絶望男子と中国娘(2): 少年チャンピオン・コミックス・タップ!

著者 :
  • 秋田書店
4.50
  • (2)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 31
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784253130950

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これは、どちらかと言えば、アニメよりはドラマ化して欲しい四コマ漫画。コメディとシリアスのバランスが良くて、テンポがいいので読み手をイライラさせないトコは実に好い
    どの漫画で読んだかは失念しているのは、漫画読みとして恥ずかしい事なのだが、とある漫画家が編集者と打ち合わせをしている際、「本気になったら、自分はこれくらい引き籠もれる」って話題で盛り上がった、と巻末のフリートークで読んだ覚えがある
    貯金の事を考えれば、まぁ、3か月くらいだと思う。ただ、私は出不精で人間キライが入っている割に、部屋の中で一人でクサクサしているのが嫌で、外に出て、会話こそしないが、それなりに人と接したいって思っちゃう、チキンなので、せいぜい、三日で音を上げると思う。そう言う意味では、自分の世界に閉じ籠れる引き籠もりの人々は、私より、よほどメンタルが強い
    まぁ、尊敬云々は抜きにして、引き籠もって内弁慶で家族に迷惑をかけ、顔も名前も分からない相手とだけ盛り上がり、一人前に中身のない社会風刺をかまし、「俺が悪いんじゃなく、世間がクズなんだ」と思っている輩は、ぶっちゃけ、私は嫌いだ
    理由もない迫害を受けた恐怖から他人と関われなくなるほどの傷を負っているのなら、そこに関しちゃ、同情はする。けど、自室に閉じ籠って、他人どころか自己との会話もせず、無関係の他人へ自分もされたはずの根拠のない非難を重ねて、その傷を癒せるのか? てめぇでてめぇを貶めて恥ずかしくないの、お前、と呆れ、情けなくなる
    あけすけに書いてしまっているので、気分を害してしまった人がいたら申し訳ない
    しかし、そう考えている私が、この『絶望男子と中国娘』の主役・タロに関しちゃ、どういう訳だか、そこまで強い嫌悪感を抱かない
    多分、それは、何だかんだで、龍龍の為に無いに等しい勇気を振り絞って動ける強さや、龍龍の為に動けなかった自分に対して苛立ちを覚える強さを、タロがちゃんと持っているだろう
    話の軸が、日常コメディと言うよりも、日本人と中国人のラブコメであるのも、タロへの不満が薄まり、却って面白さを感じられる理由なんだと思う
    部屋に引き籠もっていて、恋人が出来る男の子は、ドジ属性のある世話焼きの幼馴染か、ちょっとだけ恩を売ったお節介の委員長がいる奴だけだ。恋も含め、自分を人間的に成長させたかったら、部屋から出て、家の外の“空気”を吸うしかない
    ある意味、この『絶望男子と中国娘』は、自分に自信の持てない男子諸君に励みを与えてくれるんじゃないだろうか、タロに、こんなカワイイ少女と仲良くなるチャンスが訪れるなら、俺にだって!! と外に出るキッカケにも、どっかでなっている可能性だってある
    龍龍に背中を押してもらえたタロに知り合い以上友人未満のクラスメイトが出来たり、クロの恋の炎が再燃したり、シスコンの兄貴がやってきたり、と色々なイベントが満載である、この(2)
    発売がいつになるか、は読めないにしろ、次巻が楽しみだ。日本人が相手だってヘタれてしまうタロ、果たして、中国人である事に加え、マフィ〇っぽい龍龍兄に対し、自分をちゃんとアピールし、好きな人との距離を詰められるのか、期待している。案外、こういうタイプは正攻法でポイントを稼ごうとしても逆効果、自分じゃちょっとした事でも、意外に評価がプラスになる可能性があるので、いっそ、開き直って自然体でいるのがいいだろう
    この台詞を引用に選んだのは、この(2)で一番、クロがカッコいいな、と思ったので。普段の態度がちょっとチャラめだからこそ、ここぞってタイミングで真剣になった時のカッコ良さは三割増しになる、このギャップの使い方、理央先生、上手い。まぁ、普段の解かりらいブラコンっぷりを発揮しているクロもカッコイイっちゃカッコいいんですけどね。家族と、家族の好きな人を馬鹿にされて、咄嗟に蹴りを、しょーもない奴にかます、カッコいいじゃないっすか

全1件中 1 - 1件を表示

理央の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×