夏休みに、ぼくが図書館で見つけたもの (スプラッシュ・ストーリーズ 37)

著者 :
  • あかね書房
3.74
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本棚登録 : 184
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784251044372

作品紹介・あらすじ

本好きの達輝はクラスでは目立たないが、図書館では本の知識や紹介で大活躍。「学校とキャラ違くない?」と彩友に驚かれ、「本探し」を頼まれる。サッカーが上手い令央が図書館で天井を見上げて座っているのを見た達輝はスポーツの物語を薦めてみる。貸した本を汚してしまった令央が謝り「もう図書館に来ない」と駆け去った後、思わぬ事情を知った達輝は…。本にしか興味のなかった達輝の、ひと夏の出会いと友情の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 読書ものの児童書って、ほんとうにワンジャンルできるくらいたくさんある。この本もとてもさわやかで楽しかった。

    5年生の達輝(たつき)は、本が大好き。自分の家の真ん前にある分館を自宅の離れのように使っている(超うらやましい!)。
    夏休み、同じ学校に通っているのに今まであまりしゃべったことのなかった子と顔を合わせ、本を通じて少しずつ仲よくなっていく。図書館のイベントや、「居場所」としての役割(インクルージョンなども含め)などもさらりと描かれ、物語としてもちゃんとおもしろくてよかったです。

    『ぼくは本を読んでいる』とも通じるところがあるかな。
    本っていいよね、ってあらためて思えるような物語。

  • 家の目の前にあるさくら図書館が大好きな5年生の達輝(たつき)

    毎日通っているので児童室の本の配置がすべて頭に入っていたり、参加している図書館のクラブで頼りにされていたりする

    あるとき、クラスメイトの彩友(あゆ)に小さいころ母親に読んでもらった本を探してほしいと相談を受ける

    夏休みには、何をするでもなく図書館に通ってきているやはり同じクラスの令央(れお)に読書感想文の本をすすめてみる

    学校ではあまり目立たない達輝の夏休みが、図書館と本を中心に動き始める

    《本が、ぼくらをつないでくれた。》──帯のコピー

    『アカシア書店営業中!』(2015)、『ビブリオバトルへ、ようこそ!』(2017)につづく濱野京子×森川泉の“本”の本の第3弾、2年ぶりにあかね書房「スプラッシュ・ストーリーズ」レーベルから

    『マガーク少年探偵団』『チームふたり』『ぼくを探しに』など実在の本がちりばめられていて、物語を通じた読書案内にもなっている

    前2作に登場し「読んでみたい本」と話題になった『盗塁王』が本作にも

  • 図書館にまつわる本をピックアップして読んでいたところ、この本もみつけました。
    小学生のひと夏の友情物語という感じですが、出てくる本は現存するものなので、この本をきっかけに色々な本に巡り会える楽しみもあります。子供達のそれぞれの背景も相まって、後半はノンストップで読み進めてしまいました。
    この本で、小学生の甥っ子達に読み聞かせしてあげたいなと思いました。

  • 凄く素敵なお話で、「この本が好きだなー!」って思いました。
    学校では大人しめの子だけど、図書館と本がこんなに大好きな子がいるのかと驚きました。難しい本も長編作品でもへっちやら!“ここにある全部の本を読みたい”と願うほどの読書好き。読むことだけではなく、人に紹介するのも上手。そんな彼と2人の同級生が図書館を通して、また本を通して仲良くなって成長する過程が凄くホッコリします。一人一人の家庭事情や気持ちがあって、考え方や感覚も様々。彼らが図書館という場所を起点に関わって、仲良くなっていく姿が素敵でした。アリスクラブも本当に楽しそうです!

  •  小5の達輝は図書館の常連で、本の紹介が得意。ある日図書館で、同級生の彩友、令央と出会う。学校では大人しい達輝は、二人とも親しくなかったが、本を薦めるうちに距離が縮まっていく。
     「友だち」に興味のなかった達輝が、二人の事情を知ることで、相手に配慮することを学んでいく。やがて自分に足りないものに気づき、友だちとの関わり方が変わっていく。健やかな成長が気持ちいい。

  • 近所の図書館なら、これくらいの距離感でもあり得るかな。
    人に本を薦めるのって本当に難しくて。

  • 課題図書になっていて、子どもが感想文を書いていたので読んでみた。
    さわやかな小説。個性豊かな登場人物にどこか共感できる部分があるのでは。

  •  5年生の達輝は、本好きで図書館のヘビーユーザー。人に本を紹介するのも好き。
     図書館で会った同じクラスの彩友から探している本があると相談される。5歳の時にお母さんに途中まで読んでもらった本で、外国の物語、主人公には親がいなかったはず…彩友の探している本は?
     達輝の通うさくら図書館は、同じ小学校の子はあまり来ない。彩友は、近くに引っ越してきたらしい。夏休みに入り、また別の同級生・令央と会うようになる。サッカーがうまくて本になんて興味がなさそうだし、家も近くないはずなのに、何で?

  • 図書館は、一番好きな場所だと思う。本好きの話って実はあまり好きではないんだけど、これはよかった。こんな図書館にこどもが行ける世界であってほしい。

  • 学校では目立たない少年だが、近くの図書館で人に本をすすめるのが得意。本を通じて友情を育む。

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著者プロフィール

熊本県に生まれ、東京に育つ。『フュージョン』でJBBY賞、『トーキョー・クロスロード』で坪田譲治文学賞を受賞。主な作品に『トーキョー・クロスロード』(第25回坪田穣治文学賞受賞)、『この川のむこうに君がいる』『with you』(ともに青少年読書感想文全国コンクール課題図書選出)、『石を抱くエイリアン』『南河国物語』『Mガールズ』ほか、「レガッタ! 」シリーズ、「ことづて屋」シリーズなどがある。

「2023年 『金曜日のあたしたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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