原題 When Grandfather Journeys into Winter
by Craig Kee Strete 1979
小野章 訳1981
あかね世界の児童文学31
インディアンの祖父タイファと孫のリトル・サンダーはインディアン居留地に住む
地面の砂に小枝で、インディアンの記号を教えるタイファ
ワシ、クマ、シカ、大ガメ
それらは部族にとっての「聖なるもの」
かき方には意味があり、おぼえなければいけないのはかき方だというタイファ
「わしたちにはワシの記号がある。わたしたちにとって、ワシはこの世にせいをうけた兄弟だ。ワシは大きな夢をそだてる。誇りたかいワシは、自由ない心をもっているから、空も風もこれをあがめる。きびしい真実の存在だ。それがわしたちの記号のひとつだ。」p12
それからいくつか記号をかいた
それらは白人の記号のなかでは、いちばん神聖なもののひとつ$
それはインディアンのワシとは違う存在
そしてタイファはFという字はおろかもの、落第、なまけものをあらわす記号だと教える
リトル・タイガーの学校の通信簿にあるもの
リトル・タイガーは自分が宿題をなまけた結果だと知っている
タイファはリトル・タイガーの向き合いかたを、示しているのだ
二章からは、隣の居留地に来た(買った)白人ウィルソン・ターナーが荒馬ローリング・サンダーを乗りこなしたものに500ドルの賞金を出すという話へ
誰も乗れない荒馬にタイファは挑戦する
娘(リトル・サンダーの母)エルク・ウーマンが止めるのも聞かずに。
エルク・ウーマンも最後にはあきらめ、父のやりたいようにやらせる
タイファは賞金はいらぬが、荒馬が欲しいといい、それがら聞き入れられる
荒馬を乗りこなすタイファ
だか、その代償は彼の生命だった
インディアンの誇り
人としての誇りを示してタイファは亡くなる
最期の時を過ごすリトル・タイガー
インディアンの名前は動物に見立てる
自分の名は他人には教えないしきたり
名をしられることは、自分を知られること知られることは戦いで敗れることを意味する
白人文明が入ってきて、名前が必要となったため、勝手につけたもの
経済第一主義の白人文明
モノが土台にされた文明
それを指摘した児童文学
そんな児童文学を書いているのが
スコット・オデル
アスラ・ル・グイン
など
著者はチェロキー族出身