君を待つ千夜 (キャンドルコミックス)

著者 : 笈川かおる

• 秋田書店 (1989年10月1日発売)

感想・レビュー・書評

[yomosugaraさんの感想 · 2017年4月19日]

前回の遠藤先生の「ヘヴン」から、今度は近未来繋がりで。
男に騙されてコールドスリープされ、10年後スリープから目覚めた第1号のケースになった、つかさと、その後の天災により再度コールドスリープしたはずの、いつ目覚めるかわからない彼女を、アンドロイド化して待ち続けるクロゥの連作です。1話目でつかさとクロゥの出会い、2,3話目はつかさを待つクロゥの話です。
わたしは3話目で「こんなはずじゃなかった。もう一度スリープさせろ」と言うスリープから目覚めた人たちに、クロゥが言うセリフに、「そうか、そういうこともあるか。」と深く感じいるものがありました。
この巻に収録された3話しかなく、クロゥはつかさに会えるのか。今でもとても続きが読みたいと思う一冊です。
【効能】SF、恋愛、連作好きに効きます。菅原道真の飛梅のエピソードが好きな人にも。
【副作用】東日本大震災の後に読むと、あり得る未来なんだよなぁとちょっと怖くなります。