光とともに・・・: 自閉症児を抱えて (7)

著者 :
  • 秋田書店
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253104456

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた。
    人気のためか、これまで全巻ボロボロだ。

    自閉症児・東光、小学校高学年編。
    父親の左遷と復帰・特例子会社設立、AAPEP(青年期・成人期心理教育診断評価法)。

    障がい者が働いていくこと。
    最低賃金がどうだと言われると、正直、健常者だってままならないことがあるよ、と思ってしまう。
    でも、こういう考えが既に差別なんだろう。
    それぞれ個性や能力があって、その範囲が違うだけのこと。
    適材適所で働くことで、本当は、生計を立てられる社会が理想だ。(障がいがあると、どのくらい金銭面で補助が出るのかわからないけれど。)
    以前、授産施設のようなところで作ったパンを購入したら、普通においしかった。
    普通に。

  •  この巻も小学校高学年の光君です。
     今回は,光君の話というよりも,お父さんの会社の話が中心で,わたしもその部分に興味がありました。左遷されたかに見えたお父さんが,会社がFA制度を採用したことにより自分の実力を売り込み,それが認められて新しい子会社の立ち上げに参加することになります。その子会社は,立ち上げと同時に障害者雇用を積極的に進めようとしています。
     障害者雇用についての会社の責任は,このマンガが書かれたころよりももっと高い目標となっています。会社の社会的責任に留まらない,障害者が一緒に自立していける社会の創造に向けての取り組みが求められているのが今の社会なんでしょう。
     巻末の解説にも,自閉症を持った人がどのように働いていくのかということについての実際の例が挙げられていました。クロネコヤマトの「スワンベーカリー」の話はとても興味深かったです。

  • 「光とともに」のシリーズの中で、わたしが最も好きな7巻。

    お父さん(雅人)は、上司の意地悪によって左遷されてしまったが
    それでもめげずに時間を有効活用して、たくさんの企画書を作り
    それを社内に応募することで、本社への復帰を果たす。
    幸子も汗でぐっしょりのワイシャツを見て
    「お茶もだしてくれないのかも……」と気づいて水筒を用意したりと
    警察にお世話になったあの日から、懸命に雅人を支え続けたので
    うれしさもひとしお。子どもたちの前でうれし泣きするほど。
    そのときの光くんも、台ふきでとはいえ幸子の涙を拭いてあげて
    あぁ、他者への関心が芽生えているなぁとこちらもジーンとくる。

    雅人は本社で、きのこ栽培をする特例子会社を設立することになった。
    そこで、当然ながら光くんの将来、つまり働く大人になることについて
    幸子もいろいろ考えるようになる。
    そこでちょうど心理の大沢先生に勧められた発達検査を受けることになる。
    難しい課題が続くと脱走しようとした場面も見られたが
    長い検査を頑張って受けた光くん。
    その姿を見学で見にきてくれた学校の先生たちも
    光くんの「この先」を見据えたときに、何か力をつけられることを
    できないかと、あれこれ思案してくれて、わたしも胸が熱くなった。

    そしてこの巻で最も好きなエピソード。
    それは幸子が体調を崩したときのこと。
    熱でもうろうとする中、食器を割ってしまい、その欠片を踏んだ光くんに
    「あ~、踏んじゃった」と言ったことで
    幼いころ、食器を割って幸子に軽く叩かれていたことを光くんは思いだす。
    一方の花音ちゃんは、鍵を閉め忘れていた部屋にあった
    幸子の大切な口紅をイタズラで使ってしまい、怒られて大泣きしてしまう。
    そんな花音ちゃんを光くんは「大丈夫」と慰め
    幸子も「口紅、触りたかったんだね」と花音ちゃんの気持ちをくんであげる。
    それで花音ちゃんも素直にごめんなさいが言えた。

    こういう互いが互いを思いやれる家族があたたかくて羨ましくて
    親だって人間なのだということも
    メッセージとして伝わってくる本当にいいエピソードだと思う。

    ただ、この巻は素晴らしい点が多いぶん
    「どうしてわたしはこうしてもらえなかったの?」と
    すこしうつうつとしてしまうところもあったかな。
    コウくん(2歳半)というおひさまハウス利用者の子の
    療育場面を見て、幸子も「遠回りしちゃったな」と落ちこんでいたが
    小山田さんが言うように、遠回りや無駄なんかないと思って
    日々こつこつと、障害とは向き合い続けていくしかないのだろうね。

  • 小5次女、市立図書館。
    光くん5年生夏休み〜2学期。学校の先生に理解者も増え(新担任の郡司センセイはまだあまり当てにならないけど…)、交流や支援の場おひさまハウスという居場所も得て、自立へ向けてのAAPEP(青年期/成人期心理教育診断評価法)という検査をうけて将来の自立への道を探り始める。
    父親の雅人の職場での配置換えも、逆境をバネにチャンスをつかみ、障害者雇用の特例子会社立ち上げの企画が進む。
    光くんを核にした、家族と地域の成長の物語でもある。

  • 3~7巻読了。あぁついに青木先生が異動になってしまった。しかも校長先生がくも膜下出血で急死。なんてこった。大奥じゃないけど、優秀な人ほど早く死ぬ。手つなぎペアの石田君は素晴らしかった。子ども同士の方がすんなり学べるというのには納得。愛するTもKが一緒だとぐずらず歩くってKさんが言ってたもんな。

  • 素直に笑えるところもある。これが書き下ろしでないとしたらすごいと調べたら、月刊誌か。http://www.akitashoten.co.jp/magazine/detail/mag_series_id/13/mag_id/3314/

  • 仕事でどんなに辛い思いをしても諦めず、相手を憎まず、自分の能力を発揮する機会を掴み取る。
    お父さん、素敵。
    陰で支えるお母さんも素敵。
    妹を慰められるようになった光にも感動。

  • 自然教室を乗り切った光くん。
    一方、お父さんには仕事で試練が・・・
    何があっても前向きに乗り切っていく東家の人たちを凄いと思う。

  • 有能なお父さんが会社でリストラ要員に...ちょっと前のIT革命からユビキタスとかなつかしい単語が出てきて、こういう視点の案ももっと前に読んでれば課題で出せたなぁとか思いつつ読んだ。特例子会社のこととか、結構知らないことが知れて勉強になった。
    お父さんも上司の嫌がらせ人事にめげずに無事復職出来てよかった。

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