高まり、待ち焦がれて買ったのに、あっという間に読了

  • 表題はなかなか面白く止ませてもらったけど、後の2つは違和感ありありで残念だった。そして主人公の魅力が足りない。

  • これもシリーズものなんだね
    主人公の爽子さん登場人物からことごとく嫌われすぎでは、、、
    内容は個人的には普通のサスペンスって感じでした。

  • 黒崎作品、待望の新作。

    1冊まるっとの長編かと思いきや、長め・中くらい・短めの3話になってました。
    1話目・2話目を経ての最終話が、本全体のしめくくりで効いているなーと。なんだか安心して(?)本を閉じました。

    次回作を気長に待とう。

  • 東京町田市で女子大生の仲良し二人組が拉致誘拐され、一人が殺されバラバラにされたうえでマンションのバスタブに浮かべられた。そしてもう一人は、目隠し猿轡をされたまま現場に生きて残されていた。どうやら友人が殺される過程をすべて耳にしていたらしい。物的証拠も少なく、変質者に絞った捜査が敢行されたのだったが…操作を仕切る柳原は管轄違いの多摩中央署から心理捜査官吉村爽子を特別招集する。早速爽子はある違和感を抱き…。

    痴漢の冤罪疑惑をかけられた中国人男性を救ってほしい…持ち掛けてきた若手の弁護士は、爽子と因縁深いかつての事件関係者だった。彼女に借り意識のある爽子は警察法に触れぬギリギリの線で協力する。浮かび上がったのは中国諜報員の暗躍だった。公安の影もちらつく中、爽子の恋人藤村も協力を申し出る。その途端、二人はうかつにもおびき出された現場から謎の集団に拉致される!

  • 表題『純粋なる殺人』がジワジワと心に澱を溜めるな
    心理捜査官に関わる説明がカッコいい、リヴァプール
    方式にFBI方式・・・吉村爽子の本格始動かと思え
    ば違いました・・・この作品は主人公の成長物語なの
    ですね(知らんけど)

    公安の女狐こと柳原明日香の依頼で多摩中央署の心理
    捜査官吉村爽子がさっそうと登場し、警察学校以来の
    犬猿の仲である公安の日高冴子と出張しコンビ捜査&
    温泉宿の下りは成長に欠かせないものですね(´・ω・`)

  • 『純粋なる殺人』は、やっぱりそうか、な人物が犯人。どう考えてもおかしいもん。
    『青い闇』は、なかなかに執念深い。
    『クリスマスの出来事』は、ほっこり。たまには自分の気持ちを緩める時間も必要ってことだな。

  • プロファイラーという言葉も、アメリカのドラマで、このような任務の人がいる事を知った。

    題となる「純粋なる殺人」
    大学生の娘の行方不明で、確認したら、友人の木梨朱美のマンションで、凄惨な遺体となって、見つかった。
    木梨朱美は、両手を結束バンドで、拘束されて、目隠し、猿轡の有様であった。

    しかし、読み進んで行くうちに、この朱美という人物が、変質者と、言ってもいいほど持ち主だと、わかって来る。
    先日 家裁が、事件の書類を全部廃棄したとニュースになった、神戸連続殺人事件を思い出した。
    あの事件は、もう25年前の話なのだと、記憶するが、とても、普通の人間が、出来るような事ではないと、思っていた。
    この本を読みながら、その記憶がよみがえり、小説でありながら、恐怖心が、ゾワゾワとする。
    捕まる時の凶暴性も怖かった。

    これに対して、「蒼い闇」と「クリスマスイブの出来事」は、余り読みごたえが無かった。
    最後の、クリスマスイブの出来事は、最初の事件が、怖すぎ来てのおまけなのだろうか?と、思いながら読み終えた。

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著者プロフィール

岡山県在住。『警視庁心理捜査官』で鮮烈デビュー。この作品は人気TVドラマとしてシリーズ化された。吉村爽子と柳原明日香という女性捜査官二人を主人公とする「心理捜査官シリーズ」は好評を博し、その続篇も読者に熱狂を持って迎えられている。警視庁特殊部隊を描く「六機の特殊シリーズ」も、組織や装備などのリアルな描写と作品内で展開される戦略の緻密さが凄いと評判になり多くの読者を獲得した。この2シリーズで警察小説の書き手として不動の地位を築いたが、近著はなんと時代物! 幕末の世を疾風のように通り過ぎた美少女剣士の物語、『緋色の華 新徴組おんな組士 中沢琴』。新境地を開いたのち、次にいかなる作品を引っ提げて打って出てくるのか、固唾を飲んで待たれている現況である。

「2023年 『交戦規則 ROE 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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